2014年までの40年間に
国内で自殺や事故死した人の統計分析を行った結果、
誕生日には他の日より死亡する人の数が多くなる事実を
大阪大学の研究者が発見した。
海外では同じ傾向が指摘されていたが、
日本の状況は研究されてこなかった。
大阪大・大学院の松林哲也准教授らのチームは、
誕生日と死亡日の関係に着目して、
1974年から2014年までに国内で亡くなった
207万3656人分の人口動態調査データを分析した。
対象としたのは、自殺、交通事故死、溺死、窒息死、転落死で
亡くなった人で、誕生日と死亡日が同じであれば「0」とし、
ギャップの日数を数値に取った。
その結果、誕生日以外の日に死亡した人の平均は、
約5700人にとどまった一方、
誕生日に死亡した人の数は、
1.4倍近い8000人以上にのぼることが判明した。
次に死因について統計分析したところ、
誕生日に自殺で亡くなる人の数は、
それ以外の日に比べて5割ほど多かった。
さらに、
乗用車やバイクによる交通事故死、
溺死や転落死などの数も、誕生日には、
それぞれ20～40％ほど上昇したという。
誕生日前後の死亡リスクが高まる傾向については、
すでに海外では研究が進んでいる。
欧米では、記念日を期待していたような形で
祝うことができなかった場合に、
孤独感などのストレスにさいなまされて、
死亡する人の数が多くなるという
「誕生日ブルー説」が支持されているが、
文化背景が異なる日本では研究が進んでいなかった。
松林准教授は
「“死んでしまいたい”などといった自殺願望を
抱いている人やリスクの高い人が誕生日を迎える際には、
周囲が注意を払ったり、サポートすることが
自殺予防対策を考える上で必要だ」と話している。
＜＜出典元＞＞
http://www.excite.co.jp/News/society_g/20160602/Hazardlab_14971.html