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【お知らせ】
7月3日、新宿ミライナタワー内で講演会をいたします。5・6年生の保護者の方が対象です。ご興味のある方は下記のバナーをご覧ください。
お名前:tarochobi
件名:算数がのびません
本文:はじめまして。現在6年男子の母です。
息子の強い希望で中学受験をめざすことになり、4年から〔大手塾(塾名を伏せました)〕に通っております。
4年生までの成績は〔大手塾(塾名を伏せました)〕偏差値65ぐらいでしたが、5年になり、ぐっと下がりました。
原因は算数です。
そんな中、受験をやめようと思っていた時に出会ったのが、桜井さんの書籍です。
励まされ、無理にやめさせず、もう一度息子に寄り添い頑張ってみようと思いました。
夏期講習も取らず、計算からやりなおしたのですが、〔ご兄弟の年齢など詳細部分を伏せました〕がいることもあり、あまり見てやれませんでした。
ただこなすだけになってたのでしょうか。成長はみられませんでした。
その後下剋上算数基礎編を一通りすませ、間違えた問題だけ再度解きなおし、現在下剋上算数難関校編に取り組んでおります。
難関校編は40回をすぎたところですが、30回をすぎたあたりから時間内に正解するのは平均5割ぐらいです。
塾から出されているものもすべてこなしております。
それでも6年になり、上昇の兆しは見えません。
算数だけでいうと偏差値55~62ぐらいです。
理科もかなり下がりました。
塾に相談をしたところ、勉強量をもっと増やしなさいということでした。
習い事をやめ、週に2時間程度遊んでいたのをなくし、睡眠8時間はキープしていますが、あとは勉強できる時間はすべて勉強にあてております。(もちろん合間の休憩はとっておりますが)
そんな生活が2か月続いているのですが、成績に変化なし。
塾の宿題をあまりやっていない友達と同じ成績なのです。
息子は極度に算数の能力がないのではないかと思ってしまします。
そしてもう一度塾にどうしたものか息子が聞きに行ったところ、質を高めろと言われたそうです。
もうどうしてよいかわかりません…
間違えの傾向としては
・時間切れでできない。大抵6,7割解いた時点で終わってしまいます。
・解いたところも計算ミス。
・長さを出す問題なのに面積をだしていたなどのミス。
・難しい応用問題ができない。
理科でも時間切れが大半を占めています。
それから、これは全教科に共通なのですが、記号で答えるところを番号で答えていたり…
何をこたえるのか、問題文に線を引くことを試したり、すべて解くのは諦め、できるものを丁寧にやってみたりしましたが、効果ありませんでした。
〔妹または弟および学年を伏せました〕は算数と記憶力にかんしてはずば抜けており、比べてはいけませんが、やはり生まれ持ったものというのはあると思います。
そこまでではなくとも、こんなに努力してもできないお兄ちゃんは一般平均に比べても、劣っているのではないか、努力しても無駄なのではないかと心が折れそうになります。
桜井さんの本を読み、そうではないと心に言い聞かせてきましたが、もうどうしていいかわかりません。
志望校は神奈川御三家、2月1日は東京御三家を受験予定です。
夫との約束もあり、それが叶わなかったら公立に行く予定です。
地元の中学は絶対嫌だと努力している息子をみると何とかしてやりたいのです。
アドバイスをいただけたら幸いです。よろしくお願いします。
tarochobi様、はじめまして。
非常にキツイことを言うようで申し訳ないのですが、「お子さんが可哀そう」に尽きます。
中学受験の世界には、とても不利な戦いを強いられている子がたくさんいると思ってきました。
最近では、これは現実だと確信に変わっています。
出来るだけ多くの場で発信をし、それがきっかけとなって、不利な状況から脱し、能力を発揮する子が増えればと常日頃思っています。
成績がぐっと下がった原因、それは「算数」ではなく、お子さんの置かれた「状況」だと思います。
ちなみに、お父様とのお約束が可哀そうだとは思いません。
親の考え方を変えられるだけの何かがないのだから仕方のないことでしょう。
ご兄弟と比べることも、まあ本音を言う人と言わない人がいるだけで、実際はある話かもしれませんね。
比べるなと言う方が無理かもしれません。
大体そういう部分を批判する人って綺麗ごとが好きな人たちだから気にする必要はありません。
ところで、
計算ミスをすることやポカをすること、ペース配分がうまくいかないことなど、小学生だから当たり前ではないですか。
それを嘆いてどうするのですか。
子どもも嘆いていますよ、きっと。
代わりにやってみてください。
1問2問ではなく、10日やってみてください。
ミスしませんか。
時間配分うまくいきますか。
大人でもうまくいかないと私は思いますね。
ちなみに私はうまくいきませんでした。
それは私が中学しか出ていないからではなく、普通の大人の多くがお手本を見せてやれないでしょう。
小学生と同じようにミスをするか、やや少ない程度だと思います。
それ以前に、10日やってみたらどうなるかを予想するだけで、結局は何もしないでしょう。
大人って予想屋なんです。
子どもからするとホント役に立たないやつ。
しかし、子どもは親に頼るしかない、言う通りするしかない子が多いでしょう。
そもそも、それだけ成績の良い子に「勉強量を増やしなさい」と塾がアドバイスするなんてちょっと考えられない。
考えられるとすれば、適当に答えるしかない親なんだと思います。
また、「質を高めろ」と言われ、「どうやって質を高めるんだろう」と思ったのではありませんか。
私ならそう受け止めませんね。
「そうか…、アドバイスできることはないってか」
「なるほど、簡単にいうとよくわかりませんってか」
投げたボールが無表情な壁に当たって戻ってきただけと考えると思います。
そもそも、そんなボールを子どもに投げさせません。
子どもが悩んでいるなら話は別ですが、親に言われたから聞きに行っただけのことでしょう。
うまくいく方法を必死で探していませんか。
そんな魔法はありませんよ。
勉強ですもの。
ただし、逆はある。
わが家の何が悪いのかを必死で探す。
この子のどこが不利なのかを真剣に考える。
それは見つかると思いますね。
うまく見つかれば道は開ける。
だって、能力が発揮できない原因のいくつかが取り除かれるわけですから。
多くの小学生がこれに苦しんでいるはずです。
この世界では、「中学受験は親子の受験」だと言われている意味を履き違えている人がいるわけです。
そうアドバイスする者まで履き違えていることがあるから呆れてしまいます。
「親の能力」と「子どもの能力」の平均値で決まるのが中学受験ですよ、という意味であって、親の協力が必要という話ではありません。
もしくは、「家庭の能力」と「子どもの能力」の平均値で勝負するのが中学受験なんだと思います。
見ている方向が違います。
子どもを見るのではなく、子ども以外の部分を見てください。
子どもが置かれた状況を見るのです。
そこに問題があるはずです。
置かれた場所で咲きなさいと言われたらそうかもしれませんが、中学受験はさすがにその場所が不利すぎる子が多いのです。
挙句の果てにここで咲くことができなければ嘆かれる始末。
逆にいうと、有利な子がラクをしすぎなのが中学受験。
どうしていいかわからないのは、子どもですよ。
しっかりしてください、お母様。
辛口で申し訳ないです。
2017.6.10
桜井信一