ここ数年、Z世代のなりたい職業として常に上位にランクインしているYouTuber。私はあまりYouTubeは見ないのですが、料理レシピ動画だけは別。時折、YouTubeで紹介された料理動画を見てお料理することもあります。そんなYouTubeがきっかけともなった、また新たなレストランが白金台にオープンします。オープンに先駆けて開催されたプレス向けのレセプションにお招きいただきました。

▼リールにてご紹介していますので動画でも是非見てみてくださいね▼

 


レストランの店名は「CIRPAS(サーパス)」。百花繚乱のていをなす現代のレストラン業界に、新たな流れ【circulation】を大いなる熱量【passion】を持って生み出そうとその名がつけられました。カウンター8席と個室のレストランで、明日11月24日オープン。紹介しておいてすみませんが、すでに2ヶ月先までいっぱいだとか。凄い!

 

吉田能(たかし)シェフはパリの「ドミニク・ブシェ」で修行され、日本では「ピエール・ガニエール」勤務後、「ドミニク・ブシェ・トーキョー」のスーシェフを経て「レ・コパン ドゥ ドミニク・ブシェ」のシェフに就任後、同グループのエグゼクティブシェフへ。コロナ禍中に活動の場をYouTubeの世界へと移し、現在は60万人以上のフォロワーを獲得した人気YouTuber「城二郎」としてご活躍されています。料理人目線で作り上げる美しい料理動画はとてもわかりやすく解説されています。落ち着きのある声が心に届くこのコンテンツは、多くの人の心を掴み離しません。この度、「CIRPAS(サーパス)」のシェフに抜擢され、再び厨房に立つことを決意されました。

 

まずは素敵なシャンパンEgly OurietとTELMONTのダブルで乾杯。TELMONTはサーキュレーションをテーマにしたレストランのスタートとしてもぴったりのシャンパーニュ。グラスはロブマイヤーでエレガントですね。

 

春巻の皮で作ったタルトに馬肉のタルタルとアボカドのピュレ。馬肉の旨味とウニを繋ぐように海苔やアボカドが使われた海と山の味わいの融合でスタートです。

 

器はカマチ陶舗のものを多く使われていました。外側が真っ白で、釉薬で美しく輝く漆黒の器の中には、北海道の毛蟹のほぐしみをスパイスで味付けしたものとフラン。上には茶豆といくらを添えジュエルのような演出ですね。アサリの出汁の泡にはアリッサムやハーブを添えまずは毛蟹の味わいをしっかり堪能できる一皿。

 

Domaine Fleurot-Loaroseのサシャーニュモンラッシェです。

 

蓋を開けると。真ん中にキャビアがてんこ盛り。キャビアの周りには、昆布締めしたぼたん海老。落花生のパンナコッタ、そして甲殻類のジュレを重ねています。

 

落花生のスープをかけて仕上げていくと、オレンジ色の湖が白く覆われていきます。

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真っ白になるとオレンジのソースのときとは全くイメージが変わった景色。一気にエレガンスなお料理になりました。周りのペンタスや金箔がさらに生きてきますね。落花生の甘味と甲殻類のしっかりした味わい。そして立派なぼたん海老が甘味のマリアージュ。キャビアの塩気と海の香り、落花生の甘味のある優しいソースが全体の味わいを一気に高めてくれました。

 

オータムトリュフがたくさん盛り付けられて登場しました。豪華です!

 

大きなホタテはソテーで。ホタテの紐で作ったスープに古代米をいれたソース。トリュフの下にはトサカノリをベースにしたバターで、ホタテに楽しい味わいを加えています。最後はトリュフをたっぷりかけて。

 

これには宮坂酒造の真澄を合わせて。

 

パンは自家製。加水率の高いふわふわパンで、焦しバターをいれているのでリッチな味わいです。最後にさっと油で揚げているので、サクッとした食感。

 

押すと潰れてしまいそうなふわふわのパンでした。いくらでも食べられてしまいそうな危険なパンは、オリーブオイルを添えてくれましたがなくとも美味しくいただけました!

 

お次のワインはこちら。ペアリングの参考までにお写真だけ掲載しておきますね。

 

甘鯛は松笠焼きのような感じで表面に鱗を纏わせて仕上げてありました。しかしながら面白いのは、逆だてるのではなく、一度全部引いて感想させたものをまぶして焼いたというもの。しゃりしゃり、サクサクっとした食感と甘鯛の甘味が融合します。

 

最後はパリパラリ感を大切にし、トマトを発酵させ抽出したエキスを直前にかけてくださいました。旨味がしっかりしていましたが酸味があるのでスッキリいただけました。トマトのニュアンスがお魚にニュアンスを加えていました。

 

もものすけ蕪は真空で5日ほ発酵させているためか、滑らかな仕上がり。豊かな味わいの蕪に仕上がっていました。

 

蓮根に鹿肉のレバーや心臓などを詰め、網脂で包んで焼いています。

 

岐阜で獲れた鹿肉はジュのソースでシンプルに登場しましたが、肉質がとてもしなやかで舌触りが優しく、ストレスがかかっていないことがわかる美味しい鹿でした。聞けば岐阜の女性ハンターさんによるもので、罠で取って屠殺所へ持っていき、5日ほど冷蔵庫で熟成させているようです。干し柿のチャツネが添えてあり、ちょっとマーマレードのような感じで、鹿と一緒にいただくとかなりその味わいが広がります。フライパンで見せていただいた蓮根はトリュフと共に。蓮根も旨味があり美味しい♪

 

お肉のナイフはラギオール。お肉のしなやかさがより際立ちます。

 

吉田シェフの好きなフランスの伝統菓子を現代風に作ったデザートです。

最後焼き目をつけた少し温かいメレンゲの中には、バニラアイスが入っていて、温かいのと冷たいののコントラストが楽しめます。最後は、ほんの少しだけ酸味を感じる温州みかんのソースをかけ爽やかに。日本人にとっては懐かしい冬の味覚です。

 

横から見ても美しいいデザートですね。

 

フィナンシェは一口サイズ。焼きたてがカリッとして一番美味しいやきあがり。

バターの香りも焼きたてでリッチなので、お土産ではなく是非ここで食べて欲しい。

 

実は吉田シェフとの初対面はYouTuberの城二郎さんの時。お料理を初めていただきましたが、キャリアを見れば味は大体わかりますよね。王道フレンチをしっかり学び、技術力も確かです。味の層も厚く安定したいいお料理を作ってくださいました。加えてYouTubeやカメラで培った心に響くスタイリッシュなデザインの料理と美味いしさ。また一つ素晴らしいレストランが東京に仲間入りしました。城二郎さんの素敵な肉声は一度YouTubeを見てリアルを見てからら聴いて欲しい。すでに1 月までいっぱいとのことで、予約は大変そうですが確実に一度は行って欲しいレストランです。

 

お料理は、お任せコース1種 27,500円(税込・サービス料別)〜。カウンターは8席で、個室利用の場合は別途11,000円の利用料がかかります。

 

2階はミシュランガイド東京で1つ星を獲得した中華料理店の入ったビルの1階。地下は私も大好きなピザ屋さん。素晴らしいグルメの入った一角になりましたね。

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CIRPAS(サーパス)

東京都港区白金台4-2-7
03-5422-9797
日月定休
18:30一斉スタート(土曜日のみ12:00からランチ営業あり)