小さい頃読んだ本のお話。
有名なケーキやさんのウィンドウガラスが割れて、いあわせた明と光一が犯人にされてしまう。
そこで子どもたちは立ちあがった…。
「おとなは なんでぼくたちのいうことをしんじないの?」
身に覚えのない罪をきせられたことから、子どもたちは町一番のケーキ屋さんに戦いをいどみます。
日本児童文学の歴史に残る超ロングセラー。
この本を思い出したのは、エクレアを食べたからです。
エクレアの語源を、この本を読んで初めて知りました。
エクレアはフランス語エクレールで、もとの意味は電光、稲妻をいう。
この形のシュークリームは食べにくいので、電光のように素早く口に入れるものという意味から、この名がついている。
小さい頃読んだ時は、美味しそうなお菓子だけに魅せられて
(私の子供の頃は、まだまだ洋菓子が高級品だったので。
今ではコンビニでも手軽に買えますよね)
後半はあまりお菓子が出て来ないのが不満でした
でも今大人になってみると、すごくいい児童小説だと思うんですよね。
町一番の高級洋菓子店として有名な金泉堂。
町の子供達はみんなそこのお菓子が大好き。
大人たちはそのお菓子を交換条件にして、子供に言うことを聞かせたりしていました。
金泉堂のショーウィンドーには、洋菓子の材料で作られたお菓子の城が飾られていました。
ある日、たまたまそこにいた光一と明の目の前でウィンドーが割れ、二人は金泉堂の店員やオーナーに犯人だと決めつけられてしまいます。
悔しくてたまらない光一はお菓子の城を盗み出す計画を立てます。
計画は成功し、子供達はお菓子の城を担いで逃げます。
しかし全く追手が来ない…しかもお菓子の城は食べられない偽物だった!
金泉堂へ戻ってみると、ショーウィンドーにはお菓子の城がいつも通り飾られていました。
オーナーは二人の計画に気付き、知らないふりをして偽のお菓子の城を盗ませて、それを宣伝に利用したのです。
🎈🎈🎈
このオーナーは、子供達をうまくあしらったつもりなんでしょうね。
しかしそれは大間違いでした。
毎日売り切れていた金泉堂のお菓子が、売れ残るようになったのです。
それは、子供達が金泉堂のお菓子を食べなくなったからです。
光一たちの受けた仕打ちは、学校新聞で他の子供達に知らされました。
子供達は怒ったのです。
子供達は、大人たちの
「金泉堂のお菓子を買ってあげるから、〇〇しなさい」
という取引に応じなくなりました。
そしてショーウィンドーのガラスが割れたのは、ダンプカーが小石を刎ねたせいだとわかりました。
お菓子が売れなくなり、
金泉堂はとうとう子供達に頭を下げることになりました。
この戦争に、子供達が勝ったのです。
金泉堂のオーナーはお店が繁盛したせいで、
お菓子は誰を喜ばせるためのものなのか
忘れてしまっていたのですね。
「おとなは なんでぼくたちのいうことをしんじないの?」
子供の頃に好きだった本を読み返すと、
この頃の気持ちを忘れないでいよう、
と思います。
明と光一の無実を信じた、桜井先生のように。