櫻葉❤
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Side M
「ごわごわだ」
コンサートではちゃんと髪をセットして
表舞台のしょうちゃんは、いつもとは違ったかっこよさがあった。
「、、、雅紀がシャンプーやって」
「わぁ、どうしたの?可愛いこと言う」
さっきまでの激しさは、いったいどこへ行ったんだろう。
間違いなく男らしくなっていくしょうちゃんは、
そんな中にも少年らしさがいつだって垣間見えて
オレはもちろん、しょうちゃんのそんなトコロも大好き。
「いいだろ。やってよ」
「もちろん、いいよ」
オレに抱き着くその腕を少しほどいて
しょうちゃんの手のひらを取ると、ゆっくりと撫でる。
「しょうちゃんの手のひらは大切だしね」
ずいぶんと大人っぽくなったその手のひら。
指先。
「しょうちゃんの手のひらは、、、指は
たくさんの人たちを感動させるものね」
どんどん男らしい手のひらになるその甲に
唇を押し当てる。
「そうだとしても、この手も指も。
雅紀のモノだ」
しょうちゃんの本気は伝わる。
「、、、嬉しい」
言いながら、なぜだか目を伏せる。
きっと、、、なにかを誤魔化したくて。
すると、今度はしょうちゃんがオレの手のひらを握り返して
同じようにキスをしてくれる。
「俺にとっては雅紀の手だって大切だ」
それだってとても嬉しい。
でもそれは当然なんだ。
だってオレがいなきゃ、、、この手のひらがなければ、
ダメになるようにしたのはオレなんだから。
この手が無くなったら辛くなるように。
オレの助けがなかったら苦しくなるように、、、
オレが、、、しょうちゃんをそうさせた。