気にかかることがありました。
リュックの話。
ショルダータイプのバッグは片方にだけ荷重がかかる。
いつも同じ側にかけがちになるので
リュックの方が左右均等いいですよ!
ということを見たり聞いたりしたことがあるでしょう。
確かにそうだと思います。
例えば自転車で移動のときには片手運転は危険です。
リュックならその点問題ないし、両方に荷重がかかってくれるし、
長距離を歩く時、ハイキングやトレッキングでは
両手を空けたいので当然ながらリュックですよね。
しかし、この頃ちょっと気になることがあります。
それは、最近来院されている
中学生たちが通学に使用している
中身満載の重すぎるリュック
持たせてもらったら、
なんだこれ? こんなのを毎日背負ってるのか(><;
リュックそれ自体は軽量なのかもしれないけれど
中身がたくさん入っている。
子供の場・・・、といっても何歳までを差すかは
個人差もありますから、何歳までとはっきり
言えませんが、身長が伸びている年齢なら
体重の10%まで。
山でのトレッキングでの場合なら
成人でも
せいぜい20~25%まで。
が無理のない重さではないかなと思います。
通学の場合は時間がそんなに長くないから
重くても平気さ~、と思えなくもないですが、
測りに載せて測ったわけじゃないけれど
とにかく重い!
なんで重すぎると問題なのか?
両肩に荷重がかかっているのだからショルダーより
良さそうなものです。
骨の模型で見てみるとこんな感じ。
これは模型なので表示されてないですが、
実物は首から腕にかけて
鎖骨の下を通って多くの神経・血管があります。
肩に長時間リュックのベルトがかかって、
血管や神経の通り近くの鎖骨や肋骨を後ろ下方に圧迫します。
手にしびれやだるさが出ると
「胸郭出口症候群」
ということになります。
また中学生くらいの年齢で心配なのが、
まだ身長が伸びている成長期に
リュック内の荷物の入れ方が片側に
偏っていて重さがかかりつづけると
左右方向の歪みを作ってしまったり(脊柱の側彎)
左右均等にリュックの重量がかかっていても
身長が本来ならもう少し伸びるところが
本来の長さまで伸びずに終わってしまうことも考えられます。
特に、筋肉量があまり多くないやせ形体型の場合、
負担が大きいので
重すぎるリュックの使用はオススメしたくありません。
学校の用具である教科書類とか毎日きちんと
持って帰ろうとすると重くなってしまうのは
仕方ないのだと思いますが、
両手の手提げも活用する等、なんとか工夫をこらして
身体への負担を減らしていただきたいところです。