イタリア料理界でも有名シェフのお一人として必ずお名前が上がる、山形のアル・ケッチァーノの奥田政行シェフ。四天王などとも言われていますが、関内にある鉄板焼きののお店『知喜多亭〜和〜』で、コラボイベントがあり参加してきました。
知喜多は、関内の『知喜多亭〜和〜』、横浜と蒲田の『知喜多』の3店舗がる老舗ステーキ屋さん。今回は『知喜多亭〜和〜』にて、コラボイベントが開催されました。
エントランスは鏡張りの空間に竹が植えられ、少し迷路になったような雰囲気です。
初めてお伺いしたので鏡に激突しないよう注意して直進。
普段より熟練のシェフたちが焼き上げる鉄板焼きには、お得意様がついていて、焼き手の指名などもあるんですが、コラボの日はいつもより多くのシェフたちが勢揃い。鉄板の前にずらっと並び、豪華にお料理をされていました。
乾杯の発声と共にコラボイベントが開催♪
奥田シェフレシピのコース仕立てになっていました。料金は15000円。
奥田シェフのレシピでしかもそれぞれのお料理をご説明されながらの食事会でしたので、この料金はかなりお得なのではないでしょうか。さらに楽しかったのは、奥田シェフが山形弁を使い、お料理を楽しく説明してくださいました。
鉄板の魅力は!?
興味深いのは、イタリアンのシェフである奥田シェフが、鉄板の魅力を伝えることを意識して今回のコラボ内容を組み立てていたことです。鉄板焼きは目の前でお料理をしている光景を見ることができるところ。香りや湯気、音などライブ感も満載です。何より熱々で出てくるところも魅力です。そんな数々の演出が登場しますよ。
焼き野菜のバーニャウダー
カリフラワーのソースを使った焼き野菜のバーニャカウダーです。バーニャカウダーは通常、ソースはニンニクとアンチョビで作られています。しかしながら、奥田シェフはカリフラワーを使い、匂の気にならない軽い野菜料理に仕立てていました。
奥田シェフの解説によれば、ピエモンテ名物であるバーニャカウダーですが、かつてイタリア20州がそれぞれの国として分かれていた時代、塩が国境を通過する際に関税がかけられており、塩よりも税率が低いアンチョビとして輸入することで税金の低減を図っていたそうです。アンチョビは運んでいる間に生臭くなるわけですが、捨てるのは勿体無いとニンニクを使い生臭さを消したソースを作ることでバーニャカウダーが始まったとか。レシピの基本はアンチョビとニンニクですが、日本のアンチョビは生臭くないので、ベースをカリフラワーをベースに変え、海老魚醤を使い作ったという奥田シェフならではのバーニャ買うダーからスタートしました。
さてさて、どんどん次のお料理にいきますよ〜。新鮮なタコがたくさんですが、
これを鉄板で温めたオイルに入れるとタコに火が入っていきます。
タコとエリンギのオイルフォンデュ
これで作ったのが、オイルフォンデュ。エリンギは焦げ味をつけ、美味しさを引き出し、オイルの中へ。少しピリ辛な味付けもいい感じ。バゲットをつけてオイルに滲み出たタコなどの美味しさも楽しませていただきました。
ハタは皮を処理し、綺麗にされて登場しました。
紙の上で焼くというテクニック。ここに白ワインをかけクロシェで蒸し焼きにすることでふんわり火が入りました。なるほど。これであれば紙に水分が滞留し、うまく蒸し焼きができるというわけですね。
水菜、エストラゴン、ブロッコリースプラウト、セルフィーユなど10種ほどの野菜やハーブが混ざっていますがこれを焼いてハタにかけていきました。
ニンニクで焼いたハタに野菜のソースはオイルベースながらシンプルで美味しい。魚の下にはネギを焼いたもの。仕上げに葱油をかけてるとバチバチと楽しい音が♪
うわっ、ビールを鉄板の上に置いちゃって大丈夫!?
ご安心ください。230度まで耐えられるカルタファタという透明の耐熱フィルムなんです。「クリスタルアクアパッツア」と名付けられました。通常は調理場で料理されて登場するのですが、まさかの鉄板の上での調理だなんて!!アクアパッツアは狂った水という意味ですが、まさにお水が沸騰している様子(狂った)も見られた体験でした。
クリスタルアクアパッツァ
いい具合に火の入った鯛には浅利の旨味やトマト、ケイパーのアクセント。
うわっ、ご立派♪玉取椎茸は最も美味しい食べ方で♪
椎茸は傘のヒダの部分から水分ができてきますが、これは旨味。この旨味を逃さず鉄板の上で封じ込める焼きで、極上の椎茸を食べさせてくださいました。
鉄板の上でバターに熱を入れていきます。その焦しバターと塩胡椒で味付け。
玉取椎茸のこがしバター焼き
バターの香りも染み込み、力強い椎茸の味わい。最強の椎茸が焼きあがりました。
今度は豚肉と美しい紫のカブの登場です。
藤沢かぶはバーナーで焼き色もつけ、上から下から火を入れます。下からのみ熱の伝わる鉄板ではこんなバーナーも有効ですね。特に球面になっているのは火の入れ方が難しいのでバーナーがかなり有効ですね。
アルケ看板 藤沢かぶと豚の焼き畑見立て
アル・ケッチァーノの看板メニューはソースのないこの豚肉と蕪のお料理。山形で行われる焼畑をイメージし、土の中の味わいを下に作られたお料理です。アクセントにローズマリーとサルサベルデを添えて。
一緒にいただき咀嚼すること数回。それぞれの旨味が口の中に広がると、両者の風味がマッチ。土中の香りに関連する食材同士の組み合わせです。
オマール海老の鉄板焼き
雲丹をたっぷり使いクリームソースを作ります。
お皿の上に盛り付ける光景を見られるのも楽しいですね。
オマール海老の鉄板焼き ウニクリームソース
立派なオマールにの、固形の雲丹が残るクリームソース。雲丹クリームはぬぐっていただきたいので、これも是非バゲットを添えて欲しいですよね。
でた〜。メインのサーロイン!
メインは福島県産のサーロインでした。
鉄板の上で丁寧に焼いていきます。鉄板の上での作業を見ていると鉄板の上でも温度が違うのがわかります。焼き具合を見極め鉄板の位置を時折変え焼いていきました。
どんどんお肉に火が入っていき色が変わります。ワクワクしながら待てますね。
焼き上がったものをカットして盛り付けてくださいました。こりゃ〜楽ちん。
牛肉のステーキ 自家製ハーブマスタード
福島県産黒毛和牛のサーロインのステーキです。香ばしい焼き上がりと旨味のあるお肉は極上。竹炭ソルトもしくは自家製の少し酸味のあるマスタードソースと共に。
水信バナナカレー
奥田シェフが『知喜多亭〜和〜』の親会社であるバナナ問屋で発展してきた水信さんの歴史をもとに考えたスペシャルカレー。豆とバナナを使って仕上げたカレーで油脂は使わずグルテンフリーでできているヘルシーカレーは名物にもなりそうですね。
山形県産「高徳りんご」は見てお分かりの通り蜜がいっぱい。大嘗祭にも献上される同じく山形県産の「献上ラ・フランス」はすばらしい香り。熊本県産「恋人メロン」は全国で生産者が1名というホルモン剤を使用せずメロン本来の甘味や香りのある極上メロン。平均糖度は16度以上。もちろん水信さんの仕入れです。
コーヒー
奥田シェフは、物事に関しての追求が深いこともあり、お話しがとっても面白いんです。会場では各焼き手の方のところに奥田シェフがさりげなく登場し、世界三大料理はなぜ?とか、ご自身のさまざまな経験を楽しくお話ししながらゲストとの会話を楽しみながら会場を盛り上げていました。
『知喜多亭〜和〜』でのイベントは、3回で一旦終了。次の開催は、12月15日(木)18:00〜。クリスマススペシャルで20,000円とのことですよ♪
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