【お知らせ】
『桜井信一の最難関算数教室』発売中です。
私の実家は、勉強こそ関心がなかったのですが、しきたりみたいなものがうるさかったのです。
敷居は踏むなとか、餅つきはこの日とか…。
暦にもうるさかった。
子どもの頃はそんな決まりが面倒臭くて嫌だったのですが、中学受験の勉強していたときに得をしたことがあるのです。
カレンダーに強いというのは結構得をするのです。
日暦算とか数列とかデジタル時計の問題などで出てくる60進法とか、様々な場面で大活躍します。
「今日は1年のおへそ。シャキッとせいよ」と母が言う。
「ほーい」気のない返事をする私。
1年のちょうど真ん中の日を、わが家では「1年のおへそ」と言って、折り返し地点の大事な日としていたのです。
それは、7月2日です。
365は奇数ですから、真ん中の日が存在します。
7月2日の前と後ろに182日ずつあるわけです。
暦にうるさい家で育った私はそんなの常識だった。
七夕や夏休みは1年の後半にあるとはっきり認識していたのです。
なんと「おへそ」が中学受験の問題集に登場したのです。
「1年のちょうど真ん中に日はいつか?」
この問題は下剋上算数 難関校受験編にも出ています。
初めてこの問題を見たときはびっくりしました。
「え? これ算数?」
娘も「7月2日じゃないの?」と即答しました。
親に教わったあの面倒な決まりの数々を、自分が親になった途端子どもに教えている始末。身勝手な親です。
解説を見ると、31+28+・・・という感じで1月から順に日数計算をして7で割ってあまりを出しているわけです。
「は?は?は? おへそ知らない子いるの?」
こんなの役に立つと思わなかった。
ところがこれを知っていればかなり有利なのです。
例えば、
「今日は1月5日(木)、7月10日は何曜日でしょう」
これもわが家では楽勝なのです。
「元旦」と「おへそ」と「大晦日」はすべて同じ曜日というのはわが家では常識。
暦に強いと、7ずつ増える数列は暗算で解けてしまうのです。
また、30や31で次に移動するカレンダーは、60進法とよく似ています。
これも楽勝なのです。
暦は大昔の人々の様々な知恵と月や太陽という神秘的なものからきているだけあって、たくさんの秘密が隠されています。
横浜の住宅展示場(ハウスクエア横浜)での講演会でも、6月6日に始める芸事についてお話をさせていただきました。
桜井家は暦にうるさいのです。
めんどっちい家だなあ~
私の子どもの頃と同じことを言っています。
ちなみに、今日は「重陽」と言いまして、とても良い日です。
桜井家では菊を飾ります。
確かにめんどっちい…。
2017.9.9
桜井信一