突然。
目の前に
そのドアップが現れた。
「、、、その呼び方やめろ」
普段「翔ちゃん」なんで呼ばない。
雅紀の真似だ。
睨みつけても
いつものようにふふっと笑って。
それはまるで
神か仏か
天使のような笑顔で
智は音もなくふわりと現れた。
「あれ？まだこんななの？
もう3日もたってるんじゃない？」
「、、、うるせー」
ベットの上で動けない俺の真上に
馬乗りになる智の顔がさらに近づく。
「どけよ」
「ん～？」
「っいい加減にしろ」
「ふふっ」
笑いながら
次の瞬間
智はベットの脇に座って
こちらを眺めてる。
「苦しそうな翔くんもキライじゃないよ」
漆黒の美しい翼をひらっとさせて
相変わらず笑いながら言う。
「、、、、、」
悪魔にも翼がある。
天使も悪魔も
普段はそれをしまっておける。
それぞれ、
持ってる力を最大限使うとき、
その綺麗な翼が必要になる。
ゆっくり
ベットから起き上がった。
すると智の冷たい手のひらが頬を包んで
まるで天使のようなその柔らかい顔が近づいた。
「カズがいたんだね」
「、、、ああ。ついさっきまでな」
「妬けちゃうな」
「ふざけたこと言ってんじゃねぇ」
やっぱり
ふふっと笑って
そのまま頭ごと引き寄せられた。
ぽふっと、、、
智の膝の上に頭を乗せる形になる。
そのまま、、、目を閉じれば
まるで子供をあやすように髪を撫でられた。
「、、、髪、、、やめろ」
「翔くんの髪はサラサラで気持ちいぃ」
「殴られたいのか？」
「ww 翔くんは殴らないでしょ」
思わず、、、ふっと笑う。
瞼を開ければ
智の黒い翼がキラキラ光っているのがチラリと見える。
「どーせ脱がずに堪えてんだろうと思って」
「、、、、、」
「少しは楽？」
「、、、ああ」
「良かった」
全身に襲い掛かるソレが
少しづつ軽くなっていく。
そのまま
また
目を閉じて
「、、、サンキュ」
素直に言えば
智はまた
ふふっと笑った。