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『幽霊少女シズクⅡ』-06-




「ここ・・・だね」

私、彩華ちゃん、スズ、ヒカルの4人は
アリスを救うため、人間界でいう城のような
場所へ来ていた。

四天王と神はここで暮らしており、
まずは直接会って話をしてみようと、私たちは考えた。


「・・・失礼します」

門を開け、中に入る

「どういったご用件でしょうか」

使い人と思われる人が用件を聞いてきた
どうしよう・・・こういう場合どう言ったらいいんだろう

「神のアリスさんに話したいことがあるのですが、
 会わせていただけますか」

悩んでいるところで彩華ちゃんが言ってくれた
やっぱりこういうとき頼りになるな

「わかりました、どうぞこちらへ、案内します」

使い人さんが案内してくれるようなので
私たちはそのままついていった。
城の中は、やっぱり古臭いというのには
幽霊界の家とかわりないけれど、なぜかお洒落に見える。

蜘蛛の巣がかかったシャンデリア。
埃がかぶったレッドカーペット。
アンティークな家具ばかりだ。

「こちらです、どうぞ」

お城の中を進み、案内されたのは一つの大きな扉の前。
ここに、本当に神になったアリスがいるなんて信じられない。
少し性格が変わっているようだけど、私はそんなこと気にしない。
アリスに会うことができるのなら-・・・


キィィィ・・・

使い人さんが扉を開いてくれて、
私たちは中に入っていく。

奥には、これも少し古びた玉座に座っている
アリス、と思われる人がいた。
人間界では幽霊界に比べて時が進むのが早いから
私たちと同じぐらいの身長になっていた。


「誰だ」

広い部屋に声が響く。
その声は、暗くて、低くて
あの時のアリスの声とは全く違っていて。
希望なんてない、そんな声だった。

「あ、の・・・アリス・・・? あたしよ、ヒカル」

最初に口を開いたのはヒカルだった。
スズは今の変わってしまったアリスに怯えてるようだ。

「ヒカル? そんな名前聞いたこともない、それと気安く名前で呼ぶな。
 用件があるならさっさと言え、われは忙しいんだ」

「え・・・」

私は驚いた。噂では聞いていたけどここまで性格が変わってるとは
思わなかったんだ。
それはきっと、みんなも同じで。
ヒカルも自分を忘れられていることに相当ショックを受けているようで。
私も怖くなってしまった、今のアリスが。


「・・・」

しんとした空気が流れる。
誰もアリスと話そうと思う人はいない。
いや、まともに話せる人がいない。

でも、私が行こうって言ったんだ。
私が言わなきゃいけない。

「覚えてないのなら、言うよ。私は、幽霊学校で
 あなた、アリスと友達になったシズクだよ。
 もう全て忘れてるかもしれない、けど、
 私は、元のアリスの心を取り戻してほしい」

よし、言った。
アリスがなんと返してきても私は答える。

「何を言っているか全くわからん、
 そんなことを言いに来たのならさっさと帰れ」

「お願い、思い出してよ、私のこと」

「知らない、お前のことなど」

何を言ってもアリスは聞いてくれやしない。
もう何をやっても無駄なんだろうか。

「魔力を使って、人々を働かせるなんてだめだよ、
 アリスはそんなことをする人じゃなかったでしょ?」

「うるさいっ!!!お前には関係ないだろう、
 さっさと帰れ!」


私はアリスを怒らせてしまったようで
アリスは違う部屋へと行ってしまった。


「ごめん・・・失敗しちゃった」

「ううん、しょうがないわよ、あたしだって何も言えなかった」

「私だって・・・」

もう、どうすればいいかわからない。
アリスは何を言っても聞いてくれやしない。
どうにかして記憶を戻す方法はないのだろうか。


「毎日、行こう。そうすればいつか思い出してくれるんじゃないか」

「そうだね・・・ありがとう、彩華ちゃん
 関係ないのについてきてくれて」

「俺は、大丈夫だよ」


とりあえず今日は撤退することにした。
明日からは、彩華ちゃんの言うとおり、
毎日アリスと話をしてみるつもりだ。

いつか思い出してくれるまで。
あの楽しかった日々を。





つづく