どうするの？」
雅紀が聞いた。
きっと。
俺が行くなと言っても
雅紀は向こうへ行くだろう。
それなら知っていたい。
出来るだけ正確に。
「お前が向こうへ行くなら
俺も一緒についていく」
「、、、え？」
「居場所を知っていたいんだ」
「、、、どういう意味？」
「お前のシルシ。
雅紀から翔さんへ移ってるんだよね？」
「、、、、、潤」
雅紀と翔さん。
俺は
二人が誕生するときを知っている。
あれからずっと見守ってきた。
双子の神の誕生は
本当に稀だ。
俺も初めてだった。
なにが起こるかはわからなかった。
わからない、知らないこと、
未知というモノはいつだって
憧れと恐怖が同時に存在する。
そして、
怖がるものへ焦点を当てる場合がほとんどだ。
それでも。
俺はなぜか楽しみだった。
「俺は、、、お前たち二人の誕生が
とても嬉しかったんだよ」
二人が生まれた瞬間を
いまもよく覚えてる。
「本当に、、、美しかった。
二人とも。
とても柔らかな光に包まれて、、、」
思い出す。
あの瞬間を。
最高神とはこうも神々しいのかと。
きっと
一生忘れないだろう。
あんなに美しい世界は
初めて知ったから、、、
「あのとき決めたんだ。
俺は、、、俺の出来ることをしようって」
俺は天使で
神にも死神にもなれない。
出来ないことは出来ない。
だから、、、
出来ないことはしない。
「俺は俺の出来ることををしようって。
あの瞬間に決めた」
二人が産まれた瞬間。
一生をかけて
この二人を見守ると決めた。
「、、、左肩」
雅紀を見つめる。
「左肩から、、、背中にかけて。
紅く、、、広がって、、、、、」
左肩を掴んでいる雅紀の手のひらに
力が入るのが分かった。
「、、、教えてくれてありがとう」
翔さんは
きっといま
苦しんでいるだろう。
、、、智
智はそばに居るだろうか。
翔さん、、、
「雅紀、、、俺の知ってることを話すよ」
「、、、うん」