老朽化した学校の建替えプロジェクトとして進められている
「未来の学校」の整備方針について話そうかなと思います。
学校を地域開放するという言葉が一人歩きをして
児童生徒の安全や防犯面に誤解が生じているようです。
「地域に開かれた学校」とは
渋谷区では、
地域のスポーツ交流やコミュニケーションを図る場として、
学校教育に支障のない範囲で学校施設を開放しています。
現状では
上原や本町などの学校でプールの開放を行なっていて、
地域の利用者が校舎に入らないような動線を作りゾーニングをしています。
(私の通っていた中学校でも、夕方になるとサッカーチームが人工芝のグラウンドに来て練習をしていました。)
地域に開かれた学校とは
こうして学校という施設を
本来の学校運営協議に支障ない範囲で利用できるようにすることや
- 地域行事・祭り
- 人手不足
- いじめ
- 地域の担い手
- 部活動
- 不登校
- 防災・防犯
- 放課後の居場所
- キャリア教育
など
様々な課題やこれから必要なことを
学校・地域で連携して取り組んでいくための拠点となっていくこと
なんじゃないかなと思っています。
こうした課題を学校だけで解決するのは難しいと思うので。。。
そして、これまでもそうであったように
当然、誰でもセキュリティなく学校に入れるわけではありません。
区施設だって利用者登録や本人確認を経て利用されているわけです。
更に整備方針を見れば、
• 独立した地域開放の動線を確保し、廊下と教室の施錠管理を行うことで 児童・生徒の防犯上の安全に十分に配慮する。また、センサーや電気錠、監視カメラ等の機械警備の設置を検討する。
• 教室内の児童・生徒や教員の備品のセキュリティを工夫する他、教室内の児童・生徒の個人情報の漏洩に注意する。
・区民施設や地域開放ゾーンへの動線を学校への動線と明確に分離し、学校運営上支障がない計画とする。
• 地域開放ゾーンの利用は防犯上、必ず管理室の前(受付)を経由し対面で受付を行う動線計画とする。
とセキュリティやゾーニングについてもしっかりと示されています。
本日の本会議でも
新しい「未来の学校」では
防犯対策として
・AI監視カメラ
・顔認証セキュリティ
・スマートロック
など最新テクノロジーのセキュリティを活用し
不特定の人が入れる環境を作らないという教育長答弁が
明確にありましたので、
「不特定多数の人が子どもたちのいる学校に入ってくる」
ということはないですし
セキュリティについての検討もしっかりとされています。
また、渋谷区の「未来の学校」整備方針で示された
機能分散型トイレについてですが、
歌舞伎町タワーのジェンダーレストイレや
文京区での痛ましい事件と並べて議論されている状況です。
そもそも学校で児童生徒が利用するトイレは
SOGIEに配慮した男女共用個室も設定しているものの、
男女分けられたトイレスペースの確保が前提となっています。
防犯対策、犯罪の起こりにくい環境を作るということは大切ですが、
◎これまでなかった選択肢を増やす
ということと
◎安全安心の環境をつくる
ということはどちらも重要であるという認識の上で
進めていくべきだと考えています。
男女共用のトイレは
この種の議論でよく取り上げられるトランスのみではなく、
異性の介助者が必要な人が安心して入れるトイレです。
「トイレがあるかどうか心配」
「あったとしても数が少なく、入っている人が出てこない時もあったり、入れないことがある」
など、トイレにまつわる困り事は切実です。
だからこそ、
「未来の学校」整備方針における地域の方も入れるスペースのトイレでは
多様なニーズに対応できるような
全て個室(女子トイレの中の個室のようなものではなく、1つ1つが完全な個室になっているもの)の機能分散型のトイレのコンセプトが示されています。
こちらはあくまでもコンセプトを示すために
様々なトイレを並べた図となってきます。
具体的な設計やセキュリティについては
各学校ごとに、
地域や学校とともに意見交換が行われた上で設計されていきますので、
安全安心で、多様なニーズを満たし、
これからの時代を生きていく子どもたちに最適な学びを提供できる学校について
一緒に考えていければと思います。
では。