いつもお読みくださりありがとうございます。
今日は中学受験の指導をさせてもらっているなかで、会ってすぐに「おっと、これは手ごわいぞ」と思う子の特徴を書いてみたいと思います。
成績向上を妨げる要因とは
一言でいうと「素直じゃない子」
これが最も手ごわい。
いろいろな記事などでもよく指摘されてますよね、「素直な子が御三家には多い」とか。
でもこの「素直じゃない」とか、「素直な子は伸びる」とか表現が抽象的すぎると思います。具体的に知りたいですよね。
私の経験の範囲でいくつか具体的な特徴があるので、挙げたいと思います。
お子さまが当てはまる場合、ただ伸びない成績を叱るのではなく、そのあたりの心理状態のケア、サポートをするとうまくいくかもしれません。
素直じゃない子の特徴
その1:自分を大きくみせようと、話を盛る(嘘をつく、ともいう)➡ひいては宿題の出来、模試の出来、普段の授業の出来、を盛る。
→これは、成績が向上することを妨げる、重大な要因です。
どういうことかというと、個別でも家庭教師でも、一回目というのはその子の実力を見るためにその場でいくつかキーとなる問題を解いてもらったり、大手に通っている場合はやっている宿題を見せてもらったりするのですがその際に「できない」「やってこなかった」ことを隠します。
目の前で問題を解かせたりすると、頑として暗算を使おうとします。
「えーっとね、これは、こういうことっていうのはわかってるからー」などと喋るのですが、中途半端な暗算で「できる自分」が演出できると思ってしまっているんですね。。。。体積の問題などで口で式もどきの数字を言って、書かないで答えを言う。そしてそれが間違っている。。。初回はそんなに厳しく止めませんが、関係性が出来たなと思ったときからは間髪入れずに「ちょっと、ちょっと、待って。なぜそこを口でいうの?なんでそれ今書かないの?」などとツッコミます。
わかっているフリ、過去はできていた、という虚勢も張ります。
「〇年生のときに習って、そのときは出来ていた」とか、「急に忘れちゃった」とか。。。。
その2:宿題をやってこない言い訳をする
→これは、1と同じでもあるのですが、別項目にしたいくらい、この言い訳が頑固なんです。。。。
一番多いパターンは、「やったけど、家に置いてきてしまった」これがナンバーワンの言い訳じゃないかと思うのですが、塾講師でアンケートを取りたいくらい(笑)
学校の場合って、「家に置いてきた」というと「じゃあ翌日持ってきて」となりますよね?(今どきは「取ってこい!」なんていう指導はできないはず)しかし、塾というのは連日同じ科目があることも少ないので、個別などだと下手すると一週間開いてしまうわけです。そうすると、進度も狂うし、その子のペースに合わせざるを得ないのでどんどん遅れます。
それが数回続いたりなんかすると、もう手に負えないのでその場で解かせたりしますが、それって保護者からすると時間の無駄ですよね?
いま、「え?なんで保護者に教えてくれないの?」と思った方はいますでしょうか(笑)
も・ち・ろ・ん、私は、口頭または連絡帳などで伝えます。中には伝えない先生もいますが。
伝えても、それを見ない方もいるんです。。。。見ても、お子さんに「やりなさい」と言うだけでチェックはしない方もいます。まあ、そういう方は「先生から言ってください。私がいってもやらないので」というパターンと、「なんで厳しくしてくれないんですか」というパターンに分かれます。
厳しく、というのは難しいですね。信頼関係をきちんと築かないと恐怖心を与えるだけになりますし、時間がかかります。私の場合は最初は叱りません。その子なりの「できない」「やってこない」理由があるのがわかるからです。そのうえで色々なアプローチをしますし、基本的には褒めてやる気にさせます。それが「他人だからできる特権」だと思っています。
(もちろん、わが子にはすぐ怒ってしまいます)
話は戻って、強敵な子のパターン。
「やったけど、家に忘れました」ここまでは、こちらも想定内。しかしたまに、絶対やってきていないのに、「あれ?やったのに。カバンに入れたのに」から始まって、何分も探し始める。それをいつどうやって声掛けして止めるのか、も気をつかいます。もちろん3か月ほど付き合えば、いろいろなパターンの言い訳を知るし、性格も掴むので「突っ込む」「わかったから、今日は別のことやろう」などと声をかけますが、初回や最初の数回であればあるほど、この「盛る」タイプは手ごわいです。
その探す演技も真に迫っており、たぶん大学生の講師なら数回は騙されるでしょう。
私は子育て経験がものを言って(息を吐くように嘘をつく子を育ててきた甲斐があるってもの)一発で見抜きますが(笑)。でも、乗ります、数回は。
その3:雑談が多く、大半が知ったかぶり
雑談はOKです。雑学につながっていることも多く、学びになります。しかし一方的だったり、聞きかじりの曖昧な知識だったりが続いて、しかもこちらの訂正に聞く耳を持たない子がいます。こうなると、知識の吸収という面において他の子より遅れてしまいますよね。
その4:それは習ってなかった、と強硬に主張する
大手と併用している子が多いこともありますが、私が相手(通っている大手塾の内容)を知らないと思って(そこがまだまだ子ども。かわいいものです。)、「それはやってない」とか「習ってない」酷いと「うちのクラスではやらなかった」などと言い始めます。
まあ、これに関しては簡単で初回でも「そっか、それは知らなかったらわからないよね、知らないのによく頑張ってきたね、じゃあ今からやろう!」で終わるので一番撃破しやすい言い訳です。
というような攻防?がよくあるパターンです。
男女問わず、こういう子の心理を考えてみると「自分が出来ないと先生に思われたくない」という自意識がすごく強いお子さんが多いです。そんなことで私はあなたを見ていないよ、と思うのですが、大人への不信感でしょうか。
今まで、偏差値や成績できついクラス分けを経験してきて、下位クラスだった子に多い特徴です。
こちら側としては、例えば現在大手塾で何番目のクラスなのか、とかいまどれくらいの持ち偏差値なのか、などは、直近のテストなどを持ってきてもらって保護者と打ち合わせも済んでいますので自分を飾る必要はないのですが、そこが子どもなんですよね。
かわいいといえばかわいいのですが、これが許されるのは小4の夏前までです。この時期を過ぎたり、または嘘の度が過ぎると成績向上を妨げる一番の敵になります。
なぜならば、「自分の出来なさ」に向き合わないといけないのが受験だからです。
小さな子どもに可哀想だとも言えますが、だからこそ「精神年齢が高い」子が勝つと言われる所以だと思います。
自分の出来ない問題に向き合い、わからないことを素直にわからない、と言える子が伸びるということです。それが「素直な子が伸びる」という意味だと思います。
先ほども書いたので繰り返しになりますが、もともとは皆さん素直だったんだと思います。
過度なクラス分け競争や、成績順に並ぶストレスの中で、下位クラスになってしまった本来は「賢い」部類に入る子に多い印象です。
本当にぼーっとしている子は、こういう小細工はしません。
知恵があるからこそ、私と一対一の「新しい場」で自分をリセットしたいのだなと感じます。だからこそ、むげに否定せずに、その子が本来の自分を出せるように、よく読書している子ならそこを褒め、内容を聞いてあげて褒めたり、絵を描くのが好きな子ならばその絵を褒めたり、なるべく自己肯定感を上げるようにしています。
集団塾でも良い関係が築ける子もいますが、人数が多いとどうしても難しい面もありますし、劣等感ばかりが募ってしまっている子もいます。
保護者としては、どうしたらいいのでしょうか。
私も悩ましいところですが、子どもが取り繕うとしたときに、頭ごなしの否定をせずにちょっとだけ騙されてあげるほうがいいのかな、と思います。そのほうが、結果子どもが勉強したりするんですよね。
私もたまに、自分の子にそうします。
私自身子育てって難しいなと毎日思うことばかりおきますが、中学受験を通して少しでも親子で成長したい、と思う日々です。
本日のおまけ
娘は地理カード、どんどん進んで北海道と東北はほぼ正答できるようになってきました。遊びながら地理は早めにやるといいと思います。
お読みくださりありがとうございました。