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「空気の読めないやつだなあ」

そんな人、周りにいませんか?

まあどこにでも一定の割合でいますよね。そんなところが可愛いって人もいます。

そうなのです。空気が読めない人は可愛いのです。

「天然」と言えば可愛いのです。




ということで、

4月20日の読売新聞で見つけたジャーナリスト白河桃子氏の言葉をご紹介します。


ちなみに、雙葉幼、雙葉小中高、慶應卒だそうです。なんという学歴だ!



突拍子もないことを勝手にやってしまうエネルギッシュな同級生が多かったですね。男性の目を意識せずに伸び伸びと好きなことが追求でき、オタクっぽい女子も、男子校の生徒と付き合っている大人びたグループも同等に存在できました。

どこに行っても物おじしない、「空気を読まない」力が身につきました。私は今、これを「女子校力」と呼んでいます。(読売新聞より引用)





言葉のプロだなあ。「婚活」という言葉を生んだのもこの人らしい。


私立中学の印象は、私の場合「パワフルな子が多いなあ」というものでした。

語彙力の差を感じて少々恥ずかしい。

まあそれはいいとして、そんなにパワフルなのに勉強できるっていうんだから不思議だよなあと入学当初はよく思いました。

妻の話だと、高校生になるとまた少し雰囲気が違うらしい。

「鋭くなってきた~って感じがする」なんて言ってますが、大学受験を意識し始めたという意味なのです。

とほほな語彙力。それもよしとする。


アニメオタク、ゲームオタク、〇〇オタクと色々ですが、限度を超えているだろと思うような学校生活の話を持ち帰っていた中学時代は終わって、それぞれの道へ計画を立て始めた。

予備校に通う回数も増えてきます。

それでも「わたしはわたし」ということを普通だと思っているのは、彼女たちの大きな武器なんだろうと思います。




難関中学というのは、その構造上いじめの炎があがる確率が低いと私は思います。

それは学校の対策によるものではなく、生徒たちがつくりあげるその特殊な環境がそうさせるのです。

クラスには「のれん」もいるでしょうし「出しゃばり」もいるでしょう。のれんはいじめ甲斐がないし、でしゃばりは消化活動に忙しい。

普通ならいじめにあうだろう変わり者や弱い者が立派に個性として成り立つ環境なのです。

また、保護者の意識にも違いがあると私は思います。

何だかんだ言っても苦労して辿り着いた場所。他者に迷惑をかけてはならないという意識を互いが持ってスタートすると、最初だけでも「放置」というわけにいかない。




うちの子は小学校のときに強烈ないじめにあいました。

親とは違ってくそ真面目。確かに空気が読めなかったかもしれません。


ある日、ランドセルが空っぽになって帰ってきたことを知りました。

すぐに乗り込んでいきましたが、相手の子やその子の親を見て思いました。

「ターゲットが変わるだけだろうな」

やっぱりいじめる子を正すのは先生では無理。他人の子を変えるのは難しいと思います。

いじめる子を変えるのは親でも相当な根気と期間が必要でしょう。

その無神経さが家庭内で構築されたものだとしたら、そもそも変える方向を向いていない。



入学してみて思います。避難して正解だったと。

揉め事はあってもいいと思うのです。あのくだらないいじめが厄介なのです。成長する過程でまったく必要ない。


よく、「色んな子の中で揉まれる方が良い」といって公立を進める人がいます。その方が強い人間になれるという意見。

人はそれぞれ考えがありますから、それがいいという人はそうすればいいのでしょう。

私はごめんです。

必死に働いてでも学費を捻出し私立に行かせます。

仮にそこでいじめがあったとしても、避難して起きたこと。手を打って起きたことは対処もしやすい。


私は学校生活で揉まれ、社会で揉まれ、色んな経験をしてきました。

まさに山あり谷あり平野なし。確かに生命力はあるかもしれませんが、こんなのメリットなし。

娘に与えたい力だとはまったく思いません。

必要性を感じないどころか、その強さが災いや油断のもとだと思っています。



テレビを観ていて思います。

大人のいじめを毎日観ているようなもの。

そりゃ大御所と呼ばれる芸人にいじられたら笑っているしかないでしょう。

学校で起こるいじめと何ら変わらない。

くだらないってもんじゃない。

裸になって熱湯風呂に入る意味がわからない。

ケツバットする意味がわからない。

そんなの小中学校で真似られることくらいわからないのかと思う。

それで大金を稼ぐ芸人の豪勢な生活なんて羨ましくもないどころか吐き気をおぼえます。


泳がされる、叩かれる、殴られる、走らされる。


いじめがエスカレートしたとき起こる数々のお手本は誰なのか。

そいつらが稼いでいるっていうから呆れてしまいます。

いじめ問題。これはなくならない。

他人様の子育てに口を出せないのだから。

教訓を活かすというけれど、どう活かすというのか。



私は全力で避難することが最善とは言えないが良計だと思う。

避難にはいくつかの方法がある。

区域外通学、転居、私立。

どれも簡単なことではないけれど、選択肢として広く伝えるべきだと思う。

いじめをなくそうという努力目標に期待して行動が遅れてはならない。



TVでいじめのお手本が流れ。

国民の代表が国会という場で大人のいじめを披露する。

当然、会社にもいじめがある。

村や町、もっと小さなコミュニティにもあるでしょう。

その集まりが多様で格差があるほどいじめの確率が高くなる。

それなのに、地面を区切っただけの集まりの中でどうしていじめがないなんて思ってしまうのか。

掲示板を見てもヤフコメを見てもいじめ好きが多いのは明らかなのに。



いじめ問題。

男か女かよくわからない教育評論家がガタガタ言って何とかなる話じゃない。

2017.5.1

桜井信一