思わず謝った。
翼がグレーの俺は
なにもかもが中途半端。
翔ちゃんのこともまぁくんのことも
そして、、、
なにより自分のことが。
賢いはずの俺は
まったく、、、
賢いとは程遠いことをしてる。
天使が悪魔に抱かれる、、、なんてこと。
それも自らが望んで。
そんなことはあっちゃいけない。
もともと天界にいる俺たちは
全員が男でも女でもない。
肌を重ねる必要がないように作られたカラダを持っていて
それでも、、、
俺は智に抱かれた。
それはつまり、、、
俺が智を
必要としてしまっている証、、、だ。
きっと翔ちゃんとまぁくんも。
産まれた瞬間から
互いを見つめ合っていたと聞いている。
お互いの世界に
お互いの存在しか目に入っていないようだったと、、、
潤が言っていた。
天使も悪魔も。
神も死神も。
この天界にいる存在はすべて
独りで完結できる存在だ。
他の誰かを必要となんてしないはずなのに、、、
俺は、、、
俺たちは、、、
「謝らなくていいよ」
意外にも
潤はにこりと笑って言った。
「悪いのは智」
「ぇえ～？俺？」
いつものように
のんびりと智は言う。
「お前は悪魔なんだからお前が悪い」
「っ、、、」
違うよ、、、って言おうとして
「ってな安易な考えは
下界でなら通用するんだろうね」
「ww 都合良いからね」
「、、、」
二人が笑いあうのを
俺はびっくりして見ていた。
「冗談だよカズ」
「、、、冗談？
潤が、、、冗談を言ったの？」
「ww そ。天使だって冗談くらい言う」
「そんなの、、、はじめて聞いた」
苦しむ翔ちゃんと
辛そうに涙を流すまぁくんをよそに
潤も智もどこか余裕で笑ってる。
「っ！！！なにやって」
不意に智が
俺のほっぺにキスをした。
「お詫び。
ベッドに一人残してごめんね」
「ふ、、、ふざけんなっ」
「ふざけてないよ」
「っ、、、」
潤がいる前で、、、
ココは翔ちゃんのテリトリーだから
外には漏れないだろうけど、、、
「さ～と～し～」
潤が言いながら
俺の身体に腕を回すと
そのままグイっと引き寄せて
俺は潤の腕の中にすっぽり収まった。
俺は潤の腕の中で
心なしかホッとする。
「だからカズはまだ若いんだって」
「わかってるよ～いいじゃない」
「よくない、、、ったく。
お前もよりによってなんで智なんだ？」
「え？は？」
「厄介なのを選びすぎだ」
怒ってるようで、、、
潤はいつもよりもどこか優しい。
ほんの少しの間
翔ちゃんとまぁくんのことを忘れた。