今週は寒いですー。
寒波がアメリカ大陸(東側)を覆っているようです><
道路が凍っていないうちに、買い物に行かなくちゃ(;´Д`)
話は変わって、今日は昨日(1月6日)あったことを書きます。
先週末、音楽教室のディレクターからこのような連絡が入りました。
「12歳の男の子にピアノを教えてくれないかしら。
彼はタイからおばあちゃんの家に1か月ほど帰省しています。
タイでケンブリッジ大学の音楽プログラムでレッスンを受けているそうです。
だから中級者ではないかと思います。
1か月という限られた時間だけど、アメリカでもレッスンを受けさせたい、という依頼を受けました。
レッスンは1時間でお願いしたい、とも言われました。」
とのことでした。
ケンブリッジ大学?!
あのイギリスの有名大学???(゚A゚;)
その大学にも音楽学部があるとは聞いていたけど、
子どものための音楽教室もやっているの?
しかもタイで?(゚A゚;)
そんな有名大学の音楽教室だから、
その子はかなりの音楽教育を受けているんだろうな。
と、その子のレッスンに強い興味&疑問をいっぱい持って引き受けました。
レッスンの日を迎えました。
はて、その子は一体なんの曲を持ってくるんだろう?
ショパンの練習曲かな?
ベートーヴェンのソナタかな?
わたしで対応できるだろうか?💦
でも、一応、わたしの本棚から、中級者向けのいろいろな時代の楽譜を引っ張り出して持っていきました。
音楽教室をやっている教会につくと、男の子とお父さん、そしておばあちゃんが車から降りてきました。
男の子の名前はマシュー。
マシューくんは何も持っていません。
あれ?今日はいったい何を弾くんだろうか。
暗譜で弾くのかな?
この音楽教室は、ピアノのレッスンであってもクラビノーバを使います。
安くはないレッスン料を取っているにも関わらず、
電子ピアノをでレッスンをする、というちょっと詐欺みたいなことをしています💦
でも、さすがにケンブリッジ大学の音楽教室の生徒さんですから、
電子ピアノはやばいです💦
そこでディレクターに礼拝堂のグランドピアノを使わせてください、
とお願いをしました。
わたしの訴えは「もっとも」と理解してくださり、無事にグランドピアノでレッスンをすることとなりました。
ピアノを弾く前に、タイでどのようにピアノを習っていたか、をお父さんに聞きました。
お父さん:「ぼくはタイでヨガ教室を数か所開いているんだ。で、息子はタイで生まれたんだ。タイに行くまでは、日本の米軍基地で働いていたんだ。沖縄と横須賀基地にいたよ。
息子がYoutubeを見ながら、ピアノを弾くまねをしょっちゅうしていたから、ピアノを習わせてみようと思ってね。」
わたし:「その先生は『ケンブリッジ大学の音楽プログラム』に沿って、レッスンをされているんですか?」
お父さん:「うん、そんなことを言ってたよ。」
わたし:「先生は何人ですか?」
お父さん:「タイ人。」
とのことでした。
やっぱりケンブリッジ大学なのかー💦
と、いうことで、マシューくんに何か弾いて、とお願いしました。
すると、ハチャメチャでした💦
なんか、クラシックっぽい曲をメチャクチャに弾き続けますっ。
わたしは「え?」と、頭の中が真っ白になりました。
ケンブリッジ大学の音楽プログラムは???
わたし:「ねえ、マシューくん。何年ピアノを習っているの?」
マシューくん:「もうすぐ3年。」
わたし:「なにか、教本を使ってる?」
マシューくん:「ううん、何も使ってないよ。」
わたし:「え?(゚A゚;) じゃ、どうやってピアノを先生から習っているの?」
マシューくん:「弾きたいな、と思った曲の楽譜をダウンロードして、それを先生に持っていって教えてもらってる。」
それを聞いて、わたしは自分が持ってきた楽譜を広げて、
「これなら初見で弾けるでしょ。」と思う曲を弾いてみるように言いました。
すると・・・。
音符が読めなかったんです(ノД`)
真ん中の「ド」も読めなかったんです💦
でも読み方は知っていたようで、一つずつ音符を読んでいました。
お父さん:「マシューはYoutubeで弾く様子を見ながら練習しているんだよ。記憶力、すごいだろう?!楽譜を見ながら弾くのは見たことないなー。」
ケンブリッジ大学の音楽プログラムってなに???
3年も習っていて、これ???(゚A゚;)
タイ人の先生と、Youtubeの先生、2人いるんだな。
でもどちらかと言うと、Youtubeの先生の方がメインなんじゃ?💦
と、思いました。
わたしの家にピアノを習いに来てくれている子ども(アメリカ人)がいます。
彼らは4年習ってくれていますが、ぜったいに家で練習をしませんっ。
1週間に一度、わたしと一緒にピアノを弾くだけです。
そのうちの一人は、おそらく学習障害を持っているようで、
音符を読むことができません。
音符の上昇・下降の理解もできません。
だから音符を読みながら弾く、という技術向上をこの子には求めません。
ピアノを弾く楽しさを味わうサポートしていきたいと思っています。
でもマシューくんは読み方が分かっています。
やればできる子です。
タイの先生は、いったいどんな人なんだろう?
ケンブリッジ大学を卒業した人なんだろうか?
それともヤマハの音楽グレードのようなものを取得されただけなんだろうか・・・。
(それとも経歴詐称?(;^ω^))
一つ言えるのは、この親子さんは先生に騙されていますっ。
(ケンブリッジ大学の音楽プログラムというものに)
でも、それはとても言えませんでした。
マシューくんとタイの先生との関係は絶対に壊してはいけません。
タイでピアノを習う人って経済的に余裕のある方たちだと思うんです。
だからそれなりにレッスン料を取っていると思うんです。
なのに、なにも教えてあげないのかー・・・、と悲しくなりました。
マシューくんは、わたしが話をしている間も、ずっとピアノを弾きます。
先生が話をしているときは、弾くのをやめて話を聞く、ということも教えてあげないといけないようです。
レッスンのマナーも12歳になって知らないなんて、悲しい・・・。
マシューくん:「ぼくはショパンのノクターン(いちばん有名なOp.9-2)を習いたいんだ。」
と言いながら、この曲のはじめの1小節だけを何度も何度も弾きます(_ _;)
きっとYoutubeで聞いてトキメイたのでしょう。
マシューくんがピアノを大好きだということはよくよく分かりました。
わたしは彼がこれからもピアノを楽しく続けていけるように、
音楽の基礎を伝えたいと思いました。
音符の読み方。(5線を超える音符の読み方)
楽譜の読み方。
調号について。
楽譜には指番号というものが書かれていること。
ピアノでは大きい音、小さい音、優しい音、悲しい音、激しい音。
そういうものも表現ができること。
お金(レッスン料)を取っていない、もしくは激安(500円~1000円)であれば、弾きたい曲をバチャバチャ弾いて、それをただ見守る、というのも大有りだと思います。
でも、もし高額なレッスン料を取って、
必要な教本を用意しない、
ピアノを弾くための最低限必要な知識も教えない。
これは絶対にあってはいけないことだと思いました。
マシューくんは説明をすれば理解ができる子です。
マシューくんがアメリカにいる間に、せめて音符を読めるように、
あとハ長調の音階が両手で弾けるようにお手伝いできたらいいな、と思います。
わたしもピアノ教室時代の初めての先生は良くありませんでした。
この話をするとめっちゃ長くなるし、
先生のやってきたレッスンの話を聞いたら、びっくりされると思います。
ピアノも良い先生に出会えるまで、わたしはかなりの時間がかかりました。
今はYoutubeやSNSというものがあるので、
へんなレッスンをしたら一気に信頼を失います。
それに悪い評価が一気に広まります。
それは教室を持つ先生の倫理観を一定に保つツールになっていると思います。
マシューくんのピアノライフがこれからも続いていくよう、
みなさんも応援してくださったらうれしいですm(_ _)m