2016年、初めてのオルガン教室に行ってきました。

今日は青空が広がる気持ちの良いお天気でした^^

礼拝堂に行くと教会の人たちがせっせと何やら準備されています。
どうやら午後からお葬式が行われるようです。

先生はまだ来ていません。

すると携帯電話にメッセージが入りましたっ。


ゲッ、先生かなっ?!(((゜д゜;)))
まさか、今日はお休みさせて~!ではないでしょうねっ。
もうここまで来ちゃいましたよっ?!@@


と、恐る恐るメッセージを見てみると、やっぱり。先生からでした

「15分ぐらい遅れますっ。だから練習していてね!」

とのことです。ふーっ
新年早々のドタキャンは免れました~(^o^;)


でも。
練習しようにも、教会の方たちが打ち合わせをしながら準備をし続けています。
こんな中でオルガンの音を出しては迷惑になりますね。

と、いうことで電源を入れずに練習していきました。

しばらく音無しで弾いていたら、口笛が聞こえてきました。
これは先生の登場のサインです。
なんだか日本の駅みたいです。
電車の到着前に音楽がホームに鳴り響く、あんな感じです(^.^;


先生:「メリークリスマス!(^o^)」

私:「え?@@(今ごろッ?!) じゃ、じゃあ、明けましておめでとうございます!」

先生は今年も変わらず朗らか先生です^^

先生:「こんにちは!お正月はどうだった?どんな風に過ごしていたの?」

私:「はい、ナマケモノになっていました。」

先生:「僕もですよ^^ それと、クリスマスの礼拝に来てくれたんだね。あの日はと~っても忙しくて大変だったですよ。あなたが来てくれた時間はね、2600人もの人が集まったの。」

私:「に、にせんろっぴゃく?!Σ(゚Д゚)」

先生:「そう。この礼拝堂には2000人いてね、そして前にレッスンをした礼拝堂があるでしょう?あそこでも礼拝が持たれたんだけど、そこには600人、入るからね。1時間で2600人。全部の礼拝で8000人超えてたみたいよ^^」

なっ、なんちゅう規模の教会でしょう???@@私の実家の町の人口よりも多いですっ。

先生:「あなたの教会はどうだったの?」

私:「はい。私たちの教会は小さな礼拝でした。(でも100人集まったみたいです)」

先生:「いいじゃないの!小さい方が僕は好きですよ^^ で、クリスマスの礼拝であなた、弾いたんでしょう?」

私:「はい、弾きました!ダカンのノエル、みんなに喜んでもらえました^^ (勝手にそう思ってます^^;)」

先生:「そう!それなら良かったです^^ 僕もあの曲は大好きですよ! とってもいい曲だよね^^」

と、すんごく簡単にイブ礼拝の報告を終えました^^;


その後、讃美歌から教えてもらいました。
♪ O Sing to the Lord (Cantad Al Senor)
♪ The Only Son from Heaven (Herr Christ, der einige Gottes Sohn)
♪ Now the Silence (Now)

1曲目

先生:「これはダンスの曲をイメージして、1拍目にアクセントをつけて弾いていきなさい」

と、お手本を弾いてくださいました。
先生が弾くと身体が自然と動いていきそうだし、この曲からどこかの国の風景が見えてきそうでした。

私:「先生はこの歌をご存知ですか?」

先生:「うん、知ってるよ!この歌はねブラジルで生まれた歌なんだよ^^」



先生:「だからラテンの楽しい音楽のように、それとワルツのリズムのように弾いていくといいね!」

とのことでした。
ブラジルの讃美歌と出会ったのは初めてです!^^

2曲目



この歌はドイツの古い、古い讃美歌のようです。

この曲の最後の歌詞には△マークがついています。会衆の人たちが起立して歌い上げるマークです。

先生:「最後の歌詞に入る前に間奏が必要でしょう?じゃ、その間奏を考えようか!」

と、先生が即興で作ってくださいました。

先生:「前にも言ったと思うけど、『Modulation 3rd』 (3度ずつの転調)を使っていきなさい。これはヘ長調でしょう?ヘ長調からイ長調。イ長調から変二長調。変二長調からまたヘ長調に戻ってくるでしょう?

ペダルはそれぞれのドミナント(Ⅴ)の音を弾いていきなさい。」

と、転調を繰り返しながら豪華な間奏を作ってくださいました。
いつも思うけど、どうして先生は馴染みのない歌なのに、すぐに弾いてしまって、すぐに作曲までできてしまうんだろう・・・。

と、先生が弾いている姿に見入っていたら、

先生:「これはね、メンデルスゾーンもよくやった方法なんだよ。特にオーケストラ音楽でね^^ メンデルスゾーンは3度で音楽を動かしていくことが好きな音楽家だったみたい。

音楽を聞いていくってことはとても大切なことだし、そこからたくさん学べていけるんだよ。 だからこれから音楽を聞いて行くときは『この作曲家はどんな和声進行で曲を発展させているのかな?』 『どんな方法を使っていくことを好んでいるんだろう?』と、疑問に思いながら聞いていきなさいね。

あ、あと『ファンファーレの5度』っていうのもあるよ!5度で動いていくと、トランペットのファンファーレになるからね!これも試してみてごらん!」

と、言われました。
先生は時間があれば音楽を聴いて、聴いた音楽をご自分のものにしていらっしゃるんですね。
だから即座に音楽を作っていかれるし、演奏にも引き込まれてしまうんだと思います。
先生の中には、先生の音楽だけではない、「たくさんの音楽家の音楽」もあるんだと思いました。


3曲目




私:「私はこの歌、初めてですし、きっと教会の人たちにも初めての歌だと思います。」

だから、先生に最初にお手本で弾いてもらおうと頼もうとしたら、

先生:「この歌には拍子がないけど、とってもきれいな歌なんだよ^^  だから弾いてみなさい。」

と、お手本を弾いてはくれませんでした(_ _;)

拍子がないので、弾いているとなんだか『お経』を唱えているようになってしまいます だからかな?先生が途中から歌い出しました

先生:「この歌の作曲者はね、とっても有名な人なんだよ。」
          

先生:「メロディを作った『カール・シャルク』?(発音がよく分からないです(_ _;))はね、素晴らしい讃美歌を作ったアメリカ人の作曲家なの。」

   この方がカール・シャルクさんです。
            

先生:「この歌はこの人の代表作と言ってもいい歌だと思うよ。とってもきれいな歌でしょう?」

先生の歌声と一緒に弾いていくと、この曲の美しさがだんだんと分かってきました。

先生:「この歌をもとにした素晴らしいアレンジがあるから、あとであなたにその楽譜を貸してあげるね!」

アメリカという国は教会音楽大国ですね!
まだまだ知らない音楽、教会音楽家がたくさんいます。
今年もそんな出会いが待っているかと思うとワクワクします^^

この後、私のなんちゃって讃美歌のアレンジを聞いてもらいました。

今回はこのクリスマスの讃美歌を基に作ってみました。



In dulci jubilo、です!

で、こんな風にアレンジしてみました。(間違いダラケですけど、突っ込まないでくださいっ

テーマになるモチーフや、最初の数小節まではわりとスイスイと進めていけるのですが、いつも途中から行き詰まってしまいます。

音と音の組み合わせのルールを守って音楽を作っていくって本当に大変です。(私には)
ルールの範囲内?で作っていくと、気づいたら自分でも弾けない音の動きになっています
それに不自然な音楽になっていきます。

これをなんとか&せめて「曲っぽく」(^.^; 作っていこうとすると、たった20小節程度の曲に、いつも4時間以上もかかってしまいます。


作曲家というのは本当に技術と知識とセンスがいる職業なんですね。
あと、シンプルな曲(弾きやすい曲)ほど技術がないと作れないんだと気付きました。

恥ずかしいけど、先生に聴いてもらいました。

先生:「なんか、難しそうだねえ。でも良く出来たんじゃないの?^^ 一つだけ直して欲しいところがあるんだけど、」



先生:「2段目の最初にあなたは和音で音楽の動きを止めてしまっているでしょう?今まで、ずっとリズミカルに動いてきたのに、ここでそれが無くなってしまうと変な感じがするよ。だから、ここは左手を16分音符で動かしていきなさい。」

と、先生が手直しをしてくれました。すると、ヘンテコアレンジがちょっと曲らしくなってきました(^^ゞ

先生:「この歌は親しみやすい讃美歌だから、たくさんの作曲家がアレンジしているでしょう?」

と、先生のアレンジを聞かせてくださいました。
先生の「In dulci jubilo」は、いろんなバージョンがあります。

子守唄のような In dulci jubilo。
忙しい動きの In dulci jubilo。
アメリカっぽい 、ジャズっぽいIn dulci jubilo。

先生:「こんどはゆったりとしたIn dulci jubiloを作ってみなさいね^^」

とのことです。


そして、新しい課題曲を弾いていきました。
ブクステフーデの「Wie Schon Leuchtet Der Morgenstern」 です。

先生が音を作ってくださった後に弾いていきましたが、最初の左手の「ソ」の音を弾いたとき、オナラのような音が礼拝堂に響き渡りましたっ (゚Д゚)

さすがの私も「え?このまま弾いていっていいのっ?!(゚A゚;)」と、思いながら弾いていきましたが、先生が、「ちょっと止めようかっ」と、止められました。

先生:「今のはちょっとダメだよねえ!」
と、あーでもない、こーでもない、と音をまた一から作っていかれます(^^ゞ

先生は「フレンチホルン」のストップを探されています。

先生:「あれ~?どこあるんだっけ??? ・・・あ。あなたに練習していないことがバレちゃうね!(^^ゞ でもね、もう一人のオルガニストのジョシュはね、よく練習しているんだよ。彼を見習わないといけないな~」

と言われます。先生は「練習しない」、じゃなくて、「練習する時間が取れない」んだと思います。
だって、先生、忙しいですもんっ。

音を作り終えられた後、もう一度弾いていきました。そして2ページ目を弾き終えると、「今日はそこまでにしようか」、と言われました。



先生:「この曲の2ページ目の32分音符のところからは、『Fantasy』で弾いていきなさい。Fantasy、覚えてるでしょ?自由にってことだよ!」

と、先生がお手本を弾いてくれました。
32分音符はもちろん、8分音符の3連符からも早く弾いていかれます。

先生:「ここはメトロノームのように弾かないこと。音が自由に駆けまわっているように弾いていきなさい。そして、ラルゴのところになったらゆったりと、そしてここも自由に音を弾いていきなさい。モルデントも足していっていいよ!」

とのことです。
冒頭のところはテンポに合わせて弾いていきなさい、とのことです。

今日はここまで教えてもらって終わりです。


先生:「讃美歌の時にあなたにアレンジ楽譜を貸してあげるって言ってたよね?今日はあなたにもここの『音楽図書室』を見せてあげますよ^^ ついてきなさい!」

と、先生の後について行きました。
「音楽図書室」?!
教会にそんな部屋があるのですかっ?!

す、すっご~い!!
楽しみですっ!!ヾ(@^(∞)^@)ノ

先生は礼拝堂の裏から地下?へ続く階段を降りていかれます。
階段を降りると、大きな音楽室にたどり着きました。

先生:「ここは大人の聖歌隊の練習室だよ!」

グランドピアノがあり、100人以上座れる椅子もあります。
す、すごいなあ~。
私が行った短大の合唱教室よりも大きいかな?(^^ゞ

先生:「このフロアはね、この教会の音楽部になるの。」

と、聖歌隊練習室を出ると、個室のオフィスが並んでいました。

先生:「この人はね、音楽部のコーディネーターの〇〇さんです。〇〇、これ、カロヤン!」
コーディネーターさん:「こんにちは!ようこそ!」

と、女性の方を紹介くださいました。
この方はどうやら、音楽部の「秘書」のような方みたいですっ
ひ、秘書っ?!(((゜д゜;)))
先生、秘書がいるのですかっ?!(゚A゚;)


先生:「そして、ここが僕の部屋です^^ どうぞ!」

と、先生のオフィスに入れさせてもらいました。つい、「おじゃましまあす!」と日本語で言ってしまいました(^^ゞ

先生のお部屋、とっても素敵でした。
間接照明で薄暗くて、そしてアロマのような素敵な香りが漂っていました。
なんだか「占い館」のようなお部屋です。
あと、大量のキャンディが盛られていました


先生のお部屋はモデル住宅のような部屋でした。
まったく散らかってません。
きっと先生のお家もこんな感じなのでしょうね^^ (我が家と大違いっ!!)


でも先生の机からはお仕事の忙しさが伝わってきました。
レッスンの前までコンピュータに向かわれていたのでしょう。やりかけのエクセルらしきものがコンピュータの画面に映っていました。スターバックスのコーヒー、マグカップに入ったコーヒーもあります。走らせていたペンも何本も転がっていました。


忙しい中、毎週教えてくださっているんだなあ、と、「ジーン」ときました。

先生:「あなたに貸してあげたい楽譜、もしかしたらここにあるかもしれないなあ~」

と、先生が楽譜収納棚?を物色され始めました。

先生のお部屋には、先生の学位証明書や、どこかの大聖堂の写真、オルガン職人さんが大きなパイプを作っている素敵な写真も飾られていました。

そして息子さんの写真もたくさん飾られていました。

先生:「そうそう、これは僕の息子たちだよ。こっちがお兄ちゃんのグレゴリー。こっちが弟のブレイクだよ^^」

と、ハンサムな顔立ちの男の子たちです。
先生と教会の人たちとの写真も飾られています。

でも。
「奥さん」らしき女性の写真は一枚もありませんでした。
ケネスさんの家のようでした。
ケネスさんも自分と、両親の写真、娘さん、そしてお孫さん。それ以外の写真は全くありません。

先生のお部屋から、先生は何らかの事情があって奥さんとは別れられたんだな、ということがよく分かりました。

私:「先生、子どもたちはまだサンタさんを信じていますか?^^」

先生:「(楽譜を探しながら)、う~ん、お兄ちゃんはもう信じてないようだけど、弟はまだ信じてるよ。」

私:「ブレイク君はどうやってサンタさんに欲しいものを伝えたんですか?」

先生:「手紙だよ。でもE-mailだけどね。」


その後、「何をリクエストしたんですか?」と、聞こうと思ったんだけど、これ以上、この話はしない方がいいという空気を感じました。先生はこの話をもう止めたそうでした。


おそらく、子どもたちはこのクリスマスは「お母さん」と過ごしたんだと思います。
サンクスギビングは先生と子どもたちと実家に帰った、と言われていました。
だから、クリスマスはお母さんが子どもと過ごす番なんだと思います。
そして今年のサンタさんは「お母さん」だったんだと思います。


だから、先生はクリスマスの話をしたくなかったんだと思います。


先生:「あ~、ここにはないなあ。じゃ、今度は図書室に行ってみようか!」

と、先生の部屋を出て図書室に向かいました。
途中にもいろんな音楽室があります。
そしてもう一人のオルガニストのジョシュさんにも会いました。

先生:「はい、ここです!」

と、図書室に入りました。
そこには大きな大きな棚が壁一面にあります。そしてその棚にはギッチリとファイルが詰め込まれています。

先生:「見て回ってていいよ!」

と、先生はコンピュータに向かわれました。コンピュータで楽譜の場所を探されるようです。

この部屋の楽譜のほとんどは聖歌隊の合唱曲でした。
でもとんでもない数の楽譜数ですっ。
コンピュータで管理しないと分らなくなると思います。

しばらく見て回っていると、

先生:「ごめんね、あなたに貸したい楽譜、ここにもないみたい。また探しておくからね。この部屋には合唱曲ばかりあるけど、オルガン楽譜ももちろんあるんだよ。」

と、オルガン譜コーナーを見せてくださいました。

先生:「作曲者順に並べてあるからね。あなたもいつでも自由に見に来ていいんですよ^^ 楽譜もあるし、音楽辞典もたくさんあるからね。」

と、音大並みの図書室でした!!


見学をさせてもらったあと、先生の後について礼拝堂まで帰っていきました。そして先生にお礼を伝えてお別れしました。



今日は先生の世界を見せてもらえました。
とっても貴重な経験をさせてもらえたような気がしました。
そして、先生との距離がまた少し縮まったような気がしました。

今年も先生との時間が続けばいいな、と思いました。


先生、ありがとう。
そして、今年もどうぞよろしくお願いしますm(_ _)m


2016年1月7日

かろやん。