川勝県政で
切っても切りはなせないのが
リニア中央新幹線です。
これまで多くの敵を作りながら
「命の水を守る」と主張してきた
川勝平太知事。
突然の辞意にリニア沿線のトップたちも反応しています。
<静岡県 川勝平太知事>2017年10月
「工事によってメリットもない。
すべてデメリットしかない。
この工事を静岡県下ですることに対し
断固猛省を求めたい。考え直せということです」
2017年、怒りを込めて発した
この言葉からリニアの議論は熱を帯びます。
JR東海が2027年に開業を計画していた
リニア中央新幹線は、
東京と名古屋をわずか40分で結ぶ
国家プロジェクトです。
南アルプスをトンネルで貫く
静岡工区をめぐっては、
大井川の水の減少などを懸念して
川勝知事は工事に同意せず、手付かずのまま。
<JR東海 金子慎社長(当時)>2019年6月
「静岡工区がよそに比べて
進捗が遅れていて
あとの工程で取り戻すことは難しくなる」
<静岡県 川勝平太知事>2019年6月
「会社が立てた事業計画に対して
それを金科玉条のごとく
相手に押し付けるのは無礼千万と思うくらいです」
2020年6月、解決の糸口が見出せるか
注目されたトップ会談でも亀裂が鮮明に。
<静岡県 川勝平太知事>
「仮に水は戻せない。
ダメだとなったらどうしますか?」
<JR東海 金子慎社長(当時)>
「私はそれは考えにくいと思っています」
<静岡県 川勝平太知事>
「私はあると思っています」
知事が求めたのは、
水が減った場合の「全量戻し」。
その方法として提案された
田代ダム案でしたが…。
<静岡県 川勝平太知事>2022年8月
Q県が求める全量戻しの案にはなりえるか?
「なりえません」
リニアの沿線自治体からも苦言が。
<愛知県 大村秀章知事>2019年6月
「2027年度が遅れるということは
到底受け入れることはできない。
看過できない事態だと思っています」
<静岡県 川勝平太知事>2021年6月 知事選
「命の水を守るために
水源である南アルプスを守らなければならない」
それでも、リニアを争点にして
戦った選挙では強さを見せ圧勝。
議論は国を巻き込みながら多くの時間を費やし、
そして2024年3月29日、JR東海が明言しました。
<JR東海 丹羽俊介社長>2024年3月29日
「残念ながら品川~名古屋間の
2027年の開業は実現しない」
2027年開業の断念。
リニアの開業は早くとも2034年以降になります。
2024年4月3日、川勝知事は辞職について
「リニア問題が区切りを迎えたこと」
を大きな理由にあげました。
リニア沿線、愛知県の大村知事は
1日も早い静岡工区の着工に期待を寄せ、
長野県の阿部知事は静岡県に
リニア推進の努力を求めました。
<長野県 阿部守一知事>
「退任すると静岡県としての
取り組みのあり方、方向性が変わってくる
可能性が確かにある。
その方向性がまだわからないので
そこをしっかり見極めていきたい」
大井川流域の島田市の染谷市長は。
<島田市 染谷絹代市長>
「水資源の問題に限って言えば、
ここまで議論が進んできたのは
知事のおかげというところは大きい。
私はそこには深く感謝の意を
表したいと思っています」
話題が尽きなかった川勝知事とリニア問題。
JR東海は
「報道は承知しているが
コメントする立場にない」としています。
県民はどう見ているのか。
2021年の知事選で、
SBSが1500人の県民を対象に行った調査をみると
「選ばれた知事に期待する政策」
として5割を超える人が
「リニア問題」と解答しています。
さらに、そのうちの8割ほどの人が
川勝知事に投票していて、
川勝知事への期待の表れ、
これまでの姿勢が評価されていることがわかります。
https://news.yahoo.co.jp/articles/37d65513392f0c766472a29f146841bb979b8f18