いつもお読みくださりありがとうございます。

 

この三連休は遠出はしませんが、息子の部活動の応援に行ったりしてバタバタとしています。

 

前回の記事でちょろっと書いた、「設問の意図」をとらえる重要性。

つまり、相手(出題者)は何を聞いているのか、何を答えさせたいのか、ということが正しくつかめているか、ということです。

テーマをこれに絞って少し書いてみたいと思います。

 

国語のテストで点数が取れていない場合、まずは漢字と語句の出来を見ます。そこがパーフェクトであることがまずは第一歩です。悪くても1問ずつ間違いくらいで。数問ずつ間違えている場合は、重点的に復習が必要ですし、もっと普段の勉強で漢字と語句を意識したほうがいいです。

 

次に、保護者はつい記述の空欄や書き方に目がいってしまいますが、選択肢問題はどれくらいあっているでしょうか。

まず、「接続詞」の選択肢問題を5年生までで間違えている場合。とくに4年生以下だと要注意です。(なぜ6年は外すかというと、6年の接続詞の問題は、これは意地悪だなーというような難しいものもあるからです。)

 

国語のセンスがある子は勘で接続詞問題をパーフェクトに取ってしまいますが、そうでない場合でよく間違える場合は、きちんと意味付けしながら解説する必要があります。文章中の「その」とか「それ」が何を指しているのかを考えずになんとなく接続詞を選んでいることが多いです。

 

今日は「設問の意図」がテーマなのでそこはサラっとすませて、

選択肢問題のなかの、読解の問題。

ここからは完全に、「設問の意図」がポイントです。

 

国語が平均点に満たないお子さんは、だいたいこの読解の選択肢問題でも「設問の意図」を正確に捉えていないはずです。

記号選択問題をあなどってはいけません。けっこうけっこう、入試問題では難しくなってきます。

 

よく間違える子は、読解問題を塾で多数解いてきた「経験」が変に作用して、説明文では勝手にどの選択肢問題でも「〇〇とはどういう意味でしょうか」と聞かれていると思い込んでいることが多いのです。たしかに、「〇〇とはどういう意味でしょうか」という設問は一番多いくらい多いのですが、今目の前の問題が本当に「意味」を聞いているのか、きちんと読み取る必要があります。

物語文ですと、「主人公のそのときの本当の気持ち」を聞かれていると思い込んで解いたら、聞かれていたのは「そのときの主人公の立場上の建前」だった、とか。

 お子さんが選択肢問題を間違えているとき、「設問」からきちんと読ませて正しく意図を理解しているか、確認してみてください。

 

ここでつまづいていると、絶対記述でよい点は取れません。

記述はさらに「設問の意図」がもうすべて、というくらい重要です。

 

「何を」聞かれているのか。これを最大限意識して解答を作る。

「何を」一番書かないといけないのか。

 

的を外した解答を書いている場合、設問を読ませ、もし一言で解答するならば?なんて書く?と聞きます。

その「一言」が大切で、(あ、そこで完全にズレている場合は細かい指導がまた入ります。)その時出た「一言」を中心に記述を組み立てないといけません。よくあるのが、サピ、グノ生に多いのですが、箱型の記述で字数制限がなく、書こうと思えばいくらでも書けることと、普段から長文の記述を書かされていて、「要素」での採点もされ慣れていて、「足りない」ことへの恐怖から、余計な前提ばっかりから書き始めて、書いているうちに「核」とならなければいけないような中心部まで辿り着いていなかったり、そこを忘れてしまっていたり、そういう「ただ量だけ」の記述が散見されます。

 

もちろん、まったく書けなかった子がそれでも書くようになったのなら、そこは大きな一歩で褒めるべきところです。手放しで褒めてください。

 

その次の段階、5年後半から6年生での話か、記述がけっこう「書ける」のに点数がイマイチ入らない子の話だと思ってください。

 

ズバリそのもの、問いの「核」となるドンピシャな答え、ここを外す子が多いのがサピ、グノの「書いているのに部分点が1,2点の子」です。それは箱型記述を早期からやらせすぎだからじゃないのかなーと最近思っています。

 

桜蔭はじめ、女子難関校や男子難関校でも箱型記述が増えているので、早期からその訓練をしたいのは重々わかるのですが、きちんとまだ基礎力がついていないのに、そればかりやってそういう模擬テストばかり受けさせられていると、「とりあえず、たくさん書けばどこかで点数もらえる」という発想になって、「的の真ん中を狙う」意識が薄くならないでしょうか??昨年、そういう状況になってから受け持った子がいましたが、とにかく細かくたくさん書くのですが、無駄が多すぎて減点されることが多かったです。

 

そういう子に、例えば四谷の予習シリーズの字数制限がある問題を解かせると、やっぱり出来ていません。的を外したまま時数を使い切ってしまうのです。最重要なところが何か、を考える癖がついてないような気がします。

 

ダラダラと書くより、20字で答えろ、30,40字で答えろのほうが、実は難しい場合だってあるのです。

お子さんが箱型記述で点数をあまりもらえていないとしたら、試しに問題集の字数制限がある読解問題の記述をやらせてみてください。そういう問題でパーフェクト解答ができているのなら、箱型記述の注意点という次の段階に進んでの指導となりますが、20字で答えなさい、30字で答えなさい、が怪しい場合はまだ箱型記述の段階に達していない気がします。

 

20字、30字で答えるときには「設問の意図」を外したらもうアウトです。絶対に1点ももらえなくなります。そういう訓練をすれば「今、これは何を答えないといけないのか」をもっと注意するようになるでしょう。

 

たしかにサピの国語のテキストはすごく良くて、読解問題もたくさんあって記述も多くて、一言で「すごいな」と思います。でも箱型記述の前に行うべき訓練を飛ばしている気もするのです。というか、上位層にはそれでいいのですが、下位層にそればかりやらせると、前述のような「とりあえずたくさんそれっぽいことを書いて、部分点を狙う」という発想になります。

 

世の中で、「箱型記述をやらせるサピ、グノがすごくて、20字記述とかやらせてる塾のレベルはちょっと」みたいに思っている保護者もいたりしますが、そんなことはありません。段階ってやっぱり大事かなと思います。

 

1年生、2年生からガンガン量が書けたり、得意な子は別ですが、大抵の子は「抜き出し」や「言いかえ」からスタートしていくことで国語のテストに対応する「読解力」がついていくのではないか、と最近思っています。

 

主語、述語をはっきり入れて30字でまとめる。これは十分難しいのです。

 

あとはテクニックとして、だいたい20字ならば要素は1つ、以後は15字から20字ごとに要素が増えていくというパターンはありますが、それも含めて「字数を意識する」ことも良い訓練になるんじゃないかなと思っています。

 

私はいつも、なんなら問題に出された文章よりも、設問のほうをしっかり読んで!と言うくらい、設問を意識させるようにしています。

今、読解で悩んでいる方がいらっしゃれば、少し参考にしてみて頂ければ幸いです。

 

今日もお読みくださりありがとうございました。

 

最近、娘が読んでいる伝記マンガシリーズ

今日は娘は書店で杉原千畝を選びました。(いつも絵でなんとなく選んでいます。)

やたらと最近どの出版社も新しくお札になった3人推しですね!

本来、渋沢栄一とか。。。。子ども向け伝記には書けない話もたくさんあるのに、複雑な気持ちになります(笑)。

 

 その点、杉原千畝は戦後何十年も日の目を見ずに、日陰で生きたけれど本当に勇気と心のある人だったなと思います。シンドラーよりも杉原千畝のほうが、私欲がなかったと思うのですが。(シンドラーも途中からはユダヤ人を助けるため、という意図にシフトしていますが。)娘にはいろいろと質問されました。ユダヤ人虐殺の話、世界大戦の話、ドイツと日本が同盟国だった話、満州ってなに?とか、私に質問しながら、娘は夢中で読んでいました。ここから、アンネフランクの話を勧めてみようかなと思います。大昔、私が児童書として買ってもらったアンネフランクの話の本もあるので。アンネの日記の完全版も持っていますが、それはもう少し大きくなったら読むことでしょう。