読売新聞オンライン

(写真:読売新聞)
 

季節性インフルエンザの感染拡大が続いている。

昨年12月にピークを迎えた後、
一度は減少したが、年明け以降に急増し、
1シーズンで二つのピークができる
異例の事態となった。

専門家は
「昨年流行したA型に代わってB型の感染が広がり、
 2度かかる恐れもある」と警戒を呼びかける。


【図表】一目でわかる…「流行入り」「注意報」「警報」の基準



インフルエンザは例年、
年末前後に流行入りし、ピークが一つできる。

しかし、今シーズンは
昨年9月から流行が拡大した。

大阪府の本村和嗣・
感染症情報センター長は
コロナ禍ではインフルエンザがほとんど流行せず、
 十分な免疫を持たない人が増えた。
 (対策が緩和された)昨春以降、
 社会経済活動が活発化し、
 3、4か月早く感染が広がった」と指摘する。

 


厚生労働省は、
全国5000の定点医療機関からの報告を基に
1機関あたり1週間の患者報告数が
10人で「注意報」、
30人で「警報」とする基準を定めている。

 

秋からの流行は
12月初旬に報告数の全国平均が
33・7人と警報レベルとなった。

その後は注意報レベルの
12・7人にまで下がったが、
年明け以降は5週連続で増加し、
2月初旬に23・9人となった。

地域別では
福岡、佐賀、熊本、大分、宮崎、
奈良、京都の7府県が警報レベルとなり、

大阪、愛知など4府県で
29人を超えて警報レベル寸前だ。



「患者の増加が止まらない」

大阪府東大阪市のクリニック
「藤戸小児科」の藤戸敬士院長は話す。

2月初旬の1週間の患者数は
1か月前の10倍近い108人にまで
急増したという。


2回目のピークができた背景には、
昨年末にかけて2種類のA型
(H1N1型、H3N2型)が流行した後、
1月以降に新たに
B型が拡大している現状がある。



感染症に詳しい
菅谷憲夫・慶応大客員教授によると、
B型ウイルスはあまり変異を起こさない。

多くの大人では
一度かかって得た免疫が保たれて
重症化しにくいが、この4年間、
B型の流行がなかったため、
子どもはほとんど免疫を持っていないという。

2月初旬の患者の約7割を
15歳未満が占めた。


菅谷氏は
「B型でこの規模の感染の山が
 できることは珍しい。
 異なるウイルスが順番に
 ピークを引き起こすのも異例だ」
と指摘。

「結果として、
(推計感染者数約1458万人と)
 近年で最も大規模だった
 2017~18年に匹敵する
 流行になる可能性が高い」
との見方を示した。


インフルエンザ異例の2回目ピーク、今度はB型…専門家「2度かかる恐れも」(読売新聞オンライン) - Yahoo!ニュース