【お知らせ】
『桜井信一の最難関算数教室』が7月28日発売開始となりました。
子どもというのはたくさん食べるなあと思いながら、それもまた親のやりがいのように感じ特に大きな疑問を持つことなく育ててきた。
気が付くと子どもは高校生になった。
部活を頑張る普通の高校生。
高校受験を終え今が青春なのだろう。
青春させるのも大変だ、親業は大変。
お弁当もタダでは作れない。
部活のユニフォーム代だってうちにとっては高額。
さて、困ったことになった。
高校を出ると普通は大学へ行く。
国立大学は安いというけれど、入学金と初年度の学費は決して小さなお金ではない。
わずかなお金だと思う家は、きっとお金持ちか、今までたくさんの教育費をかけてきた家だろう。
普通に考えてこの額は大きい。
それでも検討できるならまだマシ。
国立大学は誰でも行けるわけじゃない。
ある程度、あたまが必要ってわけだ。
子どもが通う高校にも国立大学に行く子は数人いるらしい。
でもそれはごくごく一部のあたまのいい子の話で、周りにそんな子はいない。
しかも家から通える国立大学となると奇跡のような話らしい。
ということは仕送りが必要だから国立だからといって安くはないということになる。
なあんだ…とため息しか出ない。
よく考えるとため息の必要なんてない、国立大学はあたまがいるわけだから。
うちの場合、選択肢には私立大学しかない。
私立の入学金と初年度の学費を見て現実的じゃないと思った。
世帯収入に余裕なんて見当たらない、そりゃたまにレジャーも楽しんだけれど、贅沢と非難されるほどじゃないと思う。
いま思いつく道は2つ。
奨学金を借りて大学に行く道。
別に珍しいことではなく高校の先生も勧めてくれている。
もう1つの道は高校を出て就職する道。
いまどき高卒だなんて、親は何を考えているんだと思われやしないだろうか。
それよりも本人が問題だ。
まさかもうすぐ大人になるなんて想像もしていないだろう。
バイトはしたいと言っているが、まさか本格的に働くとは思っていないだろう。
やっぱり奨学金か…。
すると社会人になる頃には数百万の借金になる。
借金がなかった私たちでも大変だったのに、数百万の借金を背負って大丈夫だろうか。
本人の意見を聞くことにした。
大学で頑張ってバイトすると言う。
そりゃそう言うだろう。
今どきの大学生はみんなバイトくらいはしているだろうが、それは遊ぶ金のためにやっているのではないのか、借金を少しでも少なくするためにバイトする大学生ってそこまで多く周りにいるだろうか、そういうムードだろうか。
親が学費を出している大学生もいるなかで、歩幅や歩調が合うだろうか。
苦虫を噛み潰したような顔ばかりする運命にならないだろうか。
ネットの意見をみると、奨学金を借りてまで大学に行くのは無謀だと言う意見と、高卒では後々苦労するという意見とがある。
大学にもよるだろうし、稀な例を言い出すとキリがない。
しかも、意見を言う者が今どういう生活をしているかにもよるだろう、今の自分の状況によって意見は変わるだろうから。
どちらも困った話で、ため息しか出ない。
このタイミングで悩むこと自体がナンセンス。
分岐点はもっと手前にあったのではないか。
だんだん仕組みがわかってきたぞ。
子どもが小学生のうちに勉強させようぜ!
2017.8.24
桜井信一