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私は〔地方都市〕県に住むシングルマザーです。

娘は田舎の公立小学校に通う5年生。二人暮らしの私たちは、中学受験に向けて二人で頑張っています。

私たちの〔地方都市〕県は、中学受験の意識はとても低いです。本屋に中学受験コーナーがほぼない。受験なんで高校からでいいという中学受験否定派大多数。そして中学受験塾の数の少なさ、レベルの低さもすごい。そんな中でも塾には通っていますが、その塾講師から「関東の学校を受ける子はまずいないし、関東の学校に合格させられるのは無理です」と言い切られました。
でも、娘が狙うは都内の難関中学校なのです。

産まれは〔首都圏〕の彼女。今でも〔首都圏〕に遊びに行くことが多く、精神的に少し成長している方だと思います。中学受験の必要性を説き、気持ちを乗せたのは私ですが、「ここを受けたい」と言った学校は都内の難関中学。最初は驚きましたが、夢や意識を高く持っている事は素晴らしいです。まだまだまだまだ何も届かない場所にいる私たちですが、二人でこの戦いを勝ちに行きたい、そう思っています。

周りに誰一人中学受験を意識するお友達がいないことは彼女のストレスの一つです。周りというのは小学校もそうですし、〔地方都市〕県としてもそうです。周りは遊んでいる中で勉強しているのは10歳の子供にはつらい。よくわかります。桜井さんの本から学んだ方法を意識して関わったり、一緒に泣いたり怒ったり喧嘩したり。彼女の意識が続くように時々関東の模試を受けに行ったり自宅受験したりします。すると、関東の子たちとの歴然な差を目の当たりにして、結果に涙しふてくされ。なかなかの毎日です。でもまだ楽しいです。

志望校は2教科受験です。だから中学受験塾でも2教科しかありません。理科・社会については、四谷大塚の予習シリーズを二人で解いていますが、全国模試をすると現在偏差値30台です。あちゃー。算数だってやばやば。この差はいつか縮まってくれるのだろうか。。。でも娘と受験勉強することは今だけなんだろうと思うし、楽しいです。

地方の小学生が東京の学校を受験するためのアドバイスをぜひお願いします。それと、桜井さんの娘さんの学校には片親の家庭はいらっしゃいますか。
シングルマザーでも田舎でも、与えられた環境で戦うしかないことはよくわかっています。泣きたい時はたくさんあるのですが、私と娘はこの上京下剋上受験を後悔なく全力で戦いたいと思っています。

P&B様からのご相談




P&B様、はじめまして。

「お母様、話が長いっ!」

少しカットさせてもらいましたが、それでも「長いっ!」。

さらに私が長々と書くから読む方は大変なことになるじゃないですか!

要するにあれでしょ?

〔地方都市〕県在住のシングルマザーです。
・都内の難関中を狙う5年女子で理社の偏差値が30台。
・地方の小学生にアドバイスを。
・ひとり親家庭はいますか?

これだけですよね?

お母様、要約が苦手ですよね?

道案内が長くなる人ですよね?

多少は覚悟ができたかもしれませんが、遠慮せずに回答しますからね!


「夢」はタダで売っているようなもの。本来は大した価値がないのです。

それを具現化しようと本気になる過程で価値が生まれ、具現化したとき大きな資産となる。

意気込みだけではだめ。行動に移すだけでもだめなのです。

そんなことで叶う夢であれば、それは大したことないのです。


「頑張ることは無条件に素晴らしい」

そんな教育を受けた私は結構頑張って生きてきました。

気が付くと頑張ったことを評価してもらおうとする癖がつき、一生懸命にやった結果なら失敗でも負けでも仕方ないと考えるようになりました。まさに三流の思考。

結果を評価してもらおうとする発想にはなれなかったのです。

学校では、「結果こそ評価される」なんて教育はできない。

望んだ結果というのはごくごく一部の者しか得ることができないから、多くの者に達成感を経験させることはできません。

それでは育てにくいので、「まあ途中経過も褒めてやろう」ということなのでしょう。

私はそのワナにはまった。

だから娘には「頑張ったかどうかなんてどうでもいいんだ」と言い続けたのです。

厳しい精神論としてではなく、仕組みとして子どもでもわかるように伝えました。



理社の偏差値が30台なのでしょう?

算数もまだまだで、首都圏の同級生とは歴然の差なのでしょう?

都内の中学を受験するために勉強を始めて1カ月や2カ月は過ぎましたよね。もしかしたら半年かもしれない。そこは私にはわかりません。

その間やったことを思い返してみてください。

「一緒に頑張ろう!」という気持ち以外に何かやったことはありますか。

こんな勉強もした、あんな勉強もした、そう仰るかもしれません。

それは結果に繋がりそうですか?

心の中にある本音の扉を開けると、「このままではうまくいかない」と気付いているのではないでしょうか。


私のところにはたくさんの方からの相談があります。

大きく下剋上して難関中学に合格していった親子の中には、1年ほど前は相談者だったという方が結構います。

驚くほど真剣で、具体的で、計画的で、考えうる色んな手を尽くしたという方が、どうしてもこの壁を越えることができないとSOSを出してきます。

「なるほど、そこは私も悩んだんです」そう思う場面で立ち往生しているのです。

もう時間がないから、このままでは間に合わないから、できる限りのアドバイスをします。

そこまでしているなら間に合わせるつもりなんだろうなと思うからです。



お金だってそうです。

裕福な方もいればギリギリの方もいます。

うちなんてもう無茶を通り越してました。

ところが、中学受験というのは、難関中学というのは、辿り着けばそこまでにかけた費用なんて大した話じゃない。辿り着かないとき、大きな出費になるのです。

難関中学の費用対効果というのはそれほど高いものだと私は思っています。

それを知っている方は、なりふり構わず投入してきます。

お金をかけてあげることが親の役目だからという理由の方もいれば、難関中学と交換条件だと覚悟を決めて無茶する方もいるわけです。



中学受験は有利不利があると思います。

両親の仕事が忙しく全然みてやれない家庭もあります。金銭面で不利な家庭もあるでしょう。住んでいる場所もそうでしょう。

親は不利な面を何とかするために奔走しているのです。




お母様。

普通はその位置からでは届かないんです。

ましてや5年生ですからこれは届かない。

塾の先生もそれがわかっているから取り合わないのかもしれません。

私も全然相手にしてくれませんでした。今から思うと妥当な判断でしょう。

それを「見返してやろう!」という程度で難関中学は受かりません。

もし、「この親ならやるかもしれない」と塾の先生が感じたら、そうは言わないはず。

これはお母様も当時の私も同じです。



塾の力を借りずに都内の難関中学に辿り着くのは無茶過ぎます。

もし、お母様のご相談に「えーっ、そこまでしているの? 呆れた」という点でもあれば話は別ですが、いま頂いている内容だけで判断すると、無茶だと感じます。

別に他人のことはほおっておけばいいんです。無茶だと決めつける必要もない。

怒らせるのを覚悟で無茶だと言う理由があります。



本気で難関中学を狙った場合。

人生をかけた中学受験で不合格になる瞬間がどれほど絶望的なことかご存知ですか。

12歳の子どもに耐えられる大きさではないのをご存知ですか。

残酷ですよ。見ていられない。



「たかが中学受験でなにを大袈裟に」という人は何もわかってない。

合格発表の日を迎えるまで、何とか子どものモチベーションを維持させるために、親は喋り過ぎているのです。

合格しなかったらどうするんだということを、マズいマズいと思いながらたくさん喋ってしまうのです。

そして迎える合格発表で何も持たずに帰らされることがどれほど残酷か。

子どもにかけてやる言葉なんて何もない。



それでも続行するなら、このままでは無謀すぎます。

どの方法もお金がかかりますが、県内くまなく探せば何かあるでしょう。



最後に、ひとり親家庭がいるかどうかについてですが、普通はいるのではないでしょうか。

シングルマザーと言っても様々ですからそりゃいるでしょう。

また、働いているお母様なんて珍しくも何ともないですから、学校行事の心配もないと思います。

あるお母様が言ってました。

「小学校のときはPTAの役員にならないかひやひやしたけれど、こういう学校はやりたい人が必ずいるから逃げ回らなくてもいい」


また、結構ギリギリ家庭もいるそうです。

最初からギリ承知の方もいるでしょうし、途中からギリになるケースもあるでしょう。

6年間も通いますから、その間に親も色々あります。

そこは結構普通なんだなあなんて思っています。



お母様、私の回答にブチ切れても構いません。

狙うなら伸ばしてやってください。その方法はおそらく途方もない労力とお金がかかります。


子どもは自己肯定感いっぱいに過ごすのが一番だと私は思うから、伸びないまま月日が過ぎるのだけは避けてあげてください。

プロを見つけることが先決だと私は思います。

2017.5.3

桜井信一