いつもお読みくださりありがとうございます。
昨年も、このテーマについて書きました。
私の意見というのはこの時と今と基本的には変わっていないのですが、昨年までと比べると「世間の流れ」「世間の視線」が変わってきたことを感じます。
昨年までも、新聞記事のテーマやネットニュースのテーマになるほど、この「1月に中学受験を控えた6年生が小学校を(たくさん)休むことについて」は挙がっていました。
が、そのときは「コロナ禍」をまだ世間も引きずっていたので、「5類に引き下げられて、救済措置も見込めないなかで絶対にコロナに感染をさせてはいけない。だから休むのも致し方ありません。」という空気感がありました。
コロナ禍から昨年まで、塾側に「小学校を1月どうしましょうか」という相談がぐっと減り、ほぼ全員の保護者の方が「1月は感染症が心配ですので、最低2週間、場合によっては1月は全日休ませます」などとそちらで決めて、きっぱりと塾側へ伝えてくださる方が多かったのです。
私が知る限りではほぼ全てのご家庭が、1月は全休させていました。行っても始業式に荷物を取りに行く、預けに行く、程度です。
ところが、今年は12月に入るころから、コロナ禍前には毎年の恒例だった、「1月の小学校はどうしたらいいでしょうか」という相談が増え始めました。
私は、「お、なんか昨年までと違う」という感触を持ちました。昔に議論が戻ったという感じです。
ではなぜ、小学校を休むか休まないかがこんなに受験生の家庭を悩ませるのでしょうか?
よく考えてみると、当人とそのご家庭以外には何ら関係ない問題であり、「ほっといてくれ」というのが一番の本音ではないでしょうか?
もし、世間が、クラスメイトが、クラスメイトの親たちが、先生が、放っておいてくれるなら、もっと純粋に「感染症がやっぱり怖い」「最後ラストスパートで勉強させたい」どちらの(両方の)理由でもすっきり休めるし、休まないとしても別にいちいち他人に評価されることではなくなるはずです。
「学校最後まで行ったんだって?えらいねえ」→これ、要りますか?そんな評価をする人たちがいるから気にしすぎてしまう家庭が出てくるのでは?
塾側も、昔ほどは「最後まで学校を休まずに通った子のほうが、なぜか合格率がいいんです」などという謎の呪いはかけてきません。なぜなら、ここ4年程、1日も休まず小学校に通った受験生なんてほぼ皆無、だからです(笑)。データが消えてきてしまったわけですね。
ただ、小学校の先生や小学校の先生経験者の中にはまだこの呪いの言葉を受験生全体にかけてくる人がいるようです。繊細な子は、小学校の担任がそういう話をすると気に病んでしまいます。
昨年までに比べてそういう半ば「精神論」的なことで子どもを意図せず?追いつめる情報がまた復活してきたような気がしています。
私は別に、小学校なんて休んでしまえ!と推奨しているのではありません。
行くも行かないも、ご家庭と本人の自由なんじゃないかなと思っています。
理由があるなら行かなくていい、と思うだけです。
その代わりに、「行かなかった」ことのデメリットは自分たちで覚悟して引き受けないといけないとは思いますが、それは「他人からの批判」ではありません。批判される筋合いって無いよな、と年々思うのです。
行かないことのデメリットは、純粋に
「小学校6年生としての1か月、友達と自由に会えず、担任の先生はじめ小学校の先生の授業が受けられない。友達と遊べない」ということのみ、だと思います。
なのでそこに価値を見いだせていない小学校生活だった場合は、とくに無理して行く必要はないでしょう。
それらデメリットと受験対策を天秤にかけて、選択する。これのみです。
私がだんだんこのような気持ちになってきたのも理由があります。
一言でいうと、最近小学校が楽しい!!という私の受け持ちの生徒さんが減っているんです。。。。「塾のほうが楽しい」という子が多く、成績が上位の子ほど「塾のほうが楽しい」という割合が高いです。(あくまで、私の周囲のみの統計)
今まで、それなりの数の小6受験生を見ていると、小学校が色々な意味で「辛い場所」となっているお子さんもいること、そういうお子さんが決して少数派ではないこと、を年々感じます。
あとは、超優秀の部類に入る子の中には、どうしても周囲のクラスメイトとなじめず、もめてはいないけど気を遣って生活している子もいます。
そういう子にとっては、1月というもう地方入試も始まっている日々の中で、人生初の受験というストレスと、周囲の同級生に「頭いいから鼻にかけている」と思われずに、なんなら能力を隠してすごすストレスの両方はキツイようです。
受験しない子の中には、嫌味を言ってくる子もいます。
体調を理由に学校を休んだときに「どうせお前受験するから、小学校の勉強なんか聞かなくてもいいよな」とか、「え?お前受験するのにそんな成績悪いの?」酷いと「え?偏差値60ないと意味ないってうちでは言われてるから、うちでは中学受験はしないんだけど」とか意味不明な中傷をしてくる子もいるようです。。。。
幸いなことに、わが子のときは同級生にも恵まれていて何の問題もなく、そもそも本人がいまどき珍しい「学校大好き!」という子だったのと、メンタルもかなり強いので、精神的なストレスは少なかったようですが(勉強が間に合わないというストレスが私にはありましたが。)実際に生徒さんの中には「そもそも普段から小学校はあまり好きじゃなかった」という子がいます。
これは生徒さんの話ではありませんが、ある小学校で数年前に本当にあった話。
そちらの小学校では卒業式では、6年生1人1人が将来の夢を全員の前で発表していく、というスタイルだったそうなのですが、80人程度しかいない学年のなかで、6名が「将来は、楽しい授業をしてくれた塾の先生になりたいです」「憧れている塾の先生になりたいです」等々発表したそうです!!
すごくないですか??
いやー、そのときの担任たちの顔ってどうなってたんだろう、、、と思ってしまいます。ちなみに、誰一人として「小学校の先生になりたい」とは言わなかったそうで。
教えてくださったその保護者も、「なんか複雑な気分だった。でも普段子どもの話を聞いたり、授業参観をみていればさもありなん、だと思う。」と言っていました。
児童からはどの先生も評判は悪く、クラスメイトもぎすぎすした関係が多かったとか。誰一人として「小学校の先生」とは言わないだろうなーということはその保護者も容易に想像がついたそうです。
ちなみにその公立小学校は「ちょっとした塾ですか?」というくらい進学実績(別に小学校は関係ないんだけど)がよく、御三家複数、早慶、偏差値60オーバーの進学校ごろごろ、伝統校、などなど半分ほどが有名私立へ進学したそうです。
もちろん、子ども、いや親側が悪くて、小学校の先生を困らせていることというのも現代は多いとは思います。そういうエピソードもたくさんあります。
ただ、6年生になるまでにすでに信頼関係が全くないような状況に陥っていると、そりゃ受験直前期に学校なんて本人も行きたくないよね、と思ってしまうのです。
思うところがあって、不登校になり、フリースクールへ通っている子には最近は冷たい視線はきませんが、1月に中学受験のために小学校を休ませると、同級生やその保護者から陰口をたたかれる。。。。これだけは、私は納得できません。
「ずるい」というのなら、あなたも休めばいいのでは?目的も無く、ただ休めば?と思ってしまいます。
子どもが「ずるい」という時点で、その家庭も「理想的」ではないですよね。学校を休むことを「ずるい」というということは、本来行きたくないから、ということになります。
そもそも、休んだら「ずるい」と言われる小学校って魅力なさ過ぎ。
我が家の場合は、這ってでも学校へ行きたい、という子たちなのでそんな小学校に当たって本当に感謝しています。なので1月休ませたのは息子にとっては「罰」でしたね。問答無用、これじゃ全落ち、と宣言して休ませて付きっきりで特訓しました。
昔と違って、年明けすぐから首都圏も前受けがスタートしますし、けっこう忙しいんですよね。学校にちょこちょこ行ってる場合じゃない、というくらいハードスケジュールだったりします。
ここまで、「別に休んでもいいんじゃないの?」という私の意見を書いてきましたが、休むことのデメリットは、他人の評価なんかどうでもよく、とにかく「生活リズム」です。
これが崩れる子がほんっとーに、多い。
どれだけご家庭と本人に言っても、聞き流す家庭が多いんです。
「小学校に最後まで来ていた子のほうがなぜか結果が良い」という都市伝説は、休んだ子の家庭で、生活リズムを心を鬼にして守らせなかった家が多い、ということなんだと私は思っています。
どう考えても、1か月真面目に勉強すれば最後偏差値は伸びますし、意味のある過去問演習ができます。
それが、学校休んで勉強していたはずなのになんだか伸びなかった子は、「やり方が間違っていた」ということだと思います。集中できていなかったのでしょう。
でもそれはその子が悪いのではなくて、端的にいってしまえば、基本的に小6が1人で自宅で効率のよい意味のある自習なんてできません!!
ということは、共働き家庭はほぼ無理ということになります。
親が早朝に仕事に出てしまい、その後午後まで1人、などは生活リズムが乱れる原因となります。
わが子に絶対の信頼が無い場合、親のどちらかが仕事を休んで家にいるしかなくなってしまいます。。。。
それが無理な場合、個別指導や家庭教師をかなりのコマ数付ける、ということになったりします。
あとは、自習室もしっかり管理してくれる塾を最初から選んでおくか。
場合によっては自習室に送り込んでも、朝寝しない分だけ自宅よりマシ、程度の効果しかありません。残念ですが。自習室もほとんどの塾では四六時中の監視をしてくれるわけではないですしね。酷いところだと、スマホを見ていていも、小学生が寝ていても、声もかけないところもあります。
ずーっと友達とゲームしてた、なんて話もあとで聞いたりします。
親は自習室に行っているなら勉強してる、と思ってますがそれがパーフェクトに出来る子はそもそも成績抜群に良いはずですしね。
なので、スマホも持たせる必要はない、と私は思ってます。(これも以前書いています。)
1月を生活リズムを整えて、朝からしっかり起きて、軽く朝勉強して、朝ごはんを食べて、試験開始時間にはしっかり頭を働かせて勉強する。
このリズムさえできるなら、休む価値はかなりあります。これらの時間で過去問直しなどもたくさんできます。
でも朝なんとなく「ラヴィット」つけっぱなしにしちゃって。。。。とかになるなら、小学校へ行かせたほうがいいかもしれません。(知ってます?小学生に「ラヴィット」という朝のお笑い番組がすごく人気だそうです。情報収集のために見てみたら、くだらなさすぎて面白かったです。)
いろいろと脱線しましたが、1月は休むと決めた方は外野は気にせず、有意義に時間を使ってください。
もちろん、これだけインフルエンザが流行っていると、病気予防のために休む、というのも大ありなのですが、その際もくれぐれも、生活リズムだけは崩さないよう。。。
今年の受験生も応援しています!
お読みくださりありがとうございました。