かなり久々に青山の名店『NARISAWA(ナリサワ)』に伺いました。今や世界の『NARISAWA』のお店と言っても過言ではない程、フランス料理業界では重鎮の粋に達しています。コンセプトは里山キュイジーヌ。成澤ワールドがスタートしました。

 

 

私が最初に訪問した頃の『ナリサワ』は、有名店ではあるけれど重鎮というほどでもなく・・・といった感じでしたが、時は流れ、『ナリサワ』はミシュランガイド東京2022でも2つ星、ベストレストランでも20位にランクインする世界のフーディーたちに愛される日本を代表するレストランとなっています。

 

 

当時は何と斬新な建物なんだと思ったのはいうまでもありません。

 

コンセプトは

Innovative Satoyama Cuisine
革新的里山料理

 

ランチは本来33,000円(税込)ですが、期間限定でHalf course collection22,000円というメニューがあったので、今しかないしなとハーフコースにしてみました。

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引盃

入り口にはお香が焚かれ、最初に一献のおもてなし。茶席のような感じですね。しかも生成の和紙の上に漆の紅い引盃とはまるで日の丸。JAPANを感じられるスタートです。しかもさすがナリサワ、満寿泉の一号絞りで一献とは贅沢ですね。

 

 

 

 

 

石川 アオリイカ・宮崎 キャビア

中心がレアな火入れのアオリイカのフリットは、国産キャビアと柚子を散らして。

宮崎ということは平家キャビアですね。塩分もナリサワ用に特別に配合されているそうです。シャンパーニュに合わせて、フリットとキャビアといった趣向でしょうか。

 

 

 

 

愛知 ウナギ・京都 米

愛知のうなぎを白焼きにし、茶漬け風にしています。有明の香り高い海苔を散らして。

 

 

"ラグジュアリーエッセンス"静岡 赤座海老

『ナリサワ』のシグネチャーですね。静岡のサスエ前田魚店から届く「立派!」としか言いようのない赤座海老を蒸し、野菜と合わせています。"ラグジュアリーエッセンス"は、野菜を一切使わず、丸鶏や豚肉、生ハムなどで取った出汁のこと。旨味がしっかり凝縮していながらもクリアな色調でオリーブオイルのアクセントを加えています。スープにご飯を入れて余さず食べてしまいたいと思ったのは私だけではないはず。

 

 

パンは面白い趣向で登場しました。発酵したパン生地と共に熱々に熱した石製の器がテーブルに運ばれ、最後栗の木のパウダーを散らして12分ほど蒸し焼きのような感じで焼き上げる、原始的な方法とすら思える方法ですが、目の前でそんな工程を見なが焼き上がった自然の恵みをいただくという、パンが一つのお料理になっていました。

 

こんな感じで熱々の石製の器に入れて、板一枚乗せ、蒸し焼きのようにしていきます。実は結構ワイルドな演出ですよね〜。じゅわぁ〜っとした音が聞こえます。

 

 

"森のパン 2010"・苔

焼き上がった森のパンは柑橘類のピールが入り自然の甘味。

 

バターはオリーブの粉をまとい、ほうれん草の葉緑素で仕上げ。

苔玉、マリモ? はたまた盆栽のようなカタチで出てきて面白いですね。

 

 

"五穀豊穣" 山口 赤ムツ

ここでも最初のお酒同様和紙が使われていますが、燻ったような香りが漂います。

 

皮目を香ばしく焼き薫香を纏ったムツの下には、自家製の絶品ポン酢と紅くるりとビタミン大根のおろしが添えてあります。梅麹や木の芽のソースを添えたり、揚げたお玄米や黒米などの古来より親しんできた食材をいだくというものでした。

 

 

兵庫 神戸ビーフ

圧巻の神戸牛ですね。肉質も美しいです。

 

しなやかに焼き上がった神戸牛には、菊芋とトリュフが添えられていました。

 

 

ペルー アマゾンカカオ

デザートは焼きたてのスフレとアイスクリームで。スフレだけで、時にはアイスと共にいただきました。カカオのいい香り〜。

 

 

最後はべにふうきのお茶で。

 

 

福岡 八女茶・富山 最中

小菓子は蜂のマーク入りのオリジナル最中。八女茶などが仕込まれていました。

 

海から赤座海老やアオリイカを、湖からうなぎを、人里から神戸ビーフ、森からは野生の酵母や栗の木、里山からはキャビアなど自然の恵みをいただくと共に

日本のこしきゆかしき習慣や文化を取り入れながら、日本各地から最高の食材を取り揃え作り上げる革新的里山料理。自然との共生を大切に考えられている成澤シェフのパッションがふんだんに散りばめられたお料理でした。

 

 

 

NARISAWA(ナリサワ)

東京都港区南青山2-6-15

03-5785-0799

日曜・月曜定休