いつもお読みくださりありがとうございます。

 

今回のテーマも、以前から少しずつ記事の中には書いていることなのですが、実際に昨年も今年も、最後に個別指導に駆け込んできた生徒さんの指導で愕然とした経験から、勇気を振り絞って!?提言したいことを書いてみたいと思います。

 

よく、サピでもグノでも(ここでは以下、サピとグノは同じでサピと書いたら両方のこととします。)1年生から弁当箱スタイルの、文字数制限のない記述を書かせることで記述力を伸ばしているのだ!だからすごい!!レベルが高い力が身に付く!みたいに評価している方がいるのですが。。。。(保護者・プロ問わず)本当にそうでしょうか?

 

本当にそうならば、サピ生は全員6年生になるときには記述のスペシャリストになっているはずです。少なくとも、それだけ「レベルの高い」指導を受けてきたのなら四谷偏差値50前後の、「抜き出し」や「字数制限が20から40文字程度」の記述の学校の問題は楽勝!じゃないとおかしくないですか??

 

しかし、まったくもってそんなことはおこっていません。

 

私からするとかえって悪影響というか、「国語ができなくなって」しまっている四谷偏差値50以下の子を大量生産しているように感じます。

 

もうかなり前、私がサピにいたころはまだ、サピくらいしかそういう「弁当箱記述」の対策をしてくれる塾はなく、低学年にも字数制限が無いことは「負荷をかける」ためではなくて、「ある程度自由に、とりあえず書く、という癖をつけさせるため」という感じで、抜き出し問題もテキストにもう少しありました。

 

しかし、現在のテキストは1年生から記述ばかりで、これって国語の読解問題をやるレベルにまだ達していないような子にまで無理やりに模範解答を写させ、実際そのお話の意味もたいして理解せずに授業が進んでしまっているように思います。

 

そうやって、「とりあえず書く」ことを優先されてきた「国語が苦手な子」がどうなっていくかというと、小4くらいになると「それっぽいことをとにかく小さい字で全部入れとけば、10点のうち2,3点もらえる」というような子が出来上がっていることになるのです。

 

サピの授業中の記述採点がどうなっているのか、現在の様子は正確にはわからないのですが、生徒から聞く限り、大規模校のA,B,Cあたりの一番下のブロックの子たちの授業中の採点はかなり甘く、また1人1回の授業で1回、よくて2回見てもらえる程度のようで、まったくもって「記述対策」などという授業にはなっていないと思われます。

 

これって、テキストを弁当箱記述ばかりにしたせいだと思っています。

 

もっと、「抜き出し」や「字数制限のある記述」をさせるほうが絶対力になると私は考えています。

 

実際に苦労した生徒さんの例を挙げます。

その子は6年生の夏までサピに通って、そこから個別指導に移ってきたのですがほぼずっと最下位ブロックでした。

 

国語を担当しましたが、国語が苦手というわけではない。どちらかといえば算数のほうが苦手。(算数の偏差値がサピ偏30で、国語が40ちょうど、くらいの差)読解力も無いわけではない。記述の解答もまったく外しているわけでもない。でもとにかく、量が多すぎるんです。

 

豆粒のような字で、すべてを入れ込んでしまおうとしている。

初回の授業から厳しく、というわけにもいかないので様子を見たうえで、「これってサピックスでは何点くらいもらえたの?」と聞くと、8点の記述で1点とか、2点とか。

10点以上の記述でも1点とか2点とか。。。。

 

うーん。。。。サピの基準がわからない。と思いましたが、書いている内容の中に正解は混ざっているため、その1,2点だったのかなと思います。

 

ただし、私は私立中高の教員に知人、友人もおりますので一般論として聞きましたが、「あまりに冗長で、多すぎる記述は減点対象」と口をそろえていました。

 

難関校は顕著にそうです。0点になるところも多いはずです。「長すぎるものは、つまり理解できていない、読解できていないのと同じだから」と言った先生もおり、それは私も激しく同意です。

 

私も指導にあたって、「とりあえず全部書くっていうのは、全部書かないのと同じなんだよ」と伝えていましたが、最後の最後まで、なかなか癖というのは直りませんでした。

 

記述には、絶対に外してはいけないポイントというものがあります。

一般的に20字なら1つ。40字なら2つ、のポイントがあるはずで、それを踏まえたうえで、では前半後半、どの部分を説明として足せばいいのか?どこを入れると答えとして的確になるのか?そのあたりが「記述の指導」であり、読解であると思います。

 

そのためには何ができていないといけないのか?

 

私はまずは第一に設問を正確に理解し、何を聞かれているのかを掴む力が必要だと考えています。

何を聞かれているのかわからずに、問題を解くことはどの教科もできません。

でも国語は答えが曖昧だと思われていて、なんとなーく設問を読んでなんとなーく答えて部分点をもらえればOK,選択肢問題も、ああ、惜しかったね~みたいな感じで見過ごされてしまいます。

 

選択肢問題でも、いくらでも「難しい」問題は作ることができますし、「抜き出し」も本当に読解できてないと正解を探すことができません。

 

低学年ではまずそこから、きっちり鍛えたほうがいいのではないでしょうか??

 

字数制限がないサピに慣れすぎて、一番多いパターンが

「書き出しが余計すぎる」パターン。一番書かなければいけないこと、「肝」を頭から外してはいけないのに、説明部分から書き始めているうちにそこからズレてしまっているパターンです。

 

これらの癖がある子がサピの子には本当に多い。

ちなみに、言うまでもありませんが、「国語が苦手な子の中で」です。

 

サピの国語は、というかサピ全般ですがサピ偏50以上のためにつくられているので、苦手な子を伸ばすテキストでもカリキュラムでもないのです。

 

そのように長くただ書けばいい、とにかく「書くことだ」と訓練されてきてしまった子は意味もわからず書くわけですが、その弊害が一番顕著に浮き彫りになるのが選択肢問題であり、抜き出しであり、字数制限があるマスのある記述を出されたとき。

 

ほぼすべてのサピ出身の子が、本人たちいわくの「字数が足りない」状態になっています。

 

字数が足りないのではなく、あなたがポイントを外しているのですよ、ということを理解させるには半年はかかります。

 

一番書かなければいけないことはなに?

この設問に一言で答えるなら?

そういう問いを繰り返すことで、少しずつ改善されますが、時間はかかります。それほど低学年からのサピのあの、猫も杓子も弁当箱記述を書けばいい、という弊害は大きいです。

 

そういう子には、四谷の予習シリーズで矯正することをおすすめします。

字数制限がある中で、どうやって正解に近づけるか。

選択肢問題だって、けっこう難しいし、よく読まないと解けません。

 

弁当箱記述は難しいと思われていますが、私からするとそっちのほうがよっぽど簡単です。多少のオーバーが許されるから。ピンポイントで正解を書かないといけない字数制限があるほうがよっぽど最初は難しいし、訓練になります。

 

最近、早稲アカのチャレンジテストでも弁当箱記述が出たりしていて、なんだかなーと思います。

 

国語が得意な子、好きな子はいいのですが、国語ができない子の読解力を鍛えるのに弁当箱記述は向いていないと思います。

 

その点、浜学園公開学力テストは。

 

小1から現在までずっと受け続けていますが、今まで自由記述も字数制限がある記述も一度も出ていないと思います。選択肢問題と抜き出しのみ。

 

ではみんな満点かというと、そうでもない。

 

国語が得意かなと思う娘も、選択肢問題をたまに間違えますが、間違えた問題を一緒にやると、なるほど、誤解を生みそうなところをきちんと突いていていい問題です。

 

抜き出しも、読解を正確にしていないとわからない、良い問題が出ています。

 

これで、充分なんじゃないでしょうか?

小1から現在新小3まで、一切記述がないテストですけど、そうやって育った子があの灘の国語を解くようになるわけですよね?そこまでいかなくとも、全員がサピ生に負けているということはないでしょう。

 

正確に選択肢を選ぶ力と、聞かれていることを抜き出す力、それがあってこその記述、だと思います。

 

弁当箱記述なんて、字数制限がある記述ができたら、6年からトレーニングすればできるようになります。字数制限といっても、100字とかのものも予習シリーズいは出てきますし、そういう中でポイントが書けるようになれば、あとは慣れだけです。

 

しかも、それが必要なのは偏差値が60オーバーの学校。

 

字数制限の問題ができない状況で、偏差値50以下の学校に戻っても、全然力にはなっていなくて、また一から先ほど言ったようなことのやり直しになるわけです。

 

現在、サピなどの低学年に通わせている方は、お子さんの国語のテキストをよく見て、わが子がどれくらい理解して記述を書いてきているのか見てください。

 

とくに、国語が苦手、という方はよく見て、本当に理解しているのか、わかっていない言葉はないか?登場人物の発言を取り違えていないか?そのあたりをチェックしてあげるといいと思います。

 

サピに入ってしまっていると、弁当箱記述をやらないわけにはいかないでしょうが、あまりに点数が悪かった場合は一度考え直して、市販のもっと基本的な教材をやらせてみることをおすすめします。

 

以前からの学研のおはなしドリルか、それが簡単すぎるのなら四谷の「はなまるリトル」は少しレベルアップしています。

 

国語で記述が書けません、というサピからの子を見ていて思うことを書いてみました。

 

長くなってしまったので一度しめますが、また今後も取り上げたいテーマです。

 

苦手な子が鍛えるには、トップクラスとスーパーエリートの国語より、こちらのほうがいいと思います。レベルはサピなどのテキストよりは簡単ですが、四谷が出しているので受験の下地作りはきちんと踏まえています。

 

 

 

 

言葉も本当に大切。

繰り返してくれる&マンガ

何でもいいのですが、子どもが気に入って自ら読むことが一番です。

 

 

本日のおまけ

 

 

マガジンラック、皆さんの宣伝で見て、いいのかなと思ってうちも買ってみました。床に積まれているものが(笑)縦になっただけでルンバが稼働できるようになりました(笑)しかし我が家は1つじゃ無理でした。追加しています。

 

浜学園からのはまプリで、インクも無料なので印刷コストはコピー用紙代のみの我が家です。カラーでばんばん出していますウインク

A4までしかはまプリはできませんが、めちゃくちゃ重宝しています。

一番使っているのは息子ですが。

 

A3は我が家は業務用コピー機が仕事柄あるためそちらでコピーしています。でもさらに、部屋にA3の家庭用コピーを買ってしまおうかと悩み中。