- 幾千の夜、昨日の月/角田 光代
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- 内容(「BOOK」データベースより)
- 初めて足を踏み入れた異国の日暮れ、夢中で友と語り明かした夏の林間学校、終電後ひと目逢いたくて飛ばすタクシー、消灯後の母の病室…夜という時間は、私たちに気づかせる。自分が何も持っていなくて、ひとりぼっちであることを―。記憶のなかにぽつんと灯る忘れがたいひとときを描いた名エッセイ。
いくつもの夜についての話です。
異国への一人旅の話や泥酔した話が多くあり、勝手にではありますが作品から想像してい角田さんとの隔たりの大きさに、少し驚きました。
ですが、これが人間の奥深さ、面白さなのだと、もちろん前向きに受け止めていますw
自分はビビリ症であると何度か書かれていますが、この本を読んで、角田さんがビビリ症であると思った人はいないと思います。
ビビリ症の人は、その日の宿も決めずに女の一人旅はしません。(断言)
垣間見せてくれた数回の夜の話だけでも興味深く読ませていただけましたので、まだまだ引き出しにしまってあるものは沢山あるのでしょう。
これからの作品もさらに楽しみになってきました。
旅の話を含んだエッセイはそれ自体が小説のようで大好きです。
村上春樹さんの『遠い太鼓』を読んだ時の気持ちが思い出されました。
だれしも幾千もの夜を経験していても、本当に覚えている夜は本当に少ないものでしょう。
だからこそ、
さらさらとこぼれ落ちていった幾千もの記憶からその手に残ったものを拾い集めたなら、本当はだれでも1冊くらいは本が書けるかもしれませんね。