ボリュゾの受験は作戦あるのみ
いつもお読みくださりありがとうございます。
バタバタと受験生関連の整理が続いていて、期間があいていますがこの話をもう一度書かせてください。
①はこちら↓
今年の仕事上の総括ミーティングはまだですし、一体何人の先生方、社員の方がこう考えているかわかりませんが、私のなかでもう、この題名がすべてです。一言で今年の中受の格言は?と言われたらこれにします。
あまり具体的な学校名はあげにくいので、うまく書けるかわかりませんが、ざっくり言うとボリュゾの子こそ、幅広い学校のリサーチ、複数回受験のある学校の受け方、これ、とっても大切です。なのに、ボリュゾの子ほど狭い範囲の学校しか見ず、複数回受験のある学校に突撃を繰り返す傾向があります。
闘った親子に鞭打つつもりはないのですが、私が関係した方だけではなく、入ってくる情報を見ても、惨敗した方、後悔している方、塾に怒っている方、等々何かしらの負のイメージで受験を終えられている方は、受験プランが甘いです。
勘違いされている保護者がすごく多く、また塾の関係者もわかっていないのか?または塾関係者はわかっていても保護者を説得するのがめんどくさいから、要望だけ聞いてスルーしているのか?(こっちの可能性のほうが高い)私からすると「なんでそのプラン?」という方はやはり後味の悪い受験になっています。
2月4日とか、5日になってから「どっちに進学しよう」「これからあとどこを受けよう」という相談が知人経由で紹介されてきたりするのですが、質問攻めになってしまいそうな自分を抑えるのが大変です。
まずはボリュゾといっても上位ですが、
ケース1
・第一志望 早稲田実業、または、早大学院、または早稲田。
・持ち偏差値は四谷偏差値で53から良いと55くらい。
・大手4つ以外の中堅塾へ通塾。
早稲田系をどう組み合わせ、どこに出願するかは、締め切り直前に決めた。試験日がかぶるものはすべて出し、どこを実際に受けるかは直前に決めるつもりだった。当日その結果などを見つつ、滑り止めと合わせて組み合わせていくプランを組んでいた。(結局早稲田系のどこを受けたか、どこに進学したかはここでは伏せさせてください。)
→この時点でツッコミどころ満載すぎますよね?どういうラインナップで受けるつもりだった??というのはもちろんですが、「こちらが受かったら、この学校、落ちたらこの学校、願書は何時締切」というこのスケジュールを完璧に組み、受かったならまだしも落ちた精神状態の中、冷静に出願をするのって本当に大変です。普通はできないと思ってください。自分を過信している親御さんが多すぎます。。。。
複雑なプランを組むのなら、完璧なスケジュール表を書き、それを印刷して壁に貼る、落ちた場合のチャートも毎日目に入れて、精神を鍛える、くらいの「修行」が必要です。
作成したスケジュール表は、PDFにして家族、協力をあおぐ親戚(祖父母など)で共有しましょう。そうすることでもしかしたら、「ちょっとこれは」と止めてくれる家族がいるかもしれません。
実際、私もわが子のときは日能研の合格レーダーの、受験プランが書き込める表がついてる回を購入し、書きました。個人的に日能研の表が気に入っているだけなので、皆さん各塾からもらう表でいいと思いますが、よかったら日能研のと比べてみてください。私はおすすめ。
だいたい11月頭かな?に出る特別号が毎年これです。例年書店にも並びますが、来年必要な方は一度先にネットで手に取ってみてください。低学年の方も、ネットで今年のものを買って、試しにプランを書いてみることをお勧めします。試しに買ってみるとこんなに複雑なの??と実感できると思います。そういう「心の準備」も大切です。
話は戻ります。
この方、結果は当然早稲田系は全敗だったそうです。
地方校は合格。
しかし、偏差値約53の複数回受験のある学校に2校!見事合格
通常は、ここで「チャレンジ校はやはり無謀だったけれど、実力相応校に2校も受かるというのはすごいこと」という、プロ側からの評価になります。その子が本当にその実力はあったという証明でもあります。
きっと、早稲田系を目指して、上を目指して勉強したことが良いほうに出たのでしょう。(難しいのが、だから全員が全員、実力よりかなり上を目指して勉強すれば結果持ち偏差値が上がるということではないということ)
ところが、ここから問題が発生したそうです。
実は、この親御さん、受かった2校とも学校見学も説明会も行ったことがなかった!!地方校へ行くのも迷いがある。
そのため、いざ進学となったときに「どっちに行けばいいのだろう」「いや、やはりここは公立中に進んで、高校受験で早稲田を目指すべきか?」と迷い始めたのです。
そんなことってある!?と私はびっくりしました。
持ち偏差値マックス55で、平均にしたら53ないくらい、という子が、安心するためには平均65程度は欲しい早稲田系を受験するのに、早稲田系しか見学に行っていない、なんてことがあるんだ!?と。
これはもう、塾側の怠慢でもあるか、またはその保護者が相当アドバイスを聞かないタイプと判定されたかのどちらかしか考えられません。
偏見になりますが、きっぱりと「〇〇しか受けません!」のように言うお父さまには塾側も反論しづらいようです。男性の圧、とでもいうのでしょうか。お母さまにはあの手この手で説得を試みる塾長も、お父さま相手の場合、「うちはこうします!」と良くも悪くも意見を曲げない方が多いので、塾も最後は家庭なので口を出せなくなります。(まあこれは、家庭側からするとどうしても曲げたくないことがある場合は父親を出しといたほうが効果的である、という風に使えますね。)
受けるかもしれない学校は、全部見に行ってください。説明会も聞いてください。
行って損する、聞いて損するということはありません。
私も今まで数え切れないくらい学校見学などに行っていますが、息子のときも持ち偏差値より15下の学校でも、通いやすいところにあったところはすべていきました。
逆に、通いやすいところに偏差値が15も下の学校があった、ということは心のお守りでした。一度だけですが、息子も連れていきました。
なぜ、受けるかもしれない学校を見に行かないのか理解に苦しむ、というのが本音です。
人気の早稲田系、偏差値が15も足りない、それなのにそこしか見学に行かないって、昨今の中学受験をなめすぎです。
ある意味、偏差値53の学校が第二志望だったわけです。なのに見学に行っていないとは。
お子さんは頑張ってきたのに手が届かず、ショックを受けているそうですが、親子で受かった学校どちらにしようか、公立にしようか、判断材料がなくウロウロしているところを知人経由で相談がきた、という経緯でした。
将来お子さんが何を目指しているのか、どういう学校生活を送りたいのか、などを整理して、提案はさせていただきましたが、確信がないことなのであくまで知人からのご紹介なので特別におこなったアドバイス、ということになります。
その子を指導したこともありませんし。
しかし、入試の日に初めてその学校の門をくぐったのに2校も合格を取って来るそのお子さん、底力があると思います。早稲田系では手応えもなく撃沈しただろうに、きちんと相応校を取って来るとは将来が楽しみです。
まあ、通常は結果万々歳、大成功の受験になると思うのですがこの親御さんは「なんで早稲田系に受からなかったのか」まだわからなくて、いろいろ後悔があるようです。
もっと早く塾に行かせたらよかったのではないか、家庭教師をつけたらよかったのではないか、サピやグノに行かせていれば受かったのかもしれない。。。等々。
いや、それは1つも当てはまりません。
大成功したほうです。
そもそもですね、早稲田系を受ける人の併願校をちゃんと調べてください、と言いたかったですね。
例えば早稲田や早大学院、早実第一志望の子の大半は、本郷とか、巣鴨とか、都市大とか、芝とか、中等部とか、そういう学校です。そういう力を持っている子が受けてくる学校なんです。
一方で、実際に受かった学校はたぶん通常聞くと「え?」っと思うような併願校です。早稲田と名の付くところを受ける子が併願するとはとても思えない偏差値差があります。
私は、その時点で塾側も早稲田系は受からないとわかっていて、かつ本郷とか芝とか、都市大とか、そのあたりも無理だとわかっていたから、その学校を勧めたんだろうな、とわかるラインナップででした。
そうしたら、塾はもっと強くそれらの学校見学を推すべきだったよなと思いますが、ここのご家庭は最後まで早稲田という名前にこだわっていたので塾も放っておいたののかもしれません。。。
以前から言っていますが、憧れの学校にこだわることは大切ですが、成績という現実もしっかり見ないといけません。奇跡はそうそう起きません。
やはり大きな模試はある程度は参考になるものです。
模試について、もいろいろ思うところがありますが、このシリーズの続きはまた次回書きますのでその中でも触れることになると思います。
お読みくださりありがとうございました。