マンション管理士の小沼です。

 

 不動産の売却、購入、マンション管理のことで 何かありましたらまずはご相談を承ります。

少子高齢化、建物の高経年化のこれからの世の中、長期的視点でアドバイス致します。

 

 そのマンションの管理組合が管理会社をリプレイスされているか、されていないか、

損害保険会社、その代理店、修繕工事会社、設計コンサル会社を選んだストーリーや、

管理意識はどうかなど知り得た情報、改善点等 伝達することを心掛けたく。

 

 

 

◇<81号>で下記を書きました。

 

☞ 私は管理組合にとり一番お金が掛かる大規模修繕工事をシンプルに考えますと、

 

A.『瑕疵保険の加入

B.『管理組合の立場にたち、修繕工事会社の仕事をチェックしてくれる第三者の支援者への協力依頼

C.『管理組合自身でも、工事の中身である工程期間、品質を知る

が非常に大事なのかと。

 

 この『三本柱を根幹として押さえていき、派生してくること、情報も補足し、肉付けしていけば

より万全でしょう。 管理会社や、修繕工事会社の現場代理人と対等に渡り合えるくらいのレベルまで

到達すれば理想的。☜

 

 今回は、

C.『管理組合自身でも、工事の中身である工程期間、品質を知る』の『品質を知る

を深堀りしたく。

 

 

 

幻冬舎刊、2018年8月発行。

 

 

大規模修繕工事を発注するのは管理組合です。

実際に工事を行うのは『職人さん』と『修繕工事会社の現場監督(現場代理人)』です。

 

 実際に工事を行うわけではありませんが、チェックや提案する役割で、

『コンサルタント』も大規模修繕工事を行う登場人物(プレーヤー)として

考えられます。

 

 著者の阿部義雄さんは 『職人さん』『修繕工事会社の現場監督』『コンサルタント』

三者を仕事として経験している経歴をお持ち。

 

幻冬舎の編集者さんの本のキャッチコピー☟

 

※キーワード<大規模修繕工事を素因数分解する上での>:

大規模修繕工事を仕事として行うのは

『職人さん』『修繕工事会社の現場監督』『コンサルタント』の三者

 

 

この本には大規模修繕工事を行うときの、大事なポイント部分、エッセンス(本質)が

凝集されていると思いますので、写経的に引用。

 

はじめに(4、5ページ)

※キーワード

大規模修繕工事の業界の分かりにく構造が背景にあり。

 

※キーワード:

管理組合にとり良くないこと

工事価格の高騰』『品質、技術の低下』『工事期間の長期化

 

※キーワード:

管理組合にとり、良くないことの大部分は『修繕工事会社の努力により回避できる

 

※キーワード:

管理組合にとり、良いこと<理想的なこと>

適正な工事価格で、高品質の工事最適な工事期間で、実施すること。

 

序章(53ページ)

※キーワード:

大規模修繕工事で一番大事である技術力の良し悪しで、修繕工事会社が

選ばれていない。 <『技術力』の良し悪しを判断する、明確な基準がない>

 

技術力』は『高品質』とも言い換えらる。

 

 

序章(64、65ページ)

※キーワード:

修繕工事会社の『技術力』『差別化した経営戦略』をどう捉えるか。

トラップ、リスクにはまらないようにするには、どうしたら良いか。

 

著書の阿部義雄さんは なるべく『住民(所有者)を巻き込み、参加してもらい

自分達で最終的に判断』することをお勧めしています。 

 

 どこにリスクが潜んでいるか、この本を読んで予備知識を蓄積し、想定問答と

イメージトレーニングを繰り返せば、乗り越えられる気がしますが、いかがでしょうかね。

 

 『自分達で最終的に判断』以外の必要最小限 協力を仰ぐケースとして、

信頼できる会社の担当に「工事の品質管理だけをチェックしてもらう」という

方法を選ぶこともできますね。

 

終わりに(250、251ページ)

※キーワード:

管理組合にとり良い大規模修繕工事をしてくれる会社を選ぶための

客観的な判断基準や情報が少ないという問題。

 

これは、口コミほか 良質な情報を収集する管理組合の能力を上げることや、

この本を出版した幻冬舎さんのようなマスコミ、マンション管理士のような専門家が

客観的な判断基準となる情報や、良い大規模修繕工事の成功事例を

 

コツコツと世の中に普及活動してくことにより、改善していくと思われるのですがね。

<ビジネスの世界、陣取り合戦でもありますからね。自衛するか否かで、マネー(お金)は

川のごとく流れていくことになるのでしょう…>

 

 

 

◇ 著書の阿部義雄さん 大規模修繕工事で職人さんが行うのは、分かりやすく何ですか

(どのようなことをする工事ですか)という問いに、主に5つ挙げています。

<足場を加えれば6つ>

 

それは『塗装』『防水』『シーリング改修』『下地補修』『躯体修繕』などの工事。

<職人さんが行えないことに、『足場』も挙げられています>

 

大規模修繕工事とは?(69ページ)

 

 

⇒このように、大規模修繕工事を行うプレーヤーは

『職人さん』『修繕工事会社の現場監督』『コンサルタント』であること。

 

職人さんが行うのは、『塗装』『防犯』『シーリング』『下地補修』『躯体修繕』であること

などを細分化(素因数分解)して考えてみますと、何か違った捉え方ができると

思いますが、いかがでしょうか。

 

 俯瞰的なものの見方とでも、申しましょうか。 ただ、基本的にの大規模修繕工事は

ビジネスであることも忘れてはいけません。 自分達(管理組合)だけのことでなく、

相手の立場も考えながら(少しは気遣いしながら)、最適解を選びたいものですね。

 

 

「管理組合重視」の会社の比較表(246ページ)

 

 

大規模修繕工事 7つの解決策(248ページ)

 

本の後半部の分かりやすい一覧表と、ブログのテーマ 大規模修繕工事を素因数分解する

品質編の観点で掘り下げていきたく。

 

 品質や技術力を改善、チェックする上での具体策。

 

☆1.自社職人の育成 ☆2.現場代理人を効果的に配置

☆3.提案力  ☆4.適切な診断(劣化調査)方法 

☆5.品質管理、アフターメンテナンス

 

上記の5つを システム化していくことを提唱しています。

 

<競合会社に追随されないよう、色々な技術力を「特許出願中」されているご様子です。

阿部義雄さんが代表される 株式会社ぷらす・あるふぁさん。

関西は こういった新しい風を吹かせる 正義感の強い会社さん多いですね!>

 

阿部さん 一貫して述べていることは『高品質』で『短期間』に『他社よりもコストダウン』して

大規模修繕工事を行う、です。

 

☆1.自社職人の育成:

 

・職人さんの人手不足とそれに連動した技術力の低下が業界の背景にあり。

 

阿部さんが会長を務める(株)ぷらす・あるふぁさんは、基本、自社の職人で工事を行い、

職人育成システムを採用している。<自社の職人が不足する場合、他社さんに協力要請。

阿部さん自身が元塗装工の現場経験者。 経験者が教えるシステム>

 

⇒人手不足による過酷な労働環境になることを予防し、回避する。

稚拙な技術にならないように、常に職人さんを育成、教育しているわけですね。

 

コラム 工事の品質維持には職人教育も必要(119ページ)

 

下請け、孫請けなどへの丸投げが生む品質面での弊害(115,116ページ)

 

 

 

特集 「自社職人方式」で中間マージンをカットする(218ページ)

※キーワード:

元請会社がして下請け、孫請けの会社、職人に仕事を流す場合、「中間マージン」が

乗っかていて工事価格に反映されていることを意識する。

 

 

☆2.現場代理人(現場管理者)を効果的に配置:

 

・職人さん同様、現場代理人も人手不足であり、きちんとした人員管理力、プランニングの監理力

を持っている人は一つ会社にそう多くない背景あり。

 

<阿部さん、一級施工管理技士等 資格を持っていても優秀であるとは判断できない、

年間1億円の工事を担当し一人前、優秀者は2億円以上担当するがごく一握りしかいない等

なかなか的確かつ辛辣なコメント。

 

ただでさえ、頑固者が多そうな職人さんの集まりをコントロールするのは大変そうな気が

 

・なにかと多忙な現場代理人の負担を軽減するシステムを(株)ぷらす・あるふぁさんは採用。

現場代理人は「品質・工程・安全等の工事管理」に集中し、住人とのやり取りは、それに特化した

「コンシェルジュ」を配置する分業システムが、効果的な仕事を行なえる。

 

<前号で取り上げましたが、修繕工事業のマーケットも取り扱い高が増加傾向ですので、

それに伴い「コンシェルジュ」のような別の人員を配置することもできるのでしょう。>

 

 また、従来ですと現場に常にいる『常駐管理』が主流で、管理組合の受けも良かったようですが、

負担も大きいので、今では『巡回管理』と『コンシェルジュ』の2つで臨んだ方が、修繕工事会社、

管理組合共に良いとされています。

 

 業務内容を少なくし、時間を上手く使った方が現場代理人の方も細心の注意を払うことができ、

品質の向上にもつながることでしょう。

 

現場代理人のこの本での定義(116ページ)

※キーワード:

この本では、常駐管理をする現場代理人(本では工事管理者)を「現場監督」

複数の現場を巡回する「現場担当者」、両者を併せ「工事担任者」と定義。

 

 

コラム 常駐管理か?巡回管理か?(126、127ページ)

 

 

 

 

☆3.提案力

 

コラム 提案力を持つことこそが企業の使命(134、135ページ)

※キーワード:

修繕工事会社が管理組合の立場に立って「提案してくれること(提案力)」も、その会社を選ぶ

判断材料(他の会社との差別化)になる。

 

※キーワード:

・会社からの有益な提案の具体例 その1:工事時期は繁忙期を避けた方がいいですよ!

 その2:建物の状況にフィットした仕様や工事方法の提案、

     同じ補償年数で品質や工事価格が管理組合にとりプラス効果があることの提案

 

※キーワード:

提案には「技術力」「この工事を受注したい熱意」をはかるバロメーター

 

※キーワード:

「無料サービス」の提案は、他社と比べて「品質低下」「価格高騰(無料サービス分を価格に上乗せ)」

に繋がることもあるので、本当に有益であるか留意しながらよく熟慮する。

 

 

適材適所の材料が使われていない(134、135ページ)

※キーワード:

適材適所の材料、工法を熟知し、管理組合に提案してくれているか?

 

※キーワード:

高品質の材料で、材料代は高いが長い目でみて、工事頻度を減らすことにより工事費用の削減、

管理組合の財源にプラスになる提案をしてくれているか?

 

※キーワード:

それぞれの短所と長所の説明をきちんと提案をしてくれているか?

 

技術レベルの高い工事会社を賢く選べば、将来の修繕費用を抑えられる(150、151ページ)

※キーワード:

技術レベルの違いは一般の人が分かりにくい細部に潜んでいる

<ウーン、もっと客観性を高める情報提供が欲しいところですね。

と思いきや、きちんと下記で言及されていますね。失礼いたしました。>

 

※キーワード:

工事の取り合い部分、分かりやすくいうと工事を行う職人が違うところ、

例えば防水と塗装の「工事の境目」部分は、水が侵入し、劣化が生じやすい。

 

※キーワード:

技術力の高い(高品質提供)会社は、建物が長持ちすよう的確な工事を行う。

場合により、管理組合に費用が高いのでは?と思われてしまうこともあり得るが

『長い目でみると工事費用を大幅に節約できる』ときちんとした説明ができる。

 

技術力の高い会社が施工した建物は劣化のスピードも遅くなる。

<工事周期を減らす(18~20年に1度と)ことがでする>

 

※キーワード:

技術力の高い(高品質提供)会社を選ぶことができれば、工事費用を節減できる。

 

 

無料サービスを断ることで、コストカットする!(225~227ページ)

※キーワード:

無料サービスを提供する分、現場代理人や職人は、それに労力を割かれるため、工事品質の低下に

つながるリスクがある。

 

管理組合にとり有益でない無料サービスの提案は断ることが大切。

 

 

※キーワード:

修繕工事会社が、管理組合にとり前向きな攻め提案に3つある。

①は職人にある程度のゆとりのある時期に工事を提案してくれているかどうか?

 

管理組合も無理に繫忙期の修繕工事会社に依頼することのないよう、ゆとりを持ったプランと

スケジュールで大規模修繕工事に臨み、修繕工事会社を選ぶようにする。

 

 

※キーワード:

修繕工事会社への費用の支払い条件を『出来高払い』にすると工事費用を安くしてもらえる

可能性あり。 その前提には『管理組合が修繕工事会社に直接発注する(元請け会社ではなく)』

『繫忙期を避けて、請負契約する』という前提も考慮する。

 

 

※キーワード:

工事管理者(現場代理人)の資格の有無<必ずしも有資格者が優秀かは分からない>や、

工事方法<常駐管理か巡回管理か。これは☆2.現場代理人(現場管理者)を効果的に配置

のところでポイントに触れました>

 

により、見積金額が下がる可能性あり。<いやぁ、著者の阿部さんかなり、業界の内部事情を

突っ込んで情報開示されていらっしゃいますね!>

 

最近のトレンドとして、現場代理人「巡回管理」と別の担当で住民サービス応対する

「コンシェルジュ」を配置することにより、費用を抑え、業務の効率、高品質を望める

方法を選ぶ管理組合が多い。

 

 

不要な工事やオーバースペックの工事を断ることで、コストカットする!(225~227ページ)

※キーワード:

修繕工事会社を選ぶ判断材料として、この会社が管理組合の立場に立って、『最適スペックで

費用対効果を高めるような』提案を真摯にしてくれているかを見極める。

 

<管理組合だけで判断するには心許ない場合は、信用できるマンション管理士やコンサルタント

にサポートを仰ぎながら臨むことも良し

 

 

<大規模修繕工事を素因数分解「品質編」から「コストダウンのポイント編」になって

いるような気がしますが、そこは気にしない、気にしない、頓珍漢頓 一休さんマインドで>

 

 

⇒大規模修繕工事でも細分化(素因数分解)していけば、ポイントは見えてきます。

仕事内容によりどの修繕工事会社でもシステム化できること、ライバル会社に真似されないよう

特許により差別化をはかることも。

 

 管理組合の改善要求(突っ込み)を企業努力により受け入れることができることと、社員さんの生活(利益)

が絡んでくるので、受け入れられないこと。 お互いに相手の立場に立ちながら妥協点を見出す。

 その中で、信頼でき、長く関係を築きたいと思える波長の合う修繕工事会社を自ら(住民参加で)選ぶ。

 

 上記につきるのしょう。大規模修繕工事を上手く行う秘訣は。

 

※84号 ブログ タイトル 『大規模修繕工事を素因数分解する 品質編』で取り上げ

切れなかった ☆4.適切な診断(劣化調査)方法 ☆5.品質管理、アフターメンテナンス

と 工事期間についての素因数分解を次号85号で取り上げたく。

 

 

 

東京では、港区元赤坂1-1-7オリエント赤坂ビル11階に事務所があるのですね。

 

 

 

◇締めです。

 

私ごとで恐縮ですが、6月下旬で50プラス1歳になります。

 

もう少し、マンション管理や売買仲介で世の中の少し役に立ったり、改善していきたいなぁと

思って言動をしているつもりですが、いかんせん実力不足であると自己分析をしています。

 

 独善的、自己満足になっていると思うふしはありますが、26年間もずっと同じような

仕事をし続けていますので、好きであり、無心でやっているのだなと、やや冷ややか

他人行儀に解釈しています。

 

 マイブーム造語や一人電通を自称する三浦じゅんさんの言葉を借りますと「青春ノイローゼ」

 

 

 自分的には、これは世の中に「ばかうけ」するんじゃね評価ですが、ややサブカルチャー、
アンダーグラウンド感のある方たち。<やっぱり泳ぐとしたら、太陽のある昼かと思われ
ますが、この方たちは夜なのでしょう>

 

RAY - わたし夜に泳ぐの/I swim at night (Live ver.) (youtube.com)

 


ウーン50代前半も、これでいきましょう!これでいいのだ!

 

 

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