「と、言うわけなのよ。」




太一くんと付き合うかどうか3回デートして決めてと言われ、今日が2回目のデート




私は太一くんに会うなり、先輩の受験結果や今結局同じ東京にいることを全部話してみた




太一「そうなんだ。で、さくらちゃんはどうしたいの?」




私「うーーん、正直、私から連絡するのはなんか嫌なんだけどなんで一言も連絡くれないんだろうって毎日考えちゃって




こんな元カレの話を現在進行形で自分に告白してくれてる人に全部話すなんて、私は酷いやつだ




でも、全部を受け入れてくれる太一くんは、むしろこんなことを言ってきた




太一「とりあえず意地は張らずに、一度連絡してみたら?じゃないと、何も進まないし、俺としてもスッキリしないし。」




私「そうだよねなんかごめんね、私こんなやつだよ太一くん!」




太一「そんな素直なさくらちゃんが好きなんだよ」




そう言って太一くんは笑ってくれた




私が太一くんに惹かれつつあるのは事実だ




最初は太一くんの演奏に惚れてるだけだと自分に言い聞かせたけど、やっぱり告白されたら意識するし、こんな風に私のすべてを受け入れてくれる器の大きさと余裕に、人としても男としても尊敬しつつあった




2回目のデートは基本、カフェやレストランをハシゴして、ひたすらいろんな話をして終わった




太一くんとのおしゃべりは楽しい




先輩の時みたいに緊張もしないしご飯もたくさん食べられる




これは逆に恋愛感情ないってことなのか?とか自問自答しながら




太一くんは、この前は練習室でついつい抱きしめちゃったけど、ちゃんと付き合うまで過度なスキンシップはとらないと言ってくれて、手も繋がないから、どこかで安心してたのかも




そして駅まで送ってもらって家に帰る




私の宿題は、先輩に連絡してみること




電話にしようかラインにしようか迷う




電話をする度胸は私にはなかった




家について落ち着いてからラインをしてみる




携帯持つ手が冷たくなってちょっと震える




久しぶりのこの感じ





先輩と付き合ってから別れるまでのことが蘇る




前に進まなきゃ!!!!




そう言い聞かせ、ラインを送る




「先輩久しぶり。受験お疲れさま。元気?」




つづく