医学部は少し特殊だと思うのです。

大学受験そのものが、医師という職業を手にする関門になる。

いくら探しても他に医師になる方法がないのです。

小学生の頃から「お医者さんになりたい」という子はたくさんいるでしょう。

そのときは深く考えていないでしょうけれど、だんだん現実が近づいてくる。お医者さんになるためには、かなり高い壁をこえないといけないと気づくときがくるのです。

こういうときの「高い壁」というのは、一部の人間にはまあまあ高い程度ですが、多くの人間には結構高い壁で、逆の意味で一部の人間には気が遠くなるほどの高い壁なのです。

きっかけは親の希望か本人の希望かわかりませんが、いま現在、「医学部に行きたい!」と熱望している方は多いでしょう。

批判を覚悟のうえで私見を言いますと、

「難関中学を狙ってください。圧倒的に有利です」

まず、周りに医学部志望の子がいるというのは強い。夢物語ではなく現実がそこかしこにいるわけですから、射程距離がわかるわけですね。

「あの子でもこうなんだから、私ならこう…」

頑張る目安がある方が強いと思うのです。

次に、医学部は情報不足ではなかなか厳しい。予備校に行けば情報を得られるでしょ?と思ってしまいそうですが、いやいや、そういうものでもないのです。

「イチぬ~けた」

誰が抜けたと思います?

指定校推薦がこっそり抜けます。

「え?え?え? 三者面談のときに先生から何も聞かされなかったのに…」

医学部の指定校推薦は待ち受けるものではありません。

「え?え?え? ふつーに共通テスト頑張るって言ってたのに。推薦を考えているなんて言ってなかったのに」

医学部の指定校推薦は騙し合いが基本です。


「ニイぬ~けた」

共通テストを利用した様々な選抜方式があり、そこで抜けてしまうのです。

ここからが本当の闘い。もう友達もくそもない。

意外なことに、いや、私が無知だっただけかもしれませんが、医学部がダメなら歯学部・薬学部・看護学部という受験生が少ない。

どーーーーしても、医学部に行きたい!

白衣を着たい!着たい!着たい!

飛行機で急病人が出た。

「医師の方はおられませんかー!」とCAさんが叫ぶ。

すっと立ち上がる。

やってみたい!やってみたい!手をあげたい!

そうしてのたうち回る受験生がたくさんいるのです。


そりゃそうかあ…、お医者さんになるのはこの方法しかないと言われるとそうなるよね。

そんな医学部に行きたい話、また今度。

 

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2024年2月15日

桜井信一