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俺たちの子育て/第二反抗期は子どものチャンスを台無しにする

~まえがき~

反抗期は成長の証。思春期の子どもに反抗期があるのは当然、必然のことだと子育て本には書いてあります。その常識に私は声を大にして反論します。

「反抗期は決して当然ではない」

わが子の反抗期を経験した親の言い訳だとも思っています。自分の子育てを肯定するために後輩を巻き込むなと言いたい。先輩が書いた子育て本を真に受け、反抗期に疑問を持つことなく子育てをしてしまうどころか、反抗期が来て喜んでしまう親までいるという平成のギャグ。

新米夫婦だった私たちは、子どもを育てるにあたり次の2つの常識に疑問を持っていました。避ける方法があるのではないかと思っていたのです。答えがあればそんな子育てを目指したいと考えていました。よく意見が食い違う中で珍しく夫婦共通の方針だったのです。

・小さな子どもは泣き叫ぶのが仕事
・第二反抗期は子どもが自立してきた証拠

この2つには逆があるために私たちは疑問を持ったのです。何が違うのだろうかと。

家の中であれ、外であれ、泣き出したら止まらない子どもをよく見かけます。大泣きして母親を育児ノイローゼになるまで疲弊させることもある。周囲に迷惑をかけるために母親はつい外出を控えてしまう。外では放置できないけれど、家の中では放置することもできる。放置すると余計に泣き叫ぶという悪循環。

ところが、よく見聞きするこのケースとはまったく無縁の親子が実在する。この違いは何なんだと。生まれてくる子の性格によるものだと諦めて良いものだろうか。運のようなものなのだろうか。もし、ノウハウがあるのなら教えてほしい――。

第二反抗期についても同じ。これはもうお約束のようなもの。どの子育て本を見ても第二反抗期を否定していないのです。子どもがアイデンティティを確立するために必要だとも書かれている。小さな子どもが大泣きするのとは違い、こちらは自分の記憶がある。自分が親に反抗したときのことを何となく覚えているのです。どうして反抗したかったのだろう。そして第二反抗期は、その時期に訪れる様々なチャンスを台無しにしていることが多いのではないだろうか。

第二反抗期とは無縁の親子がいる。偶然か、それとも何か方法があるのだろうか。親しい知人の中には前例がなく本当のところを知ることができない。親しくしていない人に聞いても建て前ばかりだろう。結局、子育て本しか頼るものがない。でもそこには答えがない。書いた人の子どもにも第二反抗期があったのだろう。だから肯定することになる。求める教科書がない中で、私たち夫婦は自分たちの考えを信じて第二反抗期を避ける子育てを目指したのです。

結論から言うと、うちの娘は第二反抗期がありませんでした。

既に高校2年生になりますから、今頃第二反抗期が来ても、「デビュー、遅くね?」と一蹴することになるでしょう。つまり、このまま第二反抗期を経験せずに大人になることになりそうです。

うちはたまたまうまくいって良かったと思っていました。ところが、偶然ではないことに気付き始めたのです。私たち夫婦が試行錯誤しながら実践してきた子育てを、当たり前のように実践している親や、無意識のうちに実践している親の存在を知りました。これこそ、「必然」ではないかと思ったのです。

驚くことに、娘のクラスメートや出版を機に出会ったお子さんの中には、第二反抗期を知らない子が珍しくありません。親もそれが当然だと言わんばかりにケロッとしているのです。もちろん第二反抗期のお手本のような子もいます。やっとからくりが見えてきました。今までぼんやりとしていたものが、はっきりと見えてきたのです。――そんな今だから断言します。

「第二反抗期は避けることができる」

そして、避けるべきだとも思っています。また、多くの人が持つ「反抗しない子は親の言いなりで従順な子」というイメージや副作用が、大きな誤解であることを知ってほしいと思っています。

これを書くのはずいぶん迷いがありました。私の本やblogを読んでくださっている方々の多くは、既に幼少期の大泣きや第二反抗期を避けるタイミングにありません。今さら読んでも反省という位置づけになるのなら、癪に障るだけかもしれません。

しかし、子どもたちはそんなに遠くない未来に「親」という立場になるでしょう。そのとき、大泣きや第二反抗期を成長の証だと信じたまま子育てをしてしまうかもしれません。間違った常識は、残念なことに延々と繰り返されるでしょう。

どうしてそうなってしまうのでしょうか。どうして正解が見えてこないのか。

中学受験が良い例です。呆れてしまうほどの努力をしている親は、実はたくさんいたのです。ところがまるで見えてこない。日本人の文化の中に「奥ゆかしさ」というものがあり、「ひけらかす」ことを恥と考える習慣がある以上、何も見えてこないのです。本当に知りたいことは奥ゆかしさと共に隠れてしまう。そんな経験もあり、色々と悩んだ結果、人の勧めもあって書いてみることにしたのです。


これは、なが~い、子育ての話。事はそんなに単純ではないのです。まずはわが家の子育てを聞いていただきましょう。

本題はここからです。

2017.9.25

桜井信一

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