いつもお読みくださりありがとうございます。

 

前回に引き続き、偏差値40台の子の算数を指導していてよくあることを書きたいと思います。

 

私の場合は、小3とか小4からずっと見続けている子は少なくて、小6から、小5の夏から、という子が多いのですが(家庭教師や個別だからという理由が大きいと思います。)、その中に一定数いや結構な割合でいるのが

 

「先生、その公式忘れちゃったから解けません」

という子です。

 

初回の授業では、その段階までの能力や特徴を見たいのでそこまでの塾の経過などを参考にしつつ、ちょっとした問題をやらせてみたりするのですが、速さや割合の一行題のときによくこういうことを言うお子さんがいます。

 

偏差値が50台以上になると見たことがないです。(私の経験では)

 

速さの問題だと「距離÷時間」で速さが出たりするじゃないですか、ああいう類の公式のことです。。。。

食塩水だと食塩÷食塩水をすると濃度が出る、というような。

 

はっきりいって、そんなこと言ってるから出来ないんだよ!と思うのですがそうは言えないので、内心がっかりしながら話をしていくことになります。

 

ここまでわざとこういう書き方をしたのですが、私は公式を覚えていてほしかった、と言っているわけではありません!!

真逆です。

公式なんかに頼っているから、自分の頭で考えていないから結局そうなるんだよ~チーンということを言いたいわけです。

 

速さを「はじき」で教えるとか本当に意味がないと思っています。

あと食塩水も同じ。

 

全然自分の頭で意味を考えていないので、平気で逆をするわけです。

あとは旅人算になったときに兄の速さを弟の速さで割ってみたりポーン

意味不明な数字合わせをしてみたり。。。。

比と混じっちゃってる場合もあります。

 

例えば速さなら、私は

「時速100キロで高速道路を走っていて、2時間走ったら何キロ走れると思う?」

と聞きます。そうするとわかる子は即答だし、わからない子も自分の頭で想像して、時速100キロで2時間。。。。と考えるわけです。

 

いくつか例を出せば、時速とか分速とか秒速の意味もわかります。

「あなたは50メートルを何秒で走るの?」とかも聞きます。

 

そうしながら

「時速100キロで2時間走ると200キロ先まで行けるよね。それって東京からどれくらい先だと思う?」とか聞いたりもします。

6年生でも「はじき」だけで適当に式を立てている子には効果があります。

 

時速100キロ×2時間=200キロ

これだけ頭に入れば、あとは公式なんかなくても、すべてこれに当てはめれば速さも時間も距離も出ますよね?

 

こんなこと、こんな説明、当たり前に塾でやってるんでしょ?と思うじゃないですか。

ところが、いまだに大手塾でも講師の好みなのか?「はじき」で速さを覚えさせたりしているところがあります。

そこの塾の子が全員ではないので、当たった講師の好みの問題なのかなーと思っています。

 

速さの単位換算なんかも同じです。

分速60メートルを時速何キロ、にしたときに、「時速1キロ!」とか答えちゃう子もいるわけですが(なぜか60を60で割る)、それって意味がわかっていないからだし、そもそも「意味を考えて単位を使う」っていう感覚もないからだと思います。

 

数字の感覚が持てれば、いやいや時速1キロっておかしいだろう、と気づくはずです。

先日も旅人算の答えで学校から家までの距離が15メートルと書いてきた子がいますが、「いやさ、あるかもしれないけど、これ分速60メートルの兄と分速80メートルの弟が学校と家をそれぞれ同時に出発していつ会うか、なのに15メートルっておかしくない?」と言うと「あ!たしかに」みたいな反応笑い泣き。それに自分で気づいてほしいわけです。

 

少し話がズレてしまいましたが、

そういう子は公式を公式として覚えようとしているので、速さの単元が終わったらすっかり忘れていて次にまた問題が出てきたときには「あ~速さって公式使うんだったよな~、なんだっけ」となるわけです。で、私などには堂々と

「公式忘れちゃったからできません!」と言う。。。。ゲローゲッソリ

 

公式の問題じゃなーい!!

 

速さの公式だけ覚えたとしても、速さの応用は解けないし、逆に正解から遠ざかる気がします。

 

食塩水もそうです。

 

いまどういう問題で、どういう意味なのか、何が起きているのか、考えて図にして解く。こういうことが偏差値40台前半で停滞、または偏差値40以下の子には足りないです。

 

もし、「はじき」等で速さをただ式だけ書いて解いていたら要注意だと思います。

 

速さなんて絵、図の一番の出番です。

 

意味がわかってくると、時間÷距離をしちゃうとかそういうことは無くなるはずです。だってあり得ないことに気づきますから。

速さも3年生だって全然理解できます。

3年生や4年生にお勧めなのはやはりサイパーシリーズ

 

 

 

ものすごく基本から説明されていて、しかもサイパーはどれも薄いので導入にぴったりです。

 

他にもある、偏差値40台の子のアルアルな特徴、また次回も書いてみたいと思います。