私が教室で1人でお弁当を食べていると、椋橋君が、話しかけてきた。

「おいしそうだな、お弁当。お母さんが作っているの?」

「・・・自分で作ってる。」

そう、私は、毎日お弁当は自分で作っている。

「へ~、すごいなぁ~、なんで自分で作っているんだ?」

「・・・別に、言われたから。」


私の家は、両親と弟と私の4人家族。

今のお母さんは、本当のお母さんじゃない。

義理のお母さん。

私の本当のお母さんは、病気で私が物心がつかないうちに亡くなってしまった。

再婚する前のお父さんは、私を一番に気にかけてくれて、すごく優しかった。

お父さんが言うには、本当のお母さんは、すごく優しく、愛情深い人だったらしい。

そのあとに、私が中学1年生の時に、義理のお母さんと再婚して、私には義理の弟ができた。

義理のお母さんは、最初は私を本当の娘のように接してくれた。

でも、お父さんの仕事が忙しくなって、あんまり家に帰ってこれなくなると義理のお母さんは、毎日苛々して、私に八つ当たりをして、私に暴力をふるうようになった。

ただでさえ、学校が大変なのに、家でも八つ当たりされたら、たまったものじゃない。

そして、私は逃げるように家出をした。

それで、2、3日たって、これからどうしようと思っていたら、お父さんが私を見つけてしまった。

お父さんは、心配して必死で私を探してくれていた。そして、見つけると、どうかしたのか聞いてきた。

私は言おうとしたけど、言葉が出てこなかった。

ただ一言、「助けて」って言えばいいだけなのに・・・。

言えばいいだけなのに・・なんで・・・?

それを見たお父さんは「いったん家に帰ろう。」っと言って、私を連れて帰った。

家に帰ると、義理のお母さんと、義理の弟が心配そうに待っていた。

義理のお母さんの顔はただの表面上の顔・・。絶対心配してないっと私はすぐに思った。

「大丈夫?ユキちゃん。」義理のお母さんが心配そうに聞いてきた。

「・・・大丈夫。」

「そう、なら良かった。」

それから、1週間がたった。

「ユキ、何かあったのか?」お父さんが、私と2人だけの時にリビングで聞いてきた。

「・・別に。」人一倍聡いお父さんの事だ、絶対に何かあったことは気が付いていたのだろう。

「そうか・・・無理には聞かないが、相談してもいいんだからな。」

「うん、ありがと・。」

そして、その日の次の日

「はい、これ。」っという言葉とともに、私の前に義理のおかあさんから、お金が渡された。

「・・これは?」

「これからは、必要な分だけ、お金を渡すから、自分で食べるものを作りなさい。」

最初は意味が分からなかった。

でも、義理のお母さんの表情を見て、あぁ、そっか。ってなんとなくわかった。

義理のお母さんは、最初から私を嫌っているんだなって。

「・・・・わかった。」


そして、今に至る。

高校生になったから、もう1人暮らしをしてもいいし、別に、学校にも行かなくたって別に働くことができるから、いいんだけど、お父さんを心配させたくないから・・・。だから、我慢している。

なんで、こんなにも、平等じゃないのだろう・・。っと、そう思う毎日。

いつになったら、この地獄は終わるのかな?

何にも私は悪いことはやっていないのにね。


神様は、ひどい。

今日は転校生が来るらしい。しかも男の子。
名前はまだわからないけど、どのみち、いじめる側に入るのがわかっている。
今日の朝も、虐められた。

腐った卵をなげられたり、氷水をかけられたりと・・・慣れてる、慣れてるけど、なんで涙が出てくるんだろう?なんで・・・なんでこんなにも悲しいのだろう?
今は朝のHR。先生が入ってきた。
「今日は転校生を紹介するぞー!入ってこい。」
転校生が入ってきた、その男の子は結構イケメンで、周りの女子は目がハートになっていた。

これだと、ファンクラブとかできるんだろうなぁ・・・。っと思っていると、転校生が自己紹介をした。
「はじめまして。転校してきた、椋橋 裕です。どうぞよろしく。」っと、挨拶をした。

先生が席を言う。

まぁ、私には関係ないけど。
「じゃあ、椋橋は、宮之の隣なー」っと先生が言った。

三島君がこっちに歩いてくる。
嘘でしょって思った。

椋橋君が、隣に座って、私に「よろしくな^^」って言った。私も軽く、よろしくって言っておいた。

斜め前では莉と麗良がこっちをにらんでいた。あの様子だと、昼休みとかいじめられそう。最悪だ。
っと、思っていたら椋橋君が話しかけてきた。
「あのさ、まだ転校してきたばかりで、まだ教科書がそろってないから、貸してもらってもいいか?」って言ってきた。
「いいよ」って私は思わず言ってしまった。そうしたら、どこからか手紙が来た。内容は大体わかっていたけど、見てみることにした。手紙にはこう書いてあった。
『死ね、色目使ってんじゃねーよ』って書いてあった。まぁ、なれているから気にしないけど。
そしたら、三島君が勝手に見て、「ひどいな。もしかしていじめられているのか?」っと聞いてきた。
別に隠す理由もないから「うん。」って答えた。
「そっか・・。宮之さん、俺と友達になって?」っと唐突に言われた。

私は呆然としてしまった。

今までは「大丈夫?」・「元気出して!」っとか言われたことはあるけど、「友達になって?」とは言われなかった。だから、びっくりしてしまった。

それに気づかない椋橋君は言葉をつづけた。
「味方が一人椋橋でもいれば心強いだろ?」
「で、でも・・・君までいじめられちゃうよ?」
「そんなの、大丈夫だって!」
「・・・・・。」
その時私は、この人に何を言っても無駄だろうと思った。多分、この人は同情や哀れみで、友達になってくれたのだろう。別にそんな情はいらないのに。


この出来事が私を変えるきっかけだった。