若手市議会議員の会の
研修会に行ってきました!




今井悠介 さん
(公益社団法人 チャンス・フォー・チルドレン
代表理事)

による講義。

2018年度から渋谷区も取り入れているスタディクーポンについてお話を聞いてきました。

*参照 2019年度 渋谷区予算








まず、子どもの貧困は思っている以上に
身近にあって見えづらいというお話がありました。


日本の子どもの*相対的貧困率は
13.9% (7人に一人は貧困)

ひとり親世帯の相対的貧困率50.8%



*相対的貧困
=その社会で多くの人が享受している標準的な生活を送れない状態
cf)日本の相対的貧困の所得ラインは
○1人世帯=年間の手取り122万円
○4人世帯=244万円


日本の相対的貧困の特徴は分かりづらく、
特にひとり親世帯の貧困率は高い。


(背景には非正規労働、ワーキングプア、男女の賃金格差といった労働問題もある。)



これは有名な話ですが、

親の経済的貧困は
こどもにあらゆる影響を与えます。
→生活(ex.アルバイトや介護をする)
→健康(ex.病院になかなか行かない、食生活の偏り)
→人間関係(ex.家族関係の不和、地域のつながりが希薄)
→教育(ex.塾に行けない、部活ができない、大学進学の断念)


この中でも、
貧困の連鎖を断ち切るためには
教育の問題に切り込むことが不可欠です。


特に小中学校においては
学校外活動費用の割合が高く、
格差がもろに出る部分。


格差があっても、勉強する子はする!
塾に行かなくても学校の勉強を完璧すれば
学力は落ちない!

ってパターンも勿論あります。

ですが多くの場合、

教育格差→低学力

の間には


「意欲の低下」

という変数が入ってきて、
子どもの可能性を閉ざしてしまうそうです。


みんなにあるものが
自分にはない

という相対的剥奪感が、意欲や自尊心を奪っていくんです。



画一的な公教育では
カバーできない多様な子どもたちのそれぞれの事情に対応できるのが
学校外教育ではないか…?

ということで、

福祉と教育を繋げつつ、
学校外教育をフル活用していく!


それがスタディクーポンの取り組みです。



スタディクーポン事業POINT

1.寄付が財源。
2.クーポンを教育に限定して使ってもらえる。
3.子どもたちがどこにクーポンを使いたいか選べる。(文化、スポーツ系もアリ!)
4.一般の子たちと混ざれるので参加のハードルが低い。
5.学校外なので不登校の子も行きやすい。(拠点がたくさんあるのでアクセスも良い。)
6.クーポン利用者が通いたい教室をリクエストすることで提携先を追加できる。
7.グレーゾーンにいる困窮世帯の子どもの課題発見ができる。(いじめや発達の課題、悩み)


しかし、課題もある。
選択肢が広いからこそ、
有効な利用先を選べるかどうかがとても大事。


そこで行われているのが、



②ブラザーシスター事業

大学生ボランティアが電話や面談を行って
クーポン利用に関するアドバイスを行う事業。

学生だと支援者臭がしないので子どもも心を開きやすいのだとか…

※大学生ボランティアには
福祉や教育、心理系の外部アドバイザーがアドバイス。支援先マッチングなどの助言も。



クーポンを渡して終わりにしないケア体制も作っていて、
教育だけではなく様々な分野に応用できそうな体制だな…という印象を改めて受けました。



2020年度の東京都予算によっては、
都内の自治体は100%都の補助によってスタディクーポン事業を行えるようになる可能性もあるとのことなので…
ぜひ!予算化されて欲しいところ…!!





渋谷区で先駆けて実施されている
スタディクーポンについてその背景を含め、
よく理解できました。



また、
スタディクーポンの利用結果
・どの程度の費用を使ったか
・クーポンを何に使ったか
などなどのデータを利用者に届けられると
尚良いのでは。

という提案も恐縮ながらさせていただきました。


格差の中でも
「情報格差」は大きなものです。

支援を受ける人への情報提供がもっと充実すればこの制度は更に有効なものになります!




私自身、
「子どもの時の勉強が自分の可能性を広げた」
と痛感しているので、


沢山の子どもの意欲を耕していける社会づくりのために頑張っていきたいですね…!!



また、
こうしたクーポン形式の支援事業は
教育のみならず子育てや住宅といった別分野でも応用できるものですが、

スタディクーポンのように
民間スタートのパターンはなかなか珍しい(儲かるシステムってわけじゃないからね)ので

やはり、
自治体が主導して政策として取り組んでいくべきところだな、と感じました。





では!!!!