いつもお読みくださりありがとうございます。
中学受験した子たちもほぼほぼ、進路が決まってきました。
しかし昨年もこの時期まだ唯一受かった地方校(寮)にするか、地元公立にするか、で迷っていた子もいましたし、今年は私は担当はしていませんが同じ教室の子で全落ちの子もいました。全落ちには全落ちの理由があるのでそれはまた後日、なのですが今日は滑り止め含めて1校2校は受かったのに、主に親の希望で公立へ進学した、させた子の話を書きたいと思います。
すみません、長いです。お気を付けてお読みください。
なんでそんな話を書くのかというと、私は
受験したのなら、させたのなら、受かったのなら私立に行こうよ!派
だからです。そんな派があるのか知りませんけど
私の知る狭い範囲では、最近は「そんな偏差値の低い学校に行くくらいなら公立へ行って高校受験しろ!」みたいな理不尽な親はほとんど見当たらないのですが、それでも皆無ではないです。いろいろなパターンがありますが、私が知る中で良くない例の1位に挙げられるのは、数年前になりますが「滑り止め含めて複数受かったけれど、親のプライドを満たす学校じゃなかったから高校受験でのリベンジを強いた」という例です。
この子の場合は私からみたらかなり悲惨でした。
この子も実は私が直接教えていたわけではなく、教室にいた子です。しかももう高校生になっているので結果も出ています。
結果を先に言うと、中学受験では叶わなかった憧れ校(親の)は無理だったけど、そこそこ有名校(私立)には受かり親は大満足。本人も親が大喜びしたので嬉しさいっぱい!
しかし。。。1年またずに深海魚もいいところで、進級も危ぶまれる状態になっていきました。
深海魚になったことが「良くない」と言っているわけではありません。
実はその子は小3からサピックスへ通い、個別指導もつけ、勉強勉強で気が休まる暇のない日々を過ごしていたそうです。(その当時は知らないので本人の周りから聞いた話です。)
中学受験で2校ほどは受かったそうですが、親は「御三家か慶應か、早稲田か、マーチ附属以上(でもなるべくオシャレな響きの青山とかのほうが法政よりいいわ」という条件を変えずその子を公立中へ進学させました。
そこからは、また集団塾と個別指導のかけもち。数百万円以上は塾代につぎ込んでいたと思います。小学校時代から合わせたら1000万かるく超えてます!間違いなく。というくらい
中学生時代、疲れたその子は塾では授業中私語ばかりになったり、うつ状態になったり、精神的にも不安定になっていました。
ここでは書けないレベルのトラブルも家庭内、外で起こしています。完全にメンタル崩壊、突然自分を責めて髪を抜くなどの自傷的な行動に走ったり。。。
でも親は口では「子どものメンタルを心配している」と言うものの、とりあえず塾へ行かせて勉強を強いる。
傍で見ていても、隣りのブースで授業を私がしていたりすると私語が聞こえるので「この子、大丈夫かな」と思うような言動も多かったです。妄想?みたいな架空の話を先生にし続けたり。先生たちも彼女のメンタルを心配して無理強いしたり強くしかったりしなかったのですが、私は受け持っていない分「この子高校受験でも、目指してるようなところはどこも受からないのでは?」と思っていました。ブースでうるさくて、隣りの子からクレームが入ることもありましたし。
そこまで精神を追いつめてまでする受験勉強って意味ありますかね。
しかし、なんとか親のプライドがある程度満たされる私立に合格できました。
よく合格したなーというのが私の正直な感想でしたが、担当していた先生に伺うと「底力はあった」ということなのでメンタルは不安定だったけど本人はよく頑張っていたのだと思います。
でも合格するまで親のプレッシャーがすごかった(塾へも)のですが、その後合格してからは親が手のひら返しというか、「〇〇高校に受かったうちの子」という自信で鼻息荒く、とにかく有頂天でした。。。親が
実はその子には弟妹がいるのですが、合格したあとは本当に弟妹はほったらかしで
合格した上の子の入学者説明会に、保護者1人指定なのに夫婦で行って(1人は外で待っていたらしい)、その間小学生の弟妹は大雨の中一人で公共交通機関で通塾&留守番とかね・・・
上の子の学校の部活に夫婦で参加(本人が出るわけではないらしい)して、弟妹は公共交通機関で塾を往復。。。帰ったら留守番。。。。
とにかくちぐはぐで、手をかけるところが違うというか、ブランド志向な保護者でした。
とくにお母さまが。
そもそも中学受験で合格した学校に行かず、公立中へ行かせたのも「そんな名前の知られていない学校へ行かせるくらいなら、高校受験で有名私立(または場合によっては有名な公立名門高校)へ進学させる!」という母親の見栄だけだったと推察しています。(弟妹がしゃべってしまっているので、家庭内の会話もわかります。)
しかし、どんな学校であっても合格した学校は縁があった学校だと私は思っています。
何よりも、いろいろな我慢をして、勉強してきたわけです。小学生が何年間も。そのしんどさは、たぶん私の時代よりも何倍も大変だし、とくにその子の場合は辛い受験生生活だったと思います。
第一志望に受からなかったとしても、努力は無駄ではないのにそれを
「そんな学校」と親に言われる辛さ。
自分の努力が全否定されて、「私は「そんな学校」にしか受からなかったんんだ」と思うと思います。
そして、考えてみてください。小3,4から3年4年頑張ったのに、そこからそのまままた3年ですよ?そんなに勉強できますか?
大人だって7年も頑張れないですよ。
もし、本人が「私の努力が足りなかったな、よし、高校受験でリベンジしたい!」と思うなら別です。
でもそんな子、ほとんどいないですから。
地頭論にも関わることですけど、だいたいの子がそれぞれ「相応」のところに合格しています。
どうしても開成に行きたいから、公立っていう子は知っているのですがその子も私から見ていると「父の誘導と刷り込み」が大きいかなあと思うんですよね。受かった巣鴨でいいと思うんだけど。来年開成行けなかったらどうするんだろう、つぶれてしまわないかなあと思っています。
あとは客観的に考えても、高校受験はリスクが高すぎるし、実力だけではいかない面も多く、物理的にもまず募集している私立も少なすぎます。高校募集がないところも多いですし。
また、中学受験でなら偏差値30台から40台で入れる学校が高校受験になると(高校受験の偏差値で、ですので単純には比べられないのですが)偏差値65以上とか、定員がめちゃくちゃ少なかったり、各中学でもかなり上位の子しかそもそも受けないくらい「レベルの高い学校」になっていることがあります。
これ、本当にもったいない話だよなと思います。
その辺の話はまたそれだけで長くなるので別にするとして、元に戻しますと。
受かった学校に、気持ちよく進学させる。
これに尽きると私は思うのですが。
そのために、第一志望以外はすべて第二志望、という気持ちで、もちろん滑り止めはあるのですがそれはそれで「いいところ」を子どもに吹き込んでおく。親も心からいいところを見つける。
この努力が親には必要だと思っています。
私自身、個別指導塾において志望校が決まった子にはその子の滑り止め校も含めて「良い学校だよ」というイメージを持たせるようにしますし、そのうえで「どうせなら、複数受かって「選べる」という状態が嬉しいよね!だから全力で頑張ろう!」と声をかけるようにしています。
もし。。。。
受けたい学校の中で滑り止めがうまく見つからなかったり、そもそも第一志望以外行きたくないと受験前に考えているとしても。
私のおすすめの滑り止め校の見つけ方は
家から近い学校!
です。沿線マップで調べてください。
大事ですよ、距離。滑り止め校というのは正直なところ、受験勉強を始めたころは思い描いていたわけではない学校だったりするわけです。どうしても「ああ、あの学校へ行きたかったな」と憧れ校がよぎるわけです。
でも、自宅から近い学校へ通っていると、テスト期間でも、台風でも、雪でも、無いほうがいいことですが震災があっても、すぐ帰ってこれるわけです。朝も親子でゆっくり寝られる!
下手すると遠方の友達よりも毎日往復2時間くらい余裕を持てたりするわけです。それってすごいアドバンテージですよね。大学受験するにしても、附属で趣味や部活に打ち込むにしても。
そんなときに絶対、「あー、近くてよかったね」という風に思えるはずです。
我が家も、自宅から頑張れば徒歩、自転車なら余裕で行ける学校を最終滑り止め校として選んでいました。結果的に受けずに受験は終わりましたが、きちんと文化祭や学校見学へ行って調べておいて良かったと心から思っています。
ああ、また脱線してしまいましたが
また本題に戻しますと、とにかく子どもが頑張った成果として、合格した学校に気持ちよく進学できるマインドを親子で持てるよう長い受験期を過ごしてほしいと強く思っています。
なので「うちは公立中高一貫校しか考えていません」というご家庭は、申し訳ないのですが、私はあまり共感できません
あまりに、博打、あまりにリスキーです。しかも公立中高一貫校だってある程度のお金はかかるし、そこそこ裕福な家庭も多いようなので「お金がないから」というのもリスキーです。子どもが劣等感を持つ可能性があります。
息子の同級生にも、公立中高一貫校志望の子がいて、内申点も申し分ないはずだし、受かってよさそうな子でしたが2人とも落ちていました。ちゃんと併願の私立に進学していましたが。1つは鴎友でしたので、学力は十分だったはずです。
それでも落ちるのが公立中高一貫校です。そんな運だめしのために、わが子の数年間を使うのかなと思ってしまいます。
子どもですから、まだ。
頑張ったら合格、進学というご褒美が欲しいですよね。
今年の私の受け持ちの子の中で、結果として滑り止め校に進学になった子がいましたが、ご両親が素晴らしかったです。
サポートの段階から素敵な印象を持っていましたが、合格と進学の報告に来てくださったときに、本人もニコニコ笑顔、進学先で入りたいクラブと、海外研修を楽しみにしている、先生ありがとう、というお手紙を私にもくれました。
「娘の頑張った成果で、きっとご縁があったんです、合格してとても嬉しいです」と仰ってくださったご両親には頭が下がりました。第一志望に合格させてあげられなかったことで、内心は「もっとできたことがあったのではないか」と毎回私は思うのですが、そう言っていただけると私も「彼女の頑張り、努力は絶対に今後生きていくと思います。自信を持って進学してください!」とお伝えすることができます。
最初のワースト1の親の話に戻りますが、(脱線しすぎですみません)
実は私が一番ゾッとしたのには、続きがあるのです。
ワーストにした理由は、本人のメンタルが崩壊したとか、今深海魚だとか、親がブランド志向だとか、そういうことじゃないんです。
弟妹がいる、と書きましたよね?
その弟妹ちゃんたちを長く私は担当しているのですが、あるとき、
「先生、私たちさ(僕たちさ)、物心ついたときからずーっと家が受験勉強なんだよ」と疲れ切った顔で言ったのです。上の子との年の差を考えるとなるほど、彼らが4歳5歳になったころには上が中学受験勉強を始めていて、家庭がそれ中心。終わると思ったらそのまま高校受験へ上が突入。しかも超思い空気で。
それが終わったと思ったら今度は自分たちが受験勉強本格化。
たしかに、家庭内で受験に塾に縛られずに過ごす空気がなかったでしょうね。(あの親だし)
その言葉を言われたとき、私はとてもショックでした。
ガーンという音が頭に響きました。
「そっか・・・」しか言ってあげられなかった。
たしかに、年の差とか兄弟数が多いとずーっとってこともあるとは思います。
でも、この家庭の場合は必要なかったんだろうし、少なくとも下の子には負担だったんだと思います。
兄弟姉妹で屈託なく遊んだり、受験に縛られずに旅行を楽しんだり、そういう経験が無いのです。
中学受験て難しいけど、やはり親って重要だなと改めて思いました。
実は現在その弟妹は、これまたかなりの難関校一択
ゾッとします。
親が懲りてない。。。。全然偏差値足りてない。。。。やる気も本人たちない。。。
私は必死で担当社員たちに「それは危険」もっといろんな学校見学させて!と訴えて、伝えていますが親は聞く耳なし。
親との接触や交渉は基本的には担当社員の仕事ですので、私は社員に言うだけになります。
もし、そこに受からなかったらまた公立へ行かせるのでしょうか。
もうやめてあげてほしい、と思っています。
もちろん、受かるように頑張ってほしいですしこちらはやるべきことをやりますが、なにせ本人が全然やる気ないのでね。
授業にならないときもあり、なだめたり、すかしたり、怒ったり、あの手この手で教えています。
それもメンタルが崩れてるからだと思うんですよね。。。。
長々とすみませんでした。
しかし、保護者の方の姿勢、本人だけでなく弟妹にも悪影響を及ぼすので本当に気を付けてほしいなと思います。
あ、私自身も何度も書きますが全然ダメです。棚に上げて書いております
ではこのへんで。
中受を辞めて、または受かったけど公立へ行った子のほかのエピソード話はまた続きは明日か明後日にでも書きたいと思います。