オルガンの先生がヨーロッパでの長期休暇を終えて帰ってきました。

そして、4か月半ぶりにレッスンを受けに行ってきました。

 

 

久しぶりに先生に会います。

そして久しぶりのレッスン。

ドキドキ&楽しみです(^^)/

 

 

出かける前に、教えてもらう曲の用意と、持ち物(オルガンシューズやレッスン料)を忘れないように確認を何度もしました。

 

 

先生の教会に行くと、礼拝堂から厚みのある深い音が聞こえてきました。

きっと先生が練習しているんだろうな!

 

 

受付の人が、「マイケルはバルコニーにいるから行って。」と言われたので、バルコニーに向かって歩きました。

 

 

バルコニーに上がる階段を登っていると、

 

 

「かろやん、こんにちは!」

 

 

と、先生の声が上から聞こえてきました。

うれしくなって階段を駆け上ると、にっこり笑った先生が、

 

 

「ひさしぶりだね(^-^)」

 

 

と出迎えてくれました。

 

 

うわ~!!(゚∀゚)

先生だ~!!!

また先生に会うことができた~!!!

もしかしたら、もう先生に会うことや教えてもらうことができないかもしれない、

という不安もあったので、先生の笑顔を見ると一気に安心しました。

 

 

先生、最後に会ったときと比べると少しぷっくらしたように思いました。

きっとヨーロッパで美味しいものをたくさん食べたんだろうな(*´艸`*)

 

 

先生:「4か月間、元気にしていましたか?」

 

 

わたし:「はい、元気でした!」

 

 

先生:「オルガンの練習はがんばった?」

 

 

わたし:「はい、たぶん💦」

 

 

先生:「あなた、テキサスで音楽の勉強をしたんだよね。その話も聞きたいな。」

 

 

と、言われました。

 

 

4か月ぶりだったけど、いつものようにすぐにレッスンが始まりました。

 

 

先生:「今日も賛美歌から勉強する?」

 

 

わたし:「はじめに先生に聞きたいことがあります。」

 

 

先生:「いいですよ(^-^) なにかな?」

 

 

と、わたしの質問ノートを先生に渡しました。

 

 

1.スペインで食べたもので何がいちばん美味しかったですか?

 

 

先生:「ふふふ(^.^) 食べ物ね! うーん、いちばんは無いなあ。おいしいものはたくさんあったからね。それに滞在中はスペインでアパートを借りていてね、自炊をしていたの。だから、そんなに外食をしなかったんだよ。

 

 

でも、僕のお気に入りのスペイン料理はね、スペイン風オムレツと、

Spanish tortilla (tortilla Española) with a slice cut out and on top

 

 

イベリコ豚のハムです。どんぐりの実を食べて育った豚で作られたハムなんだよ。

とってもおいしかったよ(^^)」

Jamon.com - Serrano and Iberico, The Amazing Hams of Spain

 

 

と、スペイン風オムレツとハムの正式名称を、スペイン語でノートに書いてくれました。

 

わたしはどちらも食べたことはないです。

みなさんはありますか?

 

 

2.ヨーロッパは車よりも電車が主な交通手段と聞きましたが本当ですか?

 

 

先生:「はい、そうです。ヨーロッパの国を電車でも行き来できますよ。僕もスペイン、フランス、ドイツ、これらの国々を電車でまわりました。車窓から見る景色がとってもきれいでしたよ(^^)」

 

 

3.ドイツ語、フランス語、スペイン語。どれがいちばん難しいですか?

 

 

先生:「うーん、難しい質問だなあ。僕にとっていちばん理解しやすいのはドイツ語かな?ドイツ語は文法が英語に近いんです。フランス語は発音が難しいね。英語にも発音をしない文字があるでしょう?例えば「TH」とかね。そういうものがフランス語には多いんだよ。スペイン語は主語によって文の作りが異なるから、スペイン語が僕にとってはチャレンジな言語かな?」

 

 

4.ヨーロッパも物価がアメリカのように上がっていますか?

 

 

先生:「はい、上がっていますよ。特に住宅ローンが上がっていますね。アパートを借りる費用が今回の休暇でいちばん高くつきました。」

 

 

5.ヨーロッパのイースターはアメリカよりも盛大に祝われますか?

 

 

先生:「僕は今年のイースターはドイツで過ごしていました。でも教会には行かなかったし、休暇の間はオルガンは弾かなかったの。通常の生活と完全に切り離したかったからね。

 

 

でも、アメリカよりもヨーロッパの方がイースターを盛大にお祝いをしますね。

家に帰ったらスペインのHoly Week(イースター前の1週間)の行進をYoutubeで見てごらん。びっくりしますよ!」

 

 

 

確かにたまげました~@@💦

日本のお祭りのお神輿のようです💦

 

 

と、わたしのくだらない質問に丁寧に優しく答えてくれました(;^ω^)

 

 

質問が終わったら、

 

 

先生:「じゃあ今度は賛美歌かな?」

 

 

わたし:「はい、賛美歌も習いたいけど、テキサスの講習会で即興演奏の仕方を教わって、賛美歌のアレンジに挑戦しました。それを先生に聞いてほしいです。」

 

 

と、テキサスで作った賛美歌アレンジのうち2曲を先生に見てもらいました。

 

 

 

わたし:「『Jesus Loves Me(主われを愛す)』と『Savior Like A Shepherd Lead Us(飼い主我が主よ)』、どちらがいいですか?」

 

 

先生:「どっちも聞きたいです(^^)」

 

 

と、両方聞いてあげるよ、と言ってくれました。

優しい先生はそう言ってくれると思って、2曲持ってきました(*ノェノ)

 

 

わたしのままごと・アレンジを立派な音楽家の前&立派なオルガンで弾くのはとても勇気がいりました。でも、がんばったことを先生にも見てほしい、聞いてほしいと思って、図々しく弾きました。

 

 

先生:「どんな音で弾きたいの?」

 

 

と、わたしがこんな感じで弾きたいと抽象的な答えをしながらも、先生は「こんなもんかね?」と音を作ってくれました。

 

 

先生が音を作ってくれたあと、『Jesus Loves Me(主われを愛す)』から弾きました。

 

 

弾き終わったあと、恐る恐る先生の顔を見ると、

 

 

先生:「これ、とってもよくできているじゃない。僕は気に入りましたよ!

 

 

これ、誰に教わったの?

講習会の先生の名前は?」

 

 

と、言われました。

 

 

わたし:「えっと、ベンジャミン・コロジー先生です。」

 

 

先生:「ベンジャミン、コロジー・・・。ああ、名字の発音が難しい人だね? 彼はあなたが作ったこの曲を聞いて何と言ったの?」

 

 

わたし:「よくできました、と言われました。」

 

 

先生:「そうですか。で、この講習会の正式名称はなに?」

 

 

と、講習会について深く質問をしてこられました💦

 

 

わたし:「えっと、ただの音楽講習会ですっ。」

 

 

先生:「講習生は全員でどれぐらいいたの?」

 

 

わたし:「えっと、ちょっとだけ、数人でした。。。」

 

 

と、わたしは先生にウソをついてしまいました。

先生に「わたしからベンジャミン先生に個人的にお願いしたレッスンでした。」と、言えませんでした。

 

 

ウソは悪いこと。

先生を悲しませてしまうこと。

 

 

でも、正直に言えませんでした。

 

 

先生:「そう、生徒が少なかったからこんなに丁寧に教えてもらえたのね。で、このアレンジを作るために、先生はどのようなアイデアをあなたにあげたの?」

 

 

わたし:「えっと、ロッキングチェアに乗っているような曲を作ること、メロディーはペダルで弾くこと、そして3和音に第2音や第6音を加えて作りなさい、と言われました。」

 

 

先生:「じゃあ、どれぐらいの時間をかけてこの曲を作ったの?」

 

 

わたし:「朝の授業で作り方の説明を受けました。その後、夕方まで練習して、夕方の授業で作ったものを先生の前で弾きました。」

 

 

先生:「あらまあ、数時間でこれを作ったの? よくがんばりましたね!」

 

 

先生は音を作り直して、

 

 

先生:「今度はこの音で弾いてみなさい。」

 

 

と、最初からもう一度弾いてごらん、と言われました。

 

 

先生が作ってくれた音で弾くと、わたしのままごと・アレンジが上品な音楽になりました。

 

 

先生:「作曲においての平行5度、平行8度について知っていますか?2つの声部が並行して完全5度、完全8度で動いてはいけない、という約束があるの。あなたのここは平行8度になっているから、ここだけ気をつければいいね。」

 

 

 

 

先生:「じゃあ、もう一つのを弾いてごらん。」

 

 

と、言われたのでもう一つのアレンジ曲を譜面台に広げました。

先生にどのように弾きたいのかを伝えると先生が音を作ってくれました。

 

 

弾き終えると、

 

 

先生:「これもよくできているね!これを作るにあたって、先生があなたにいくつかのアイデアを与えてくれたの?」

 

 

わたし:「このときは、2つの声部でつくること、Reharmonization(和声進行を変えること)を習って、それをもとに作ってみました。先生から具体的なアイデアはもらっていません。」

 

 

先生:「前半は2声とペダルのベースで書いていますね。メロディーではない、もう一つの声部(オブリガード)は自分で考えたのね?」

 

 

わたし:「はい、3度と6度の関係を活かしながら作ってみました。」

 

 

先生:「あなた、テキサスでとっても良い学びをしてきましたね。即興演奏でなく作曲ができていますよ。あなたが工夫しようとしたところや美しい音楽の流れを考えながら作ったことが見えましたよ。

よくよく考えながら作っていますね。

和声進行の変更も大変よくできています。

 

 

この2曲、教会の礼拝で弾いてみなさい。

礼拝のプログラムに曲名と「Arr. かろやん」と書いてもらいなさい。

Arr. はアレンジの略語です。

かろやんがアレンジしましたよ、とみなさんに知ってもらいなさい。

僕はとっても気に入りましたよ。

 

 

これからも続けなさい。

楽譜を書き続けなさい。

次ができたら持ってきなさい。

楽しみにしていますよ(^-^)」

 

 

と、笑顔で言ってくれました。

 

 

先生は世界中の有名な教会音楽家や作曲家と交流を持たれています。

だから、わたしのままごと・アレンジなど聞いてもらうのは恐れ多いとためらいました。

でも先生が心から「がんばりましたね。良いものを作れましたね。」と言ってくださったことが伝わりました。

 

 

勇気を出して、先生に聞いてもらってよかったです(^^)/

テキサスで他に作ったものも、今度のレッスンで聞いてもらおうと思います。

お世辞なのは分かっているんだけど、褒めてもらって嬉しかったです(*ノェノ)

あと、先生がテキサスのレッスンについてあれ以上追求されなかったのでホッとしました。もしかしたら「なんか怪しい。」と感づいていらっしゃるかも・・・。

 

 

 

賛美歌アレンジが終わったら、今度は礼拝で歌う賛美歌を教えてもらいました。

 

今日はこの歌と、

 

この歌を教えてもらいました。

 

 

 

これらの賛美歌は、今、使っている賛美歌集が出版される以前に使われていたものです。なので楽譜がちょっとレトロです。

 

 

1曲目はゆったりと弾きなさい、と言われました。

また、「7番まであるからレジストレーションを変えながら弾きなさい。」とも言われました。歌詞の内容に合わせたレジストレーションをつくって弾きなさい、とのことです。

 

 

2曲目はとっても弾きにくい&歌いにくい賛美歌です。

 

 

先生:「拍子記号も書かれていなくて、一定の拍子を取りにくい賛美歌のときは、音符のグループを作ってあげるといいですよ。」

 

 

と、先生が2拍や3拍のグループを作ってくれました。

 

 

 

そして、

 

 

先生:「ここは休符でフレーズが始まりますね。こういうときは、その前のフレーズの最後の音を力を抜くといいです。手首を静かに上に上げて力を抜きなさい。すると会衆の人たちが自然に休符を感じながら歌い出すことができますよ。」

 

 

 

と、先生と一緒に何度も練習をしました。

オルガニストが小さなことに気づいて、気をつけたり、大事にしたりしながら弾くと、難しい賛美歌も歌いやすくなるんですねφ(. .)

 

 

賛美歌を教えてもらったら、

Georg Böhm の "Wer nur den lieben Gott lässt walten" を教えてもらいました。

 

 

 

 

手鍵盤のみ&7つの変奏で作られた曲です。

もとの賛美歌のメロディーが分からないコラール前奏曲です。

先生が休暇に行く前に「この曲を練習しておきなさい。」と言われたので、今回習うことにしました。

 

 

先生が音を作ってくれたあと、張り切って最初の変奏曲を弾きましたっ。

 

 

でも1小節目で止められました💦

 

 

先生:「元気よく弾かないのっ。スキップしながら弾いているようだよ。そうじゃなくて、一つ一つ鍵盤をしっかり押さえながら弾きなさい。」

 

 

と、スタッカートのような弾き方ではなく、一つ一つの音符の長さをしっかり保ちながら弾きなさい、と言われました。

 

 

先生:「ここのトリルは、『ラ ♯ソ ラ~』と弾きなさい。なぜなら、左手のテナーのソにシャープが付いているでしょう?ソプラノのソにもシャープを付けると安定したハーモニー感がつくれるでしょう?」

 

 

 

先生:「 2小節目のソプラノのシにもトリルをつけなさい。」

 

 

 

先生:「ここの16分音符はあせらずに16分音符の音価を守って弾きなさい。」

 

 

 

と、1番目の変奏曲でいっぱい注意を受けました。

4か月も一人練習をしていると、やっぱり細かいところがいいかげんになってしまいます>< 

 

 

2曲目の変奏曲も教えてもらいました。

 

 

 

最初から最後まで弾かせてもらいましたが、弾き終わったらすぐにダメ出しをくらいました><

 

 

先生:「1番目と同じ音で弾かないの。ここは一つ一つの音を輝かせながら弾くの。」

 

 

と、先生がお手本を弾いてくれました。

先生の16分音符は水面で光を反射するようなキラキラさにあふれていました。

生き生きしていました!

 

 

先生:「16分音符が続く中にも、フレーズの切れ目があります。そこを意識して弾くんです。」

 

 

 

先生:「ベームは16分休符から始まるモティーフをもとにこの曲を作ったことが分かりますね。」

 

 

 

 

先生:「これを大事に弾かないと、この曲に主張を持たすことができないですよ。」

 

 

と、譜読みをもっとちゃんとしなさい、と言われました。

 

 

すると、レッスンが終わる時間を告げる教会の鐘がガランガランと鳴り響きました。(先生の教会は1時間ごとに鐘がなります)

 

 

先生:「あら、もうレッスンを終わらなくちゃいけないね。じゃあ残りは僕が弾くからよく聞いて練習に活かしなさい。」

 

 

と、先生が残りの変奏曲を弾いてくれました。

弾きながら、練習のときに注意すること、ふさわしいテンポ、タッチを説明してくれました。

 

 

ベームは、Bach先生と同時代に活躍した音楽家です。

でも、あまり脚光を浴びていない方のように思います。

 

 

先生から「ベームのコラール前奏曲を勉強しなさい。」と言われたとき、

「もっと有名な曲をやってみたいな。」と偉そうに思いました。

 

 

でも、ベームの曲集を買って、ベームのコラール前奏曲をいくつか触れてみると、美しくて魅力的な曲がたくさん作られていることに気づきました。

それにBach先生ほど複雑ではないので譜読みがしやすく、聞いてみると豪華な音楽です。

 

 

なので今、この曲を気に入って、楽しく練習をしています(^^)/

レッスンを受けたので、練習の仕方や音楽の表し方が見えてきて、もっと楽しくなりました。

 

 

今度のレッスンでは最後の変奏曲まで教わりたいです。

そのためにも練習をがんばりたいと思います!

 

 

あと、賛美歌のアレンジも続けていきたいです。

作ったら先生に聞いてもらおうと思います。

生徒だからこそ、ヘンテコリンでも、メチャクチャでも聞いてもらるんだ、ということに気づきました。

 

 

学ぶ道筋をつくってくださったベンジャミンに感謝です。

 

 

次のレッスンも楽しく受けることができますように🙏