有名な中高一貫校にお子さんを通わせている方が知人にいましてね、ちょこちょこ相談してきてくださるんです。
ネットで調べても不確かなことってありますよね。ほら、例えば寄付金のこととか。
今回はもっと現場の中の話で、女子高校生の誕プレ事情についての相談でした。なるほど、そういえば当時うちも誰かに相談したかった話だわと。
公立小学校からいきなり私立の中高一貫校に変わるわけですから、まるで勝手がわからないんですよね。小学生のときに、「お友達の誕プレ買うからお小遣いちょうだい」なんて言ってきたことがありません。
そもそも小学生のときは、「友達」に「お」はついていません。「誕プレ」なんて言葉も聞いたことがありませんでした。
ところが、中高一貫校に入ると周りに合わせなくてはいけなくなる。ここが難しいわけです。
周りに合わせるといっても、全員がそうじゃないと思うのです。子どもがお付き合いしているお友達だけが特別派手なのではないかとか考えてしまうわけですね。
でも、親から見ても『このままお友達でいてほしい』と思っている子たちとの間での誕プレという慣習だとすると、却下もしづらい。どう判断していいか困ってしまうのです。
さて、ここまで読んで女子高生の誕プレ事情、どの程度と想像しましたか?
この派手さなのです。
1千円コース…お菓子,ハンドクリーム,ラッシュのバスボム
3千円コース…デパコスのリップ,ジルスチュアートのコンパクトミラー
5千円コース…デパコスのアイシャドウ、冬は手袋
1万円コース…香水,パスケース
他にもレパートリーはたくさんあるのですが、パッと思い浮かべただけでこんな感じ。
お父さんがたはラッシュのバスボムなんて知らないでしょ?
こういうのです。
(リンクさせていません)
ジルスチュアートのコンパクトミラーも知らないでしょ?
こういうキラキラしたものです。
(リンクさせていません)
おいおい! トー横キッズにならないかって?
古い!とっても古い!
とにかくお金がかかるのです。しかし、アルバイトをしろとはいえない。
「友達をたくさんつくって楽しい学校生活を過ごしてね」という当初の願いは消し飛びますよね。
「いっそのこと、ピンで過ごせ!」となりそうです。
ところが、友達だけではすまないことがあるのです。
「女子校病」という保険適用外の病気です。
先輩への憧れが行き過ぎて、恋に近い状況になるんです。とっても心配になるのですが、ここは親が口を出すことではないと思い、ひたすら熱が冷めるのを待つ。寝ている間にこっそり冷えピタを貼ったりするわけです。
ここにも誕プレ問題があるわけですね。
先輩への誕プレの傾向は、「大きさ」にこだわるようになること。
デパコスのリップのようなものを後輩が渡すのはちょっぴり生意気ですよね。そこで大きさで勝負するようになるというわけ。
まあ、ぬいぐるみになりますよね。
まあ、等身大になりますよね。
当然、ミッキーじゃないですよね。
クマの等身大となると自分より大きいので電車の席を2つ使いますよね。
というお芋な発想に女子高生はなりません。
運動部で頑張っている先輩へは、ネーム入りタオル。
そのタオルで汗を拭いているところを想像して「きゃー!」
そういう傾向になるのです。
話を戻して、仲のいい友達が数人いると、誕プレの交換だけで結構な金額になります。
そこで、相談がきたというわけです。
「子どもが3千円の予算で誕プレを買うというんだけど、それを続けていたら年間凄いことになるんじゃないかと。ふつう?それとも行き過ぎ?」
こういう正解がない質問だから相談してくるわけなのですが、「うちはその道を通りました」としか言えないんですよね。
もちろんそういうこととは無縁の子もたくさんいるはず。でもうちの子はその道を通った。
いままさに中高一貫校を目指して頑張っている皆さん。
なかに入ると、考えてもみなかったことがたくさんあります。
授業料以外にたくさん必要なのかなあなんて余計な心配しないで、まずなんとかもぐりこみ、その悩みを経験することです。
そこにまた新しい価値観が生まれ、自律ってなんだろうかということを考える機会がきます。
中高一貫校って、ここがまたいいんですよね~。だから頑張っていきましょうよ。
ところで・・・、
最近、旦那様または奥様から誕プレありました?
なに! 誕プレないどころか何月何日か忘れた?
え? 確かわたしの誕生日はないはずって?
残念ながら、誕生日がなくても歳は重ねます。悪あがきはやめましょう。
2023年4月14日
桜井信一