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同じHNの方からのご相談がありましたのでこちらで変更させていただいております。

お名前:チェリー
件名:声かけ
本文:5年生の頃より様々なことを参考にして下剋上を目指しています。

四谷大塚偏差値61、6年女子の母です。

桜井さんは、お嬢さんにあの手この手と話題を面白おかしく話されたようですが、そのネタはどうやって考え出すのでしょうか?

またどうしたらユーモアをもって子供と接することができるでしょうか。

娘は、最近学校がつまらなくて学校に行くのがストレスになっていて、さらに自己主張が激しい子供です。

虫の居所が悪いと怒るので、話しかけるタイミングも内容も気をつけているつもりです。

気分がのっている時はいいのですが、だらけているときはなんと言えばいいのか、口を開けば逆効果な言葉しか出てこなさそうなので、黙ってしまいます。

どう声をかければやる気がでるのか、うまくできたところや学校説明会の話などいろいろいっているのですが、いつも同じような話でこのところネタ切れです。

やはりうまくコントロールして、お嬢さんはだらけているときはなかったのでしょうか?

自分は放任されて育ち、勉強をしてこなかったし、勉強について親から声をかけられた記憶がありません。四角い人間でユーモアもありません。人生経験もそんなに豊富ではありません。

どのようなことを参考にしていましたか?

頭に思い浮かぶのでしょうか?

初歩的なことかもしれませんが、すみません、よろしくお願いします。



どんなテキストかは、『桜井信一の最難関算数教室』予約開始をご覧ください。





チェリー様、はじめまして。

ネタはどこから? なんてご質問が飛んでくるとは思っていませんでした。

確か講演会などでもなかったような。


受験勉強って正直キツイじゃないですか。

うちの場合は、「辛い」はちょっと違いましたが「キツイ」って感じでした。

勉強は出来るようになる過程がかなり楽しい。

しかし簡単にはいかなくて体力的にも精神的にもかなりキツイわけです。

小学生がこんなにキツイ毎日ではギブアップしてしまいますから、娘が楽しくなるように「多少」は言葉を選んだり演出したりしましたが、生来私はそういう人間だと思います。


大卒にしか出せないものもあるじゃないですか。

風格とか自信とか教養とか。

中卒しか出せないものもあるわけです。

デメリットだらけの中に少しくらいメリットありますよね。


ところで、優秀な子は静かな家で暮らしているケースが多いと思います。

だって親がふざけてないでしょう?

ネタみたいな人生じゃないはずだからそこまで笑えませんよね。

母親が突然三つ編みしてキッチンに立ったりしていないでしょう?

それが普通なのです。

父親だってそう。

普段は三浦友和のようなお父さんで、子どもをリラックスさせたいときだけ出川哲朗になってというわけにいかない。

総合点でどちらが良いかを選んだ結果なのだと思いますよ。

容姿の話じゃないですよ、騒音の話。



静かな家で育った子が大きくなってまた静かな家族を持つ。

それが普通と思っているから受け継がれていくのでしょう。

逆にうちの子は心配。

真面目な人と家族を持って静かに暮らせるだろうかと、そんな慣れない暮らしに耐えられるのだろうかと。

ふざけた大人と結婚してほしくないのなら、静かな家で育つ方がいいのかもしれません。

しかし受験勉強はキツイから、何とか和らげてやりたい。

でもそこだけ演出しても空振りになると思いますよ。

もうこれはそういう生き方を選んだと思って良いのではないでしょうか。

正解なんだと思いますよ。

中学受験をさせることができる家であり、偏差値が61も出せる家である。

お金も偏差値も悩まなければいけなかったわが家からするとあり得ない話です。


皆が高校くらいは最低でも出る時代に、私は継続することを放棄した。

ラクな方に逃げたわけですから相応のバツが待っていた。

それじゃ生きていく気力を保てないからカラ元気を出してきた。

そうすると板についてきた、ってところじゃないでしょうか。

この生き方しかなかったわけです。

好き好んでそうしてきたわけではありませんよ。

隣の芝生は青く見えるんですよ。


お嬢さん、学校がつまらないと言うのですね。

難関中学という輪切りされた世界で過ごす方が向いているのかもしれませんよ。

揉まれた方が良いという意見もあるじゃないですか。

色んな人間を知った方が良いと。

擦り切れるほど揉まれて生きてきた私としては全く必要のないことだと思いますね。

「なに言ってんだか…」ってくらいです。

世の中には関わらない方が良い人間の方が多い。

下界では圧倒的に多い。

関わるとロクなことがない場合が多いと私は思っています。

揉まれて強くなる前に、最初のアクシデントで終わってしまう人が多いのです。

輪切りされた世界に行く力があるのなら、迷わず行くべきだといつも思っています。



話しかけるタイミングに気を付けているとか。

ご自身で生んだ子どもですから本来は遠慮する必要なんてないはずなんです。

どこかのタイミングで機嫌をとる方にまわってしまったのでしょう。

子どもだってひとりの人間だから尊重すべきという風潮がおかしな方向へ進んでいるのかもしれません。


うちは娘の機嫌をとる気なんてさらさらないです。

そんな発想もないですし、理由も見当たらない。

機嫌損ねて勉強しなくなったらどうしようなんて考える必要もない。

親の加護の元で暮らしているということがどういうことか。

その仕組みをしっかり話す必要があると思います。

私の実家はそこが少し足りなかった。

私と同様に子どもの機嫌をとるような両親ではなかったのでただただうざかった。

だから早めに家を出て自由に走ったのです。

それが失敗だった。

3カ月もしないうちに気付きました。

自分1人で生きていくのですら地獄。

それなのに、その後結婚した。

すると当然負担が増えた。

子どもができるとさらに負担が増えた。

これは一大事ですよ。

自分1人でも大変なのに、子どもなんて収入ゼロで食べるわ着るわ遊ぶは成長するわでお金を使うマシーンみたいなものです。

100%私にのしかかってくる。

妻だって安い時給のパートですから1人分なんてとてもとても稼げない、1人分稼いだことがない。

不足分は私にのしかかってくるわけです。

あれ? なぜか成り立ってる。

ん? 1人でも無理じゃなかったっけ?

飯を食っていけたら生きていけるわけじゃない。

誰かと「ここだけの話」をしながらでないと生きていけない。

何か良いことがあったとき、自分のことのように喜んでくれる人がいないと生きていけない。

だから家族は必要なんじゃないかなと。

親の加護というと食べさせてもらっているイメージだけど、大きな間違いだった。

家族の必要性にしっかり気付くまで親が守るということじゃないかと思うのです。



子どもに気を使いながら生活するということ。

このムードはなに?

どうしてこういう空気が漂うのか。

誰が何を誤解しているのか。

そこで立ち止まってはっきりさせる必要があると思います。


会社でもそういう職場がありますよね。

上が下の機嫌ばかりとっているケース。

どっちも仕組みを理解できていませんよね。

双方誤解しているわけです。


家族は滅多なことで解体するわけにいかないから道を間違っていたら話し合う必要がありますね。

私ならこう切り出すかもしれません。

「このままでは家が面白くねーだろ。するとおまえが将来つくるだろう家族も面白くない。そこでだ、作戦会議をやろうと思う」

ここで言う面白さは、ユーモアとは別の話ですね。

チェリー様のお宅でも、ここら辺で流路変更工事が必要のようですが…


私なら、あと半年待つかもしれません。

でもこの半年を精一杯やるために今動くかもしれません。

2017.8.9

桜井信一

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