マンション管理士の小沼です。
不動産の売却、購入、マンション管理のことで 何かありましたらまずはご相談を承ります。
少子高齢化、建物の高経年化のこれからの世の中、長期的視点でアドバイス致します。
そのマンションの管理組合が管理会社をリプレイスされているか、されていないか、
損害保険会社、その代理店、修繕工事会社、設計コンサル会社を選んだストーリーや、
管理意識はどうかなど知り得た情報、改善点等 伝達することを心掛けたく。
◇前回に続き、大規模修繕工事の不具合に対応する瑕疵(かし)保険の内容を深堀したく。
公財マンション管理センターの月刊誌「マンション管理センター通信」2024年4月号
26、27ページより。
※キーワード:
大規模修繕工事を実施した箇所が、「保険対象部分」となる。
具体的な箇所は、3つ。
A.構造に関する部分(構造耐力上主要な部分):基礎、柱、梁、床、壁など
B.防水に関する部分(雨水の侵入を防止する部分):屋根、外壁、外部建具[ドア、扉]、
雨水排水管の一部など
下の模式図の青色の線、屋根と外壁が主たる部分。
C.管路、設備の部分:給排水管路、給排水設備、電気設備など
⇒まずは、「保険対象となる部分」が分かりました、と。
※キーワード:
保険対象となる修繕工事の内容は、「耐震改修」「屋上防水」「給排水管の更新、更生」
「一部の設備機器の据付」などの各工事。
特に区分所有者の日常生活に影響を及ぼす防水に関する工事(雨水の侵入防止する)内容に、
「外壁の爆裂、クラック補修」「目地補修」「樹脂注入」「アンカーピン工事」など
外壁工事、シーリング工事、屋上防水工事、サッシ取替工事などがある。
※キーワード:
上の防水に関する部分(雨水の侵入を防ぐ部分)の模式図で青色線がない
床下が屋外のバルコニーや共用廊下の床、屋外共用部の庇(ひさし)は、保険対象部分と
ならないことに注意。 ルーフバルコニーは保険対象部分になる訳ですね。
※キーワード:
基本補償の保険対象部分以外にも、「特約を付帯し」保険対象部分にできる。
マンションの修繕工事で主な特約は「外壁塗膜補償」「タイル剥落補償」
「防水工事実施部分保険延長」などの特約。
⇒ここで、気になりましたことを。
不具合が生じ、補償してくれる保険に加入することは安心です。
その代わりに保険料の支払いが生じます。 瑕疵保険は、施工会社が保険料を支払いますが、
実質は工事費に含まれ、管理組合が支払うことになります。
瑕疵保険(基本補償)と付帯する特約に加入することはビジネスですので、その見極めは
難しいと思います。
「管理組合の財務内容」と、「事故が起こりうる確率<施行不良がないように保険会社提携第三者機関で
チェックすると思いますが>」をバランス良く吟味し、加入するのがベターでしょう。
修繕工事会社の現場代理人、保険会社の担当者などの『<自社の利益のことだけでなく>
管理組合の立場に立ってアドバイス頂けるプロの知見』に期待したいところですね。
言い方、例え方はふさわしくないかもしれませんが、保険はギャンブル的な要素、
要員も多いかと。全てをリスクヘッジするとなりますと、それなりの保険料も掛かります。
運、不運に委ねる部分も大きいかと。個人的な考えでは、十分に知識を得て、熟慮することは
大切ですが、『程々精神で、必要最低限のポイントを抑えた補償だけで良いのでは』です。
あとはアドバイスしてくださる方、協力者との相性、フィーリングに託し、その助言に従う。
<全面的にアドバイザーの助言に委ねるのは酷ですからね。ある程度は、事故が生じてしまったら
管理組合の自己責任で、という感覚で臨むしかないのでは。>
※キーワード:
「特約を付帯する」ことができるは、基本補償となる保険対象部分とセット加入が必須。
特約補償のみの加入はできない。
※キーワード:
保険会社<ここでは(株)あんしん保証>が保険金を支払う事例(保険会社の呼び方「有責」)の条件を
屋上防水工事の実施後に雨漏りが生じた想定で確認。
・保険を申込した修繕工事会社が実施した工事であること。
・事故原因部分が保険対象部分であること。
・事故原因部分が施工不良によるものであり、防水性能が機能しないこと。
※キーワード:
保険会社<(株)あんしん保証>が保険金を支払わない事例(保険会社の呼び方「無責」「免責」)の条件
「無責」
・保険約款に「保険金を支払う」と書いていないもの。(「有責」の条件を満たさない)
・保険期間外に生じた事故
「免責」
・保険料支払い前に、発見された事故
・瑕疵(施工不良)でなく、自然消耗(経年劣化)等により生じたもの
・告知事項について重大な過失により、事実を告げないとき
⇒ 「無責」「免責」もありますからね。
より「必要最低限のリスクヘッジのため」に保険料を支払いたいところです。
そのためには経験豊富な修繕工事会社の現場代理人、保険会社の担当者などの「人間性」や
繰り返しになりますが『プロの知見』が非常に大切かと。
公財マンション管理センターの月刊誌『マンション管理センター通信』を引用していますが、
ホームページもマンション管理の基礎知識を蓄積するのに良い媒体かと。
公益財団法人マンション管理センター| トップページ (mankan.or.jp)
◇ こちらも前回に続いてです。
全国建物調査診断センター<略称、全建ぜんけんセンター>さんの月刊誌
大規模修繕工事新聞で(株)あんしん保証さんの自己事例の内容が4件
取り上げられています。
※キーワード:
屋上塗膜防水の亀裂からの雨漏り。 原因は「既存下地の処理不良による新規塗料の塗り厚不足」
※キーワード:
目地ひび割れによる雨漏り。 原因は「外壁部分のコーキング充填不足」と「スラブ打ち継ぎ目地の
コキング施工不備」
※キーワード:
外壁塗膜膨れ。 原因はよく分からず。事例はタワマンで修繕積立金にゆとりがあったか
「外壁塗装補償特約」を付帯により、保険金ゲット。
※キーワード:
共用排水縦管のライニング材剥離による排水逆流。
原因は「ライニング材の接着不良により、その部分に流入物(ここではトイレットペーパー)
が引っ掛かり、水が詰まり逆流」 それにより、室内(浴室、洗面室)が汚損。
解説コメントにも、全ての設備工事が保険対象となるわけではありませんとしていますね。
配管のライニング(更生)工事は、費用に対する効用が、やや不明確と修繕工事業界では
解釈されています。
私も個人的な考えは、更生(ライニング)工事ではなく、更新(交換)工事をお勧めしますね。
配管の材質は『樹脂管』や『ステンレス管』など費用が掛かっても事故が生じにくく、長持ち
するもの。
どうせ多額のお金が掛かるのであれば、『樹脂管』や『ステンレス管』に交換を!です。
⇒保険に加入することの利点。
・<保険料は管理組合が負担するものの>施工不良により事故が生じた場合、
保険約款内の事故であれば保険をもらい修復できる。
・施工不良が起きないよう、保険会社の提携機関が、工事中と工事後もチェックして
くれる。
・施工不良が生じた現場の情報を保険会社は沢山持っていると考えられ、その知見を基に
事前に対策を練ったり、きちんとした工事をしてくれる可能性が高まる。
<それでも100%安心とは言うことはできませんが、保険会社が修繕工事に関わる
相乗効果は確かにあると思います。>
大規模修繕工事新聞24年2月号(No.170) (z-book.jp)
大規模修繕工事新聞24年5月号(No.173) (z-book.jp)
◇締めです。
⇒曲名『天国』アーティスト名(バンド名)『fumi』絵本とアニメーションが
くっついた映像、ええんじゃね!
「石を投げれば、高齢者」社会であり、増大する時代になってしまっています。
まぁ、物凄くお金にゆとりのある人以外には、生きていくため、生活するためには
より良い情報収集と取捨選択をして自衛していくことになるのでしょう。
私が個人的な嗜好から、NEW COMERなバンドを好き勝手に取り上げています。
この方たちの表現は、何か人の心を揺さぶってくれる気がします。
年寄りが蔓延する世の中をバランス良く交通整理してくれるマンション管理士、売買仲介マン、
管理会社の手法に疑問を持っている方、修繕工事会社の現場監督、設計監理コンサル、
保険代理人のNEW COMERの息吹がポツリ、ポツリと登場。
登場すると、ええんじゃね!<というか、登場しろ!!(希望、願望を込め)>
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