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【お知らせ】
『桜井信一の最難関算数教室』が7月28日発売開始となりました。
お名前:いちぐう
件名:ご相談
本文:初めまして、「いちぐう」と申します。現在6年生の娘とともに中学受験に挑んでいる父親です。
一昨年暮れに幸運にも店頭で桜井さんの著書と出会うことができ、衝撃と感銘を受けて以来、2冊の本を熟読させて頂き、常に参考にさせていただきながら、私は桜井さんのような父親でありたい、娘は佳織さんのようになりたいと思いながら、父娘で受験勉強を進めてきております。
また今年3月の講演会も拝聴させて頂きまして、大変ありがとうございました。(娘のサポートに手一杯で、感想のご報告もできておりませんで、誠に申し訳ございません)
まず以下により、私どもの現状をご説明させて頂きます。
・受験生:6年生(女子)
・第一志望校:偏差値59
・塾:大手進学塾+個別指導
・偏差値推移:
①総合:平均54
(直近でも54~佳織さんも受けられた、判定模試によるものです)
②科目別
国語:平均60弱
算数:平均約50
社会:平均60弱
理科:平均約50
・現状の学習体制について
①塾の復習教材・指定教材は、国社は1回、算数・理科はほぼ2回転実施
②下剋上受験も全てではないのですが取組中
(今は難関校編の1~30問に、少しずつですがトライ中、まだ前半ですので初回概ね平均4~5問できる程度のレベル)
③家庭学習は、私(中学受験経験者)が平日夜・土日問わずフルサポートしています。
→基本的に塾の講義・教材で分からなかったこと・問題はすべて当日中に理解はさせるようにしています。
→拙い内容ですが、板書も随時作成。
→日曜のテストは必ず当日に中に振り返りを実施。(振り返り分の板書も作成)
こうした中、偏差値は春先から多少なりとも上がってはきていたのですが、直近2回の模試が50台前半に沈む状況となってしまいました。
ここでうろたえてもいけないのでしょうが、私の感触として、特に算数が点数以前に理解・習得が進んでいない感覚が強く、このままじり貧になるのではないか、と日々焦りを募らせている状況となっております。(幸い今のところ本人のモチベーションは高く、何とか第一志望に受かりたい一心で、日々の勉強には自ら取り組んでいます)
それで、ご相談させて頂きたい事項は、(言い出すときりがないのですが、絞り込ませて頂いて)中々改善しない算数の強化策、特に最大の山場となるであろう夏休みの過ごし方になるのですが、
〔現在の状況〕
①何度か解いたような問題も、間が空くと対応できなくなる。(ともかく忘れる)
②一定以上の工程数のある問題は対応できない。(ややこしいと「無理」、説明しても頭に入らない)
③問題文の情報の整理が十分できない。(線分図を書き間違う等)
④ポカミス多い。(単位換算よく間違える等)
⑤総合的には、「教えられた解法パターンを何とか再現して対応」しているが、「自ら考えられているか」については甚だ覚束なく、かつ(最近減ってもいますが)基本的なことでトンチンカンなことを言い出すことがあり、本質の理解も一部怪しいといった感じです。
教え始めた時から、本人に「自ら本質を掴むだけの能力はない」ことは十分把握してましたので、桜井さんの本を参考にさせて頂きながら、解き方のテクニックには走らずに、私なりに「この単元の本質・構造はこう」「だから着眼点・アプローチはこうなる」「それを踏まえて、解き方はこうなる」を教え、それを整理する板書も相当数書きつつやってきたつもりなのですが、私の力不足に加え、本人何より憶えるのが苦手(ストーリーはまだ憶えられるのですが、ロジックの記憶・定着が非常に厳しい)なため、穴が中々塞がらない、解ける問題のレベルが今一つ上がってこない状態が続いています。
最近の桜井さんのブログを拝見しても、自分はやはり思考力を育てるような本来的なやり方ができていなかったのだろうと反省するよりないのですが、あと半年余り、特に最後の山場となる夏休みを前にして、この状況から挽回する方法が思いつかず、SOSを入れさせていただいた次第です。
「魔法はない」ことを承知はしておりますが、私が身を削ってあらゆる方法に対応する覚悟ありますので、特に「算数のレベルアップのために何をしなくてはいけないか」「学習方法の何をどう変えなくてはいけないか」について、どんなことでもアドバイスいただけましたら大変ありがたいと思っております。
何とぞよろしくお願い申し上げます。
いちぐう拝
どんなテキストかは、『桜井信一の最難関算数教室』予約開始をご覧ください。
いちぐう様、はじめまして。
6年生ということで、なかなか具体的なことを言いにくい時期に入ってまいりましたが、「この状況を与えられたとき私ならこうする」という程度にお聞きください。
また、お書きになっている状況しか私には判断材料がないこともご理解ください。
志望校の偏差値が59
もちろん59あったとしても安全ではないとして、現在の算数偏差値が50で、残された時間はあと6ヵ月。
厳しいですね。さすがに厳しい。
偏差値50にも色々あるのです。
ぐっと堪えて色んなものを積み上げてきて、まさに噴火手前という手ごたえ十分の偏差値50。
徐々に伸びてきたという偏差値50もあるでしょう。
地頭を活かせてなかった偏差値50もいます。
3カ月前・半年前を思い出してください。
そこからあまり変わり映えしていないとすれば、ここから先、大きな変化が起きるはずがないですよね。
つまり、届きません。
地頭を活かせてなかったケースでない限り届きません。
キツイ言い方ですが、受験というのは全員が「可能性あり」で受験しているわけではないのです。
「ここまで頑張ったんだからもう受けさせないと仕方ない」そう言って受験する子が必ず一定数いるはずだ。
当時、私はそう考えました。
桜蔭は500人ほど受験者がいて250人ほど合格者が出ますが、実質競うのは〇〇〇人程度だろうと考えていました。
挑戦することが良いこと、素晴らしいことと勘違いしている親子はたくさんいるはずなのです。
それだけは避けたい。私なら避けたいです。
今のままでは、そうなってしまうか志望校の大幅な変更になります。
偏差値を5つや7つ下げても合格する保証なんてないのです。
安全に合格しようと思えばかなり下げないといけません。
伸びていく子がいる中で、逆に考えてもみなかった位置まで下げることになるのが中学受験です。
今まで伸びなかったのですから、やっていたことはすべて無駄、すべて間違ったことをしていた、子どもには無駄な努力をさせてしまった、そう考えることができるかどうかだと思います。
伸びた親子はそこが違うんだと思います。
なかなか認めにくいことなのですが、偏差値を見る限りもう認めなくては仕方のない状況ではないでしょうか。
理科がどうして偏差値50になるのでしょうか。
勉強していないのならわかりますが、頑張って50とはどういう状況でしょう。
暗記分野だけでももっといくでしょう。
それがどうして50なのでしょう。
算数はちょっとしたコツがいりますが、理科は勉強時間、勉強したかどうかだけではないでしょうか。
受験科目に理科がある以上、理科を勉強したくないならそれは受験したくないと同じことです。
算数に時間が取られ過ぎているなら算数に手ごたえを感じるはずです。
ここから挽回するにあたり、私なら復習はすべて放棄します。
新しいことに取り組むのみ。
復習では初見の問題を解く力にはならないのです。
次に、模試の点の取り方を研究するでしょう。
なぜかそれをしない子が多いのです。
スポーツにたとえると、筋トレして作戦を立てずにゲームに臨むようなものです。
算数は計算がうまくできてはじめて点を積み上げることができるのです。
そこを疎かにしている受験生ばかりなのです。
文章題にせよ、図形の求積にせよ、多少なりとも自分のあたまで考えを巡らせようと思えば、計算が軽くないといけないのです。
こんな実験をしました。
娘が問題を解くにあたり、計算はすべてなしにしたのです。
電卓の使い方を教えて、電卓で算数を解かせました。
計算ストレスなし。計算に使うパワーも必要なし。
試し算なんかも可能な状態。
すると、結構解ける問題が増えるのです。
「なんだよ、こいつ計算が重いから頭が回らなかったのかよ」
そんなことに気付きました。
私が実際に目にした昨年度の下剋上組。
つまり、偏差値を10も15も上げて合格していった親子は、地頭を活かせていなかったケースか、勉強方法を一から見直し、子どもの負担を減らすことに成功したケースです。
ガンガン勉強して何とかなるものではありません。
・計算が重い。
・模試の解き方を知らない。
・捨て問なんてことを覚えてしまっている。
これでは偏差値59の学校、つまり偏差値60を突破することはないと思います。
私がないと思うだけです。
可能だと思う人もいるでしょう。
だから受験はあんなに受験者がいるのだと思います。
2017.7.27
桜井信一