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お名前:あおりんご
件名:四年生の娘についてご相談させてください
本文:数年前に桜井さんのブログに偶然に出会って、今までにない目線、子供の勉強に悩む母親の心に響きました。

下の娘は私立の小学校に通っています。

学校の勉強、日々の生活も出来て当たり前の環境。

幼い性格の娘は周りからは個性的と言われ、学校からの電話も連絡も日常茶飯事です。

勉強はとにかくやりっ放し。

学校や塾の授業は無難に過ごしますが、覚える気もなく、丸つけ、復習は露骨に嫌がります。

私と一緒にやることも嫌がります。

四年生にもなれば反抗期でしょうか、酷くなる一方です。

私もたくさんの本を読みました。

計画表、ホワイトボード、シール、優しい声かけ、色々試しましたが彼女の心に響きません。

授業は待ってはくれませんので、結局は強行でやらなくてはなりません。

毎日根比べ、学校からかえっても寝るまでふたりで椅子に座っている始末です。

良くないですよね。

私としてはせめて忙しい平日は宿題中心に、週末は学校の復習もこなしてくれたら、娘もそこそこ楽しい毎日を送れると思うのです。

娘に勉強のエンジンをかけられないこと、本当に悩んでいます。




あおりんご様、はじめまして。

こうしていっぱいいっぱいまで悩んでいらっしゃるときに、「娘もそこそこ楽しい毎日を送れると思うのです」なんて言葉はなかなか出てきませんよ。

素晴らしいお母様だと私は思います。


直感で申し訳ないですが、幼少期からのことをちょっと思い出していただいて、心当たりがないか考えてみてください。

つい何年か前までは、母娘の関係は保ちつつ、どこか姉妹のような親友のような親子でありたいと思って育ててきたなんてことはありませんか。

仲の良い何でも相談できる距離の近い親子を理想にして育ててきたということはないでしょうか。

また、お母様からみて、お子さんは結構やるんじゃないですか?

お母様、実はそう思っておられるのでは?

「出来る子だと思うんだ」という言葉は、この状況では書けなかったのではないのでしょうか。


直感が当たっていればいいなあ。


やる気がない、勉強に対して抵抗感が強い、他の子よりも能力が低い、このあたりではないと私は感じました。

母と同時に友でありライバルでもあり、自分の出来ない瞬間、負けている場面は見せたくないのかなあと思ったのです。

お子さんからすると、対等だったり目上だったりが目まぐるしく繰り返される毎日のなかで、混乱しているのではないでしょうか。



懸命に接して、何とか勉強も学校生活もちゃんとやってもらおうと思ってしまいますよね。

さて、いましか出来ないもの、いまやっておくべきこと、手遅れになるものって何でしょうか。

逆に、後からでも挽回できるものって何でしょうか。

勉強は遅れると余計つらくなりますし、なかなか挽回は厳しいと思うのです。

しかし、忘れ物をするとか、やりっぱなしとか、例えばお行儀とか、そんなのはもう少し後からでも十分挽回可能ではありませんか。

私立小学校といっても貴族じゃないのですから、幼少期からちゃんと出来なくても良いと思います。

麻生副総理ですら結構いい加減なところがありそうですよ。

学校からの連絡が頻繁にあっても、内容によっては別にいいじゃありませんか。

そのために連絡先があるわけですし、様子がわかって安心ではありませんか。

でも勉強はそういうわけにいきません。

多くの相談を受けてきましたが、私立小学校の高学年で勉強に悩んでいる方の学力は「はっきり言ってヤバいでしょ」と思うことばかりです。

英語教育の前に日本語でしょ。算数でしょ。そんなケースを何度も見てきました。


お子さんの性格と状況をこの目で見たわけではありませんので、少ししかアドバイスできませんんが、試してみてください。


「復習」は一切やらない。


これは親子で勉強するときのコツ。

ある程度できるようになるまでは復習という勉強は避けた方が良いと思います。

また、うちも同じですが、親子の距離が近い場合は、エンジンをかける時点での復習はデメリットばかりです。

「勉強は復習が大事」と説いている評論家や教育者は、万人向けのアドバイスじゃないことを理解できていない『復習教』の信者です。

ある程度リズムが出来上がるまで、例えば半年とか1年とか、それまでは復習を封印するのです。

幸い4年生ですから復習をないがしろにしても問題ないと思います。


わが子は能力を発揮できていない。

この程度じゃないはずだ。

もっと出来るはずなのに。


その勘が当たっていると信じるのであれば、振り返る学習では能力は開花しません。

前進する学習のとき、きっかけを掴むものなのです。



そして、一緒に勉強するとき、1日のうちに同じセリフを2回言ってはいけません。

自分の口にした言葉を覚えておきながら、絶対に二度目は言わないのです。

だからといって、1回でわからせるために強く言うのもだめです。


また、愛情を説明するのもいけません。

愛情は言葉での表現に向いていないのです。


勉強が出来るようになることの先にある、楽しい毎日を願うお母様ですから、作戦を変えればきっと伝わりますよ。

個性あふれるお嬢様と、その個性を楽しんでもらおうと願う愛情あふれるお母様、目に浮かぶようです。

2017.5.29

桜井信一