『幽霊少女シズクⅡ』-05-
「ふんふふーん、狩りにいっきまっしょぉー♪」
幽霊界に再び戻ってきて、初めての朝。
やたらと私は機嫌が良かった。
「機嫌いいな、どうしたんだ?」
「いや、こうして幸せに生活できるっていいね!」
「幽霊界・・・で幸せなのか・・・?」
よく分からないと、不思議な表情を見せる彩華ちゃん。
でもね笑うことができるって本当に幸せだと思うよ。
「でりゃあぁああい!」
大好物の牛さんを狩る
そういえば幽霊学校の修学旅行でも
食べたなあ、なんて昔の記憶を思い出す。
「・・げ・・・元気だな」
若干引き気味の彩華ちゃん。
でも私はそんなこと気にしない。
早速狩った肉をほおばっていると
向こうから見覚えのある人物が手をふって走ってきた。
「あ、スズとヒカル!!」
そう、幽霊学校で友達だったスズと
ライバルでもあったヒカルがそこにいた。
「シズクちゃーん!久しぶり!」
「シズク!良かった!」
彩華ちゃんから私が悪魔になったことを2人は聞いていたみたいで
相当、心配してくれていたようだ。
「嬉しい、また2人に会えて」
「私たちもだよ!シズクちゃん!」
「ううぅぅ・・・シズクゥゥ・・・」
「もう、泣かないでよ、ヒカル」
私は2人を抱きしめた。
もう会えないかと思っていたから会えて本当に嬉しかった。
あと、ここにもう1人いた。
そう、アリス。
アリスに会いたい、そう思うけど
せっかく人間界で幸せに暮らしているんだから、しょうがない。
でもやっぱり会いたいって気持ちは消せなくて、泣きたくなった。
・・・ざわ
「ん?何か慌ただしくないか?」
異変に気づいた彩華ちゃん。
私もよくまわりを見渡してみると確かに騒がしかった。
「大変だ!大変だ!」
遠くから声が聞こえた。
「どうしたんだろう・・・」
心配そうな顔をするスズ。
「何かあったのかしらね、ちょっと行ってみるわ」
そう言ってヒカルはこの場を立ち去った。
「幽霊界で、事件なんてそんな起こることじゃないのにな」
「だね・・・あんなに騒がしいなんてよっぽどのことがあったんだよね」
「しばらく幽霊界にいなかったからよくわかんないや・・・」
残った3人で話をしていた
大変だ、という声は聞こえるけど
具体的に何が大変なのかがわからない。
幽霊界では殺人事件とか
そんなことは起こらないし
一体何があったんだろう。
「た、大変!みなさん!」
悩んでいるところに
ヒカルが息を切らして走ってきた。
「どうした、何があったんだ!?」
「それが・・・実は・・・アリスが・・・」
「え!?アリスが!?」
ヒカルに聞かされた事実は
とても酷いものだった。
アリスは、私の望み通り人間界へ生まれ変わっていた
でもそこで生まれた家庭が非常に最悪なものだった。
アリスは虐待を受け、それがどんどん酷くなり
最終的には殺されてしまったのだという。
そして再び幽霊界にきてしまった。
通常、人間界での記憶は消えてしまうものだけれど
アリスには虐待をされたという記憶が鮮明に残ってしまい、
とても乱暴な性格になってしまったという。
さらに、彩華ちゃんが魔力を使ったため、
神がいなくなり、四天王に勝った過去があるアリスは
自動的に神という立場になっていた。
しかし神となったアリスは、その魔力を使い
人々を従わせ、食料を奪い、働かせているという。
「アリスを、元通りにさせなきゃ!」
「そうねっ!この4人で頑張りましょっ」
「うん!頑張ろうっ」
「よっしゃ、行くか!」
そうして4人はアリスを元通りにし、
人々を救うことを決心した。
つづく