原田ひ香「老人ホテル」
【文庫版あらすじ】
埼玉県の大家族で育った日村天使は、生活保護を受け自堕落な生活を送ってきた。
大家族ファミリーとしてテレビにも出ていたが、16歳で家を出て、大宮のキャバクラ「マヤカシ」に勤める。そこでビルのオーナー綾小路光子と知り合った。
数年後、訳あり老人が長逗留する古びたビジネスホテルにひっそりと暮らす光子と再会する。
天使は、投資家だという光子の指南で、極貧人生から抜け出そうと、生きるノウハウを学ぶことになるが……。
【Audible版あらすじ】
大家族で生まれ育ち、高校を中退してキャバ嬢をしていた天使(えんじぇる、本名)は、裕福な老人、光子の住むホテルで働き始める。
長期滞在する孤独な老人たちが住むホテルで、光子に、天使は生きる術を教えてほしいと願い出る――。
蓄財のノウハウを伝授され、天使の生活は少しずつ変わり始めるが、やがて世代が違うふたりの持つ過去と秘密が明らかになって――?
Audibleにて
再生時間 7時間51分
ナレーション 梶山はる香さん
声の使い分けがとても上手でした。
天使の母親がアパートの前に現れた時、
ひと声聞いただけで「お母さんだ!」とわかったので、すごいです。
あらすじが微妙に違うので両方載せてみましたが
どちらも微妙に違うような…。
前半は、ホテルに住む老人たちと
同僚の山田さんとの話。
中盤は天使が育って来た大家族の話。
後半は光子から指南を受ける投資の話、
という感じでした。
お題が3つあるせいで、どれも散漫になった気が…![]()
「老人ホテル」という舞台が面白かったのですが、生かせず。
大家族の話は、悲惨ではあるけれど、興味深かったです。
むか~しは、もっと大家族が多くて
いろいろな家庭をテレビで放送していたけれど
子供達は実は大変だったんだろうなぁ…。
私は「老人ホテル」という題材が面白そう、
と読み始めたのですが、
主人公・天使が結構ひどいヤツ
(目的のために手段選ばず←結局行動力はなかったが)で
なんだかげんなりして、
読むのをやめそうになりました![]()
天使が大家族のことを語り出してからは、
面白かったです。
Audibleで聞いていると字がわからないのですが、
他の兄弟姉妹たちは、名前がどんな漢字だったのか気になります。
(特にラファエルとかガブリエルとか…)
後半の投資の話は、特に参考にならなかったです。
ラストは賛否あるみたいですが、
天使の最初の印象と変わらなかったので
「人の性根はそう簡単に変わらないんだな」
と私は思いました。
原田ひ香さんは、最初はお料理のお話から知ったので
ほんわかとした食べ物のお話を書かれているのかと思っていましたが、
「三千円の使い方」を読んだ頃に
何かのインタビューで
「これから売れる本を書くには何がいいか、と考え
『お金に関する話』がいいと思い、
そのテーマに絞った」
的なことを仰っていて
(うろ覚えですみません
そのインタビューを探してみましたが見つからず)
結構打算的なのだな、と思いました。
原田さんのお話は人間がリアルなのがいいのですが、
こちらが体調が悪い時には
あまり気分がよくなかったりしますね![]()
(現在、原田さんの他の作品を読み始めているのですが
そんな理由で停滞しています)


