ネットニュースで見たのですが、フェスで

星野源さんが、「こういうのやめませんか?」

と観客に言ったもの。

いわゆる日本のライブ会場に多い、手を上げて

それを前後に揺らす式のレスポンス。

それが見ていて気持ち悪いと感じるとか。

 

これには賛否両論あったようです。

 

ミッツ・マングローブさんも自身の連載でこれを

取り上げていました。

彼女は観客側と演者側、両方を知る立場として

星野さん発言の勇気も認めるけどこれはこれで

日本人らしいと言っています。

 

海外のように「自由なノリ」が苦手でシャイな

日本人は、「好きにして」と言われても人前で

は難しくて、それよりみんなが同じ動きやお約束

があったほうが安心していられるし、楽しめるし

そういう方が国民性にしっくりくる、というもの。

みんなと同じ行動をとるのは同調圧力と見る人も

いるのですが、ミッツさんは社会心理学的な

知見も入れながら、集団や社会性を重要視する

アジア系民族の特徴からして、悪いものでは

ないと論じていました。

 

私も実は日本人のライブに行くようになるまで

このノリをしたことがありませんでした。

正確に言うと、多分岡村靖幸さんのライブ参戦

あたりだと思います。

でも岡村ちゃんの場合はむしろ曲によってお約束

が違っていて、またここのフレーズでこのサイン

みたいなものがありました。

なので本格的に手を前後する式を体験したのは

実はindigoのライブだったということになります。

 

彼らのライブに初めて行った時の衝撃。

ロック調の楽曲は少なく、静かに聴く系が

多いとはいえ、若者ばかりの観客がほぼ棒立ち。

コロナ前でも声を出すコール&レスポンスも、

みんなで合唱もなかった。

唯一観客が自ら発するのがこの手の動き。

今では何とも思わなくなりましたが、「なんだこれは?」

と正直には思いました。

 

でもこれをうまく利用したのが、indigo側で、腕に

付けるバングル状のペンライトを導入しました。

あの動きには実にぴったりのグッズですし、ただの

手を前後より、会場の雰囲気も華やぐし、綺麗です。

こういうのを見ると一見つまらないノリも工夫次第

で会場の雰囲気作りに役立ちますよね。

 

その点でもっと有名なのが、ペンライト。

一般的なバンドやロックコンサートではこぶしを

あげたり、タオルを回したりするのでしょうが、私は

あれは苦手です。

女性がしやすいレスポンスでもない。

 

ペンラはアイドル系からの派生だと思いますが、

あれも最初は抵抗だらけでした。

みんなが同じリズムで振るのを見て、なんかダサい

乗り方だと思いました。

でも今は、曲によって多少お約束の振りがあったり、

まあ、あの振り方もその現場の文化と思えばいいか、

と思ってますけど。

 

で、今は「バンド」色が濃いものでない場合、

ペンラを導入するライブもアイドル外にも増えま

した。

めいちゃん現場などでは、あのアイドル現場のよう

な振り方にはならなくて、私は一番しっくりきます。

 

このペンラを使った演出(色を変える、あるいは

会場側で演出として色を変えられるものもある)

でこれも一体感を生む要素のひとつに使われる。

 

日本独特なノリや盛り上がり方も工夫次第で

いいものになりますよね。

 

まあ、いろんな人のファンが集まるフェスでは

違和感を感じる人もいるでしょう。

それも日本のフェスが苦手な理由かもしれないな。

私にとっては。

もともと、日本の曲が嫌いというより、独特な

会場のノリが嫌で洋楽しか行かなかった人ですから。

 

「自由にノッテて」

と言われると逆に困ってしまう人がいるのも事実。

私はそこの現場のルールに従いつつも、フリー

でできる部分は勝手に踊ってます。

しかしみんなが好き勝手にノルタイプじゃない会場

であんまり自由にやると悪目立ちし、周囲の視界の

さまたげになってひんしゅく買います。

だからやっぱりほどほど、迷惑にならない範囲で

好きに体を揺らすくらいが正解な気がします。