いつもお読みくださりありがとうございます。
中学受験において、個別指導塾や家庭教師を併用することはかなり「当たり前」になってきました。
隠している方は多いですが、私の感覚ですとサピ、グノ、の併用率は50パーセントを軽く超えると思っています。
言ってみれば、それほどまでに自己完結で手に負えないようなレベルの課題が出されている、ということです。
家庭でのフォローも難しい面があります。集団塾側に「家庭で教えないでください」と言われたり、「そもそも教えられない」という家庭もあります。
この、教えないでください、と教えられない、ですが、集団塾側としては「親子関係が悪化する」「塾と教え方が違うので子どもが混乱する」ということです。最近は情報も広まって、「方程式を使って中学受験算数を強引に教えるお父さん」などは減っていますが、わが子の状況をよく見ずにやたらと市販の参考書を追加してしまう家庭もあり、子どもの状況はよく見て、うまく勉強量とモチベーションをコントロールすることが大切です。簡単にいうと何か市販のものを追加するときはまずは「引き算」の気持ちで。集団塾の課題だけでも多いので、弱点補強をすると決めたなら塾の何か応用問題などを一時期捨てて、しっかりその選んだ市販の教材で補強しましょう。あれもこれも、だとそもそもパンクしてしまいます。
それでもやはり、ご家庭だと教えるのは限界が来ると思いますので個別指導や家庭教師を利用することになる、というのが一般的な流れだと思います。
色々な個別指導塾があり、家庭教師センターがあります。
個別にも大手から、個人のところまでさまざまですが、結局は当たった先生がわが子に合うかどうか、なので大手だから大丈夫、ということはありません。
では何を見たらいいの?というと、簡単です。
料金が「適正」かどうか
料金の適正とは。これは難しいのですが、高すぎるよりも「低すぎる」教室を疑ったほうがいいです。
「指導料が高い」個別指導塾、指導料が「高い」家庭教師センターのほうが
確率として、「ハズレ」が少なくなります。
もちろん、法外な値段は困りますが、そうですね、一流の有名プロ講師だと家庭教師で時給2万円前後は珍しくありません。
ただ、たぶん大抵の子はそこまで出さなくても結果は大差ないと思うので、「そこそこ」のところならOKです。
逆に1コマ2000円とか3000円とか、怪しいです。
なんて身も蓋もない。。。と思うと思いますが、考えてみてください。
「時給」「給与」のいいほうへ、良い人材が流れている、ただそれだけです。他の業界と同じです。
講師の世界も人材不足です。実は私も、子どもが小さいうちはほとんど講師の仕事はせず、時間の融通の利く家庭教師だけ頼まれてしていたのですが、「どうしても入ってほしい。人手不足で経験のある先生がいなくて困っている。1コマでもいいから」ということで復帰しました。
ところが。受け始めると雪だるま式に増え、息子が受験の年こそ少しセーブしたものの、息子が中1のときは調子にのって余裕があると思ってたくさん受け持ったら、もう色んな意味で倒れそうでした。私も家族も。まあそのとき娘はまだ幼稚園でしたしね。調子に乗った私が悪いのですが。
もともと講師業は副業であり、別に主の仕事があるのですが、やっているとどんどん生徒さんも増えて現在正直もう新たに受けることは難しく、(家庭崩壊してしまう)教務から新しい生徒を打診されても、お断りするのですが、とにかく講師も足りていないんだなと感じます。
プロ家庭教師や経験が長い先生は、スカウトもあるし、ネットワークで以前の仲間に誘われて好条件のところへ移ることが多々あります。また、東大生や医学部生、難関大学生も少しでも時給の高いところへ集まります。必然的に生徒さん側が払う金額も高くなってしまうんですね。
そして、高い時給のところには、良い大学生や社会人講師が集まるのでその中で一次、二次、と選考があり、選ばれる講師の質も上がってくる、という仕組みです。
格安の家庭教師センターや個別指導塾は、ほぼ、無試験で採用されているところもあります。そういうところは時給も低いのですが、そこでいいや、と集まる学生などは「研修受けるのめんどくさい」「服装規定とかめんどくさい」「髪色規定めんどくさい」「模擬授業やれとかめんどくさい」という人材なことが多いです。時給は高いほうがいいけれど、いろいろと自分も努力しないといけないのはパス、だから時給もそこそこでいいや、こんな感じで採用されやすいところへ流れています。
さて。ではそこそこ高めのところ、適正料金のところ、を選んだとしましょう。
次に何をみるか。実績、ではありません。個別の実績なんてあってないようなものです。だってほとんど併用ですから。
どこの模試を推奨しているか?
これです。この話は先日の模試について、と同じことです。ここで、「首都模試」などと言われたら、お子さんの志望校と首都模試に乖離がないか、チェックしてください。ただ、個別指導や家庭教師は大半はそれだけではなくて、大手との併用、大手のサポートとして使われるので、大手集団塾に通っている場合はそんなに心配しなくていいです。自塾の模試をちゃんと受けましょう。
問題は大手集団塾には通わずに中学受験をする場合。その際にどことは言いませんが、「うちの個別指導だけで難関校へ進学できます」的なうたい文句のところは要注意です。ほんとに??
内情を聞いていますが、そこだけで難関校以上に受かる子は数年に一度出るか出ないかだと聞いています。ほぼ全員がサピやグノ、日能研、早稲アカなどと併用。それらの塾のフォローを良い先生としっかりやったことで、相乗効果で合格できたケースです。
併用やサポートを前面に出しているところは、正直だなと思いますし、別にそれは恥ずかしいことではないと思います。
集団塾だけでは足りない。だからこそ個別のニーズがあるわけで、すみ分けでいいと思うのですが、なんであんなに「個別指導だけど難関に行ける」みたいな宣伝をしているのか疑問。。。いやそれで、推奨「首都模試」ってあり得ないでしょ、というツッコミは関係者内では有名です。
何のテキストを使っているか
これは、どの個別でも家庭教師でも講師個人の力量が大きいのですが、チューターや教務などが実は内容を全然わかっていないところは多いです。ですので講師の先生と面談できるかどうか、というのもポイントで、その先生がどれくらい知識があるかにかかっています。ここでも、有名な個別指導塾はテキストの内容もレベルも講師は熟知しているベテランがいるものの、社員が全然わかっておらず、ここだけで中学受験は危険だよね、というところもあります。繰り返しますが大手集団塾と併用、ならば問題ないです。
結局、四谷大塚、サピックス、浜学園、グノ、などと同レベルの「教材研究力」がある個別指導塾なんて一つもない、ということです。あれらの教材はその集団塾がプライドをかけて作成している力作です。
一方個別指導塾というのはどこも予習シリーズを買わせて使っていたり、多いのは新演習シリーズとかを使用していて「教材を作れる部門」なんてないわけです。
それなのに個別の力をやたらと強調するようなところは、倫理的にちょっとなーと思ってみています。
カリキュラムだって、予習シリーズや新演習シリーズを機械的に貼っているだけのところも多いです。オーダーメイドといいつつ、個別だけだと急にその力は落ちる印象です。やはり個別や家庭教師はあくまでサポート、だと思います。
かくいう私ももちろん教材を考えるような、そのような力はないので、市販のものや予習シリーズなどを使っています。ですが自分なりに研究し、経験もあって使っていますし、何より基本的に私は大手塾あってこその自分だと思っています。「いいとこどり」が私の目指す受験スタイルです。
個別・家庭教師だけでの中学受験
これについても質問をよく受けますが、「受けたい学校による」のですが、、、、難関は無理だと思ったほうがいいです。
「普通の」お子さんでしたらとりあえず大手に入れてください。
そして、いつも私が言う基準偏差値に各塾で達していなければ、スパッと新6年でサピとかグノはやめて個別一本に切り替えていいと思います。日能研や早稲アカは、レベル別に寄り添ってくれるので辛く無ければ続けて、個別や家庭教師の併用でいいと思います。
「個別指導に低学年から入れて、先取りで自分のペースで難関へ」というのは、99%のお子さんは無理です。
理由は個別や家庭教師はどうしても、その子のペースに合わせるので集団より遅くなることのほうが多いからです。
100人に1人以上のギフテッドならば、個別でどんどん進みますが私が今まで出会ったり聞いた中で、そういう子は1人もいませんでした。ギフテッドの子も普通にサピとか日能研のTMとかに行っていました。それはそれでやっていけるらしい。
他には、プロレベルの習い事がある、勉強に関しての特性が強く(学習障害など)集団ではついていけない、そのような場合は個別が向いていますが、例えば個別で早稲アカと同じペースで進もうと思うと、週に4科目すべてを1コマ(1時間から90分の授業として)ずつは最低入れないと無理ですし、たぶん算数と国語は2コマずつくらい入れないと無理だと思います。集団というのは、それほど速いのです。
週に6コマ以上個別に行くのなら、とりあえずついていけるのなら集団塾でいいと思います。良い個別指導塾や家庭教師はだいたい1コマ1万円前後しますので、週6コマ取ったら月に24万くらいになってしまいますのでそれが払えるかどうか、ということも始める前に考えないといけません。
また、個別も使わず、プロレベルのスポーツをやりながら、日能研へ行き、授業は半分しか毎回受けられず、テストは特別措置で解説はカットして解き終わったら出してもらい、バイクで待機しているパパが試合会場へ送り届ける、という子もいましたが、たぶん通常の子の半分も勉強していませんでしたが日能研偏差値55以上60以下の学校を2校だけ受けて完勝でした。落ちたら公立へ行く覚悟もありましたし、メンタルが半端なかったですね。6年生の正月に「NN特訓」じゃなくてスポーツの合宿へ行ってましたからね?学校選びも、そのスポーツが続けられるところを選んでいました。
勉強へ全振りしたら、東大も余裕だろうなと思いましたね。全振りしなくても、スポーツを続けながら東大も行けそうです。
何が言いたいかというと、「出来る子はなんでもやり遂げる」「時間がなくてもやる子はやる」という身も蓋もない悲しい現実をお伝えしたかっただけです。
時間がないから集団ではなく個別へ、、、というのは最後の手段に取っておいたほうがいいです。(しつこいですが、併用は推奨しています。)
しかし、今はやりの「ゆる受験」(本当は私はこの言葉や表現は嫌いです。その話はいつかまた)で行くのならば、個別だけ、家庭教師だけでの受験は十分可能です。
しかし2科目受験が現実的でしょう。4科目個別でやるのは時間もお金も逆に膨大にかかり、どこが「ゆる受験」なの?ということになってしまいます。
まとめ
以上だらだらとまた書きましたが、伝わりにくかったらすみません。(個別指導塾の名前などは控えさせていただいています。)
まとめとしては、「個別や家庭教師はあくまで大手のサポート」。「それ以上を謳うのはおこがましい」というのが私の意見です。
個別や家庭教師の力を強調している塾の宣伝を見ると、内実を知っているので「いやいや、カリキュラムもコピペで作っていたり、所詮予習シリーズにおんぶにだっこ、講師の力量にかかっているのに、よくそんな宣伝するよなー」と冷めた目で見てしまいます。まあ、宣伝している分、時給も高いので最初に書いた「レベルの高い先生」は集まっているため、「ハズレ」ることは少ないです。
使い方のお勧めは、「大手集団塾のサポート」です、
ですが、もし個別だけで受験しようと思うならば、最後は月額30万くらいは余裕で払う覚悟と、それでも難関は厳しいし、大抵は2科目受験に落ち着くという現実を知ってもらって、「無理をさせない」と決めたならその選択も十分価値のあるものだと思います。子どもを追い込まずにすみますので。
「何が何でも」を全員がやる必要はないのですから。ただなんでこんなことを書くのかというと、個別や家庭教師は総額がいくらかかるのか予想しにくく、見えにくく、かつ本当にその効果があるのかが見えにくいので、参考になればと思って書いています。
良い先生はいますので、うまく使うことが大切です。言われるがままに、「個別だけで御三家」を信じないでください。
大手集団塾には大手の良さがあり、それだけでは足りない細かいところ、志望校対策、苦手対策こそが個別や家庭教師の力の発揮しどころだと思っています。
そう思うのも私がサピにもいたからかもしれません。
過剰ですけど(笑)、あのテキストは研究に研究を重ねてきた証ですし、やりすぎ&やらせすぎですけどあれを全部やれば開成と桜蔭に受かります。そんな、個別だけで難関なんて、私は絶対言えないし自分も無理です。大手のカリキュラムが公開されていることや市販の問題集があってこそ。算数の天才なんだろうなーと思う、熊野先生、望月先生、福嶋先生、宮本先生、その他サピやグノ、浜の名前の出ていない講師陣のおかげで自分の仕事が成り立っています。私も最難関の問題などは全然解けませんので、解説さまさまですし、だからこそそれらの先生や塾に敬意を持っています。
今回も長文をお読みくださりありがとうございました。
本日のおまけ
大切なママ友の3人目のお子さんが見事、第一志望に合格しました。
過去問対策や具体的な質問など、時々アドバイスはさせていただきましたが、絶対にこの家庭は大丈夫だと思っていました。お母さまが素晴らしい。
私はお礼やお祝いなどにはよくヨックモックのクッキーをお渡しします。
缶が季節で変わったりして可愛いし、安定のおいしさ。ヨックモックが嫌いな人に出会ったことがありません。
今回は春限定の桜の缶が出ていました。まさに「桜咲く」。お祝いにぴったりだと思ってお渡ししました。
卒業と入学にも使えると思って多めに買っています。何かとお渡しする機会があるので。
今回もとっても喜んでくださり、来年も桜缶がまた出ますようにと思っています。
またどなたかに合格のお祝いで差し上げられることを楽しみにしています。