12月4日に京都西陣にオープンした『天若』。工事が遅れなんと私が訪問した日が

実質オープンとなりました。なんとなんと記念すべき一番客にーーー。

『天若』は店主の西岡瞭氏の祖父の時代にできたお店。祖父と料理がしたくて

料理人になったという西岡氏ですが、祖父のお店のあった思い入れの場所で

開業されました。きっとおじいちゃん子だったんでしょうね。

所々に先代への尊敬の念や愛に溢れるお料理がたくさん登場しました。

 

 

西岡さんの修行は少し遅く、慶應大学を卒業した後、料理を学びます。

ミシュランガイド京都大阪で二つ星を獲得している『高台寺和久傳』や

『おたぎ』で研鑽を積み、お店を開業されました。

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エントランスには、書家の筆も綺麗に表装されて掛かっていました。

実は一緒に行った友人が先代の時代に「天若」へ来ていたというご縁で

西岡さんとは以前お食事もしたことがあるんですが、西岡さんは

アートなども率先的に見に行かれ、センスを磨いていらっしゃいました。

お店作りにも今まで培ってきた感性が生きているなという印象でした。

 

祖父の代には、宴会をされるような建物にお店を開業されたので、スペースは

かなりゆったり。ゆとりのあるスペースでかなり優雅な店舗になっています。

 

店内に入ると檜の清潔なカウンター。8席ほどですがスペースもゆったり。

いいものを残していただきましたね。

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まずは鳳凰単叢 蜜蘭香お茶を出してくださいました。

 

 

八寸

雪ごもりの演出だったのですが、実はこちらは先代のお手製。

昔は料理人がこういうあしらいものも作られていたようです。

受け継いできたものを大切にしたいという気持ちにちょっとほっこり。

 

器の中には、コッペ蟹、こみつのクルミ和え、卵焼き、たらのこの真丈、

青海大根の味噌漬け、もろこを炊いたん、穴子寿司、野苺などがちょこちょと。

 

 

お椀が登場しました。ここは是非動画でシズル感を楽しんでみてください。

 

 

 ぐじのお椀

しっかり引かれた出汁に脂の乗った鯛とたっぷりの葱。

鯛の身にも程よく火が入り美味しくいただきました。

 

造り

天然のヒラメのお刺身でした。白菜の中の部分を添え甘味を。

醤油とポン酢でいただきました。

 

ヒラメの身が美しい✨

 

 

お店を開業するにあたり、メインとしたのが天ぷら。

先代時代の天若が天ぷらが中心の和食店で、祖父から学んだ天ぷらを

ご自身のお店でもメインに据えたいという思いから天麩羅が登場します。

 

まずは食材を見せてくださいました。

茨城県産ひかりれんこん、鹿児島の紅あずま、宮崎産の活車海老

千葉県産ジャンボマッシュルームと、西岡さんが各地より厳選した食材です。

 

大根おろしにはレモンが入ってさっぱり。

レモンの酸味と大根の甘味があり、これとっても爽やかでよかったです。

 

 

カウンターの脇で揚げたての天ぷらをカウンターのお皿に。

オープン初日ということで、特別に揚げているところを撮影しちゃいました。

 

 

雲丹がたっぷり乗った海苔の天ぷらは、

見た目も味わいもゴージャスで華がありますね。

 

頭はカリッと香ばしく。頭もバリっといただけます。

 

海老はピンっと綺麗に揚げられていました。

良質の車海老は味わいもしっかり。

 

蓮根はシャキシャキした歯応え。

 

大きなマッシュルームはふわっと油を吸って。

 

みずみずしい紅あずま。

 

カットして出してくださいましたが、箸で持ち上げようとすると湯気が。

適度な優しい甘味でした。

 

 

豆腐の天麩羅

先代時代に、天麩羅の名物をとお客様からリクエストされたのが

豆腐の天ぷら。天つゆととに入れ、ねぎと辛子で食べるというスタイルです。

今では揚げ出し豆腐というメニューが確率されていますが

もしやこのお店が揚げ出し豆腐の発祥かもしれませんね。

 

 

なまこと山芋おろし

箸休めと言ったところですが、流れがよかったのかこれがまた

なまこ自体も美味しかったのですが柚子の軽い風味が加わり美味しかったです。

 

私はノンアルコールなのでお茶やお水をお願いしたのですが

西岡さんは中国茶も学んでいらっしゃるということで、いくつか取り揃えて

いらっしゃいましたが、なんとも素敵なジャスミン茶を出してくださいました。

 

私は炭酸水をいただいたのですが、滋賀県でボトリングされた

岩深水「IWASHIMIZU」というものを使われていました。

クリアな味わいで変なクセもなく炭酸でありながら優しい味わいのお水でした。

これもかなりのこだわりで見つけたようで、私も調べたらなんと非加熱。

 

自宅にお取り寄せしちゃおうかしらと思ったのでリンクしておきます。

 

 

 

 

鮑と菊名の小鍋

炭火で温められた小さな鍋が登場。

菊名はさっと出汁に通していただきました。

 

出汁の中からは鮑が登場。これはかなり贅沢ですね。

 

滋賀県の無農薬米を土鍋で炊いて。これがすこぶる美味しかった。

 

土鍋の中でもお米が立っていますが、ツヤツヤしたお米は

甘味もしっかりあって、美味しくいただきました。

 

 

香の物も美味しいご飯に合わせてしっかり。

 

ちりめんじゃこもしっか添えていただきました。

 

水菓子

 

ブランマンジェだったかな。上には炊いたあずき。

つるっとした喉越しと小豆の旨味がふっくら美味しいデザート。

 

甘味の強いよつぼし苺と紅まどんなでした。

 

 

天若(てんじゃく)

京都府京都市上京区千本通五辻上る牡丹鉾町570

予約はポケットコンシェルジュから