櫻葉❤
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Side M
「俺は雅紀を縛ってないか?」
「え?」
視線をオレの手のひらに向けたままの、
しょうちゃんのごわごわの後頭部を見つめる。
「俺のせいで、、、
雅紀を縛ってごめん」
、、、しょうちゃんってば。
「どうして、、、そんなにまっすぐなの?」
「意味が分かんねぇ。まっすぐってなに?
俺、お前にすげーひどいことをしたってのに」
、、、しょうちゃんは。
絶対に口にはしないけど
あの日のことをホントはずっとずっと後悔してる。
オレはとても、、、嬉しかったのに。
「ホントに、、、本気で言ってる?
縛ってるのはオレだよ。
わからないの?
最初から
オレがしょうちゃんを縛ってるんだよ」
たまたま隣に住んでいた。
たまたま5つ年上で、しょうちゃんの小さなころから
まるで当たり前みたいにそばに居れた。
もし
そのたまたまが違っていたらきっと
しょうちゃんはオレを選ばない。
きっと、、、
選んでくれなかった、、、
「それならお前だってそうだろ」
ふいにこちらを見上げる、そのオトコの顔にドキリとする。
大きな目に見つめられると本当はいつも怖くて、、、
ぜんぶを見透かされそうで怖くて、視線を外したくてたまらない。
「もし俺が隣に住んでなくて、
俺が5つ遅く生まれなかったら
お前は俺を選ばなかったかもしれない」
「そんなこと、、、」
「出会ってないかもしれない」
「それは、、、」
確かにそうだけど。