昨年11月、麻布十番に劇場型とでも言うのでしょうか。大人が楽しめる、素敵なレストランがオープンしました。店名は『NUAGE ET VENT(ニュアージュ エ ヴァン)』。和食をベースにしたアートフュージョン「WA-ART FUSION」なお料理が楽しめるお店です。

 

 

エントランスには頭文字から取ったNVの文字が。

 

 

エントランスを入ると一気に大人の空間に誘われます。このカーテンが一気に開いて、厨房が姿を現すと、まさにオペラ座のステージのようでした。

 

 

CHEFの山下浩幸氏は、「銀座レカン」、マンダリンオリエンタルホテル東京「シグネチャー」など、国内フランス料理の名店に勤務し、エリック・ジーボルト氏に師事し5年半研鑽を積んで帰国。レストラン「T3」のシェフを経て、「NUAGEETVENT」シェフに就任されました。私は「T3」時代に時々訪問していました。3年半ぶりの訪問です。私は山下シェフの日本のレストランではいただけないスパイス使いなどがとても好きで、「T3」時代にはスパイスの融合を楽しみに伺っていましたが、今回はスパイスではなくWA-ART FUSIONという新な料理に挑戦されてます。

 

 

『NUAGE ET VENT(ニュアージュ エ ヴァン)』は「雲」と「風」という意味。

そんなテーマで特注されれた有田焼のショープレートが迎えてくれました。

カトラリーは、クリストフルのジャルダンエデン。お箸も添えてありました。

 

 

営業は18:30~21:00のディナーのみ。金曜日のみ2部制で、第一部 17:30~20:00第二部 20:30~23:00となっています。料金は30,800円です。

 

 

まずは、中国茶の大紅包から。ちょっと茶道の茶事みたいですね。

 

茶事変の煎茶からスタートです。

 

 

目覚めの雫

小松菜、パクチー、にんじん、レモン、生姜を入れた野菜ジュースが登場しました。食前のウオーミングアップと、消化を促進する生姜いりジュース。この色どうなのよと思うかもしれませんが、人参の甘味などで美味しい野菜ジュースといった感じ。

 

 

無農薬有機野菜のお漬物

オレンジ系のお野菜に紫のアリッサムが今っぽい取り合わせ。能登の高農園の野菜のピクルス。アートフュージョンだけあり見た目の美しさも期待できます。ちなみにおかわり中という大判振る舞いなサービスです。

 

うわ~、大きな伊勢海老。シェフの手の大きさでおおサイズが分かりだと思いますが、もはやロブスターの大きさではないでしょうか。タカ農園の野菜のピクルスといい、この巨大な伊勢海老といい、食材のクオリティーににかなり期待できそうです♪

 

 

伊勢海老とトウモロコシの炊き込みご飯

先ほどまで生きていた伊勢海老が土鍋でトウモロコシご飯で炊かれてきました♪この背中の膨らみで、どれほど巨大な伊勢海老なのかのがお分かと思います。

 

土鍋で炊かれたご飯は、ジャンルイ・コケの器に入って、フレンチともいえるスタイルで登場しました。テーブルはまるでステージのようにスポットが当たっているので美しいお料理がさらに美しく映える感じ。インスタ映えも確実です。

 

 

切り身にしても巨大な伊勢海老は、えびの出汁で炊かれて濃厚。旨味も強く、

トウモロコシはゴールドラッシュを使っているので、とっても甘く濃厚な海老出汁とのコントラストも面白い。仕上げはトリュフでゴージャスな香り♪

 

 

登場したのは、北海道の小川の雲丹。極上の雲丹は見ているだけで上がりますね。

 

 

じゅんさいと雲丹のゼリー寄せ

高農園のほのかな甘味の白にんじんのムースの上には、旬のじゅんさい入りのジュレが涼し気です。口に入れると穂紫蘇の香りが華やかに広がりました。雲丹が金粉と共にゴージャスに乗せられて嬉しい。

 

 

オコゼのから揚げ

明石のオニオコゼは唐揚げに。なんだかんだ言ってもオコゼは唐揚げが美味しいですよね。見た目は醜い魚ですが味は抜群だし弾力のある味わいも魅力です。すだちと3種の塩が添えられていましたが、山下シェフのお得意のスパイスを使ったバーベキュー塩があったのが嬉しかった。そのた、抹茶塩と梅塩という組み合わせです。

 

 

山下シェフがとても欲しくてやっと手に入れたという片瀬和宏氏の器。

 

 

ハモの稲庭うどん

これにはハモの稲庭うどんが入っていました。麺には鱧の旨みがしっかり練り込まれた、独特の風味の麺でした。ツルツルっと鰹出汁で爽やかに。

 

 

北京ダック様のおなぁり〜♪

店内にある立派な熟成庫で丁寧に赤酢や水飴の入った上皮水つけながら、3週間ほどドライエイジングして、香ばしく焼いた北京ダックです。

 

 

 

 

銀座ダック

テーブルの上にギフトが届いたような感じです。北京ダックとわかってはいるのももワクワクどきどきです。ここには、ネギとダックの手羽の濃厚な旨みのあるスープも。

 

ビリビリっと開封。見た目も楽しいですが、こんな風にフィンガーフードのように食べられるので、機能面でも優れています。蕎麦のかりんとうがサクサクの食感でパリパリの北京ダックの味をした支えしている感じ。青森県産の黒ニンニクで作った自家製甜麺醤に華やかな味わいとコクを加わり、余韻が長く続きました。

 

 

なかなかダックのお肉を食べることもにないと思いますが、一枚チャーシューのように出してくれました。せっかくの美味しい鴨が余す所なくいただけて嬉しいですね♪

 

 

毛蟹と野菜の煮凝り

噴火湾の毛蟹は、ヤングコーンやオクラと共にスイスチャードに包まれて、ジュエルのようなゼリー寄せになっていました。

 

ここに合わせたはの土佐酢。フランス料理である野菜のテリーヌに日本料理でよく使う土佐酢を合わせているあたり、やはりWA-ART FUSION醤油や出汁の味が加わると、日本人の私たちはやはりほっとするかも✨

 

 

2杯目は、ほうじ茶をいただきました。

 

スープに丁寧にとろみをつけていく山下シェフ。

 

運ばれてきたフカヒレはグツグツ〜。度迫力です♪

山下シェフの新境地でのスペシャリテはなんと中華ということにちょっとびっくりしましたが、新たな決意で向き合った心意気がわかるほど美味しくできていました。

 

気仙沼のぐつぐつ焼きフカヒレ 季節の野菜とともに

昆布とすっぽんのスープには、山椒や生姜、辛子など香味となるのスパイスが入り、落ち着きのある中華に。フカヒレは香ばしく焼かれ、戻しも綺麗でした。とろとろの湯葉と、瞬の北海道産アスパラが華やぎを添えてくれました。合わせる野菜などで季節感を出していかれるようです。

 

 

八色椎茸の七輪焼き

 

椎茸は炭火焼きでエキスを丁寧に出すように焼かれ、水分が椎茸をコーティングし、みずみずしい味わいに。そして、なんとなんと〜、ゴルゴンゾーラノクリーム添え。

まあこれはちよっと飛びすぎ・・的な感じもしましたが面白いメニューというこで・・・笑。

 

八色椎茸のスープ

八色椎茸を炭火で焼き、レーズン酵母を使い、軽く炭の風味が加味された、しっかりした味わいの椎茸スープも美味。

 

 

宇和島のこうの果樹園さんのみかんジュースがあるというので飲んでみました。1本に高級なうんしゅうみかんが40個も入っているという、濃厚なジュース。柑橘類を作られているこうの果樹園ですので、このジースが置いてあるお店もかなりレア。本当に美味しいジュースなのでこちらにいらしたら是非飲んでいただきたい。

 

 

肉を美味しく食べるための氷菓子

ちょっとT3時代を思わす演出で登場したグラニテは、沖縄のピーチパインとパセリだったかな?のソルベ。香りを纏って登場しました。ピーチパインの旨みが生きた、かなり全力投球のグラニテでした。

 

 

お肉をカットしていきますよ〜♪放牧で育てられた飛騨牛の雌肉は炭火で焼いてしっとり仕上げてくれました。こちらランプの芯のお肉ですが肉質も繊細でとっても美味しい。美味しくてはじめの一枚はソースも何もつけないでいただいちゃいました。

 

 

飛び牛のトマトすき焼き

二つの部位とそれぞれの食べ方で楽しめました。トマトのムースには名古屋コウチンの卵黄とトリュフ。焼きトマトも添えられていました。

 

こちらはイチボ。すき焼きのよう。

 

こんな感じでトマトのムースをつけていただきました。トリュフを纏った飛騨牛なんてとっても贅沢ですね。

 

ご飯のお供は4種類でちりめん、ゆかり、カラスミ、すっぽんの煮凝りした。

 

 

金井さんの小松姫と石司の鮪のまぐろ丼

私は食べませんが、ほかの方は石司さんのまぐろを使ったご飯でした。

 

 

焼きトウモロコシアイス

これはこのデザートのための特注の器なんでしょうか。


ゴールドラッシュのアイスクリームです。スイートコーンなのでとっても甘いの。

 

ちょっとメレンゲをよけてみると、やきとうもろこしと黒トリュフを添え、またまたリッチな味わいです。甘いバニラのメレンゲと食感と優しい甘さをさらプラス。

 

 

マンゴーのわらび餅とお米のプリン

ライスミルクで作ったプリンには山椒の合わせを添えて。マンゴーとパッションフルーツのソースがトロピカル♡

 

 

みたらし団子

最後は一口のみたらし団子♪ちょっと焼いていて風味も良いですね。

 

お茶はルイボスティーにハイビスカスなどが入ったお茶をいただきました。

 

今や料理はボーダレスですが、こちらはミックスという感じもありますね。とはいえ、変に熟成や発酵をこねくり回したり、飛びすぎでしょという食材を合わせることで、味よりも面白さを重視しているものもありますが、そこは山下シェフの真面目で優しいところがお料理に反映され、また和食がベースにあるので結構安心して食べられる美味しさでした。 用途としては、確実に大人のデートにぴったり。この日も奥様のお誕生日のお祝いで大人のご夫妻がいらしていました。 イノベーティブだからと構えたり、斜に構えたりすることなく、楽しい時間を過ごしたい方におすすめです。

 

 

 

NUAGE ET VENT(ニュアージュ エ ヴァン)

東京都港区麻布十番1-9-3 第2フジヨシビル

03-5563-6333

 

 

 

 

NUAGE ET VENT懐石・会席料理 / 麻布十番駅赤羽橋駅六本木駅
夜総合点-