2021年も終わろうとしていますが、書けていないレストランがわんさか溜まって
います💦。帰省しないと決めたので、年内に1店でも2店でもご紹介したいと思い、
頑張って書こうと思います。師走の年末ギリギリに忙しく過ごされていらっしゃる方も多いと思いますが、息抜きに美味しいお写真で楽しんでいただけたら嬉しいです。
今回ご紹介するのは、8月に訪問した大阪の『HAJIME(ハジメ)』です。
新型コロナウイルスがなければ世界各国からこのレストランを目指し、
訪問されるという大阪が、いや日本が世界に誇るレストランです。
シックな店内は大人な空間ですが、お食事が始まるとテーブルの上には
一際華やかな花が咲いたような華やかな時間が繰り広げられます。
アルコール提供が禁止の時期だったのでノンアルコールにて。
POMMILLON(ポミヨン)のシードルでスタートです。
食べるアートとも食べる宝石とも言えるようなお料理の始まりはじまり。
今回のテーマは、「地球との対話2021」。
大地、生命、湖、海
調和、希望、夕立、愛とまさに自然や命にちなんだワードが並びます。
大地 〜恵み〜
まずは夏を象徴する野菜の一つであるとうもろこし。
ヤングコーンを取り出し、皮をめくると中からはとうもろこしのふわふわの
蒸しパンが出てきました。蒸したての温かな蒸しパンの中にはとうもろこしの粒も
入っています。ひげを揚げたものは蒸しパンに添えて。
もう一つのとうもろこしは、
焼きとうもろこしの温かなスープを球体の中に閉じ込めて。
スプーンごと一口で口の中に入れていきます。
生命 〜小さな生命〜
どちらもお魚など海のものを使い、お料理を作られています。
石を使い川や海を表現されていますね。
ライスペーパーを揚げ、クエとかずのこを乗せています。
鮎を捌いて衣をつけ、フリットに。上には蓼のソース。
少し酸味のあるソースで。
湖 〜群れ〜
ビワマスを中心にお魚が群れをなして泳いでいる様子を表現した
なんともアートなお皿です。繊細なお皿は食べるのも勿体ない感じですよね。
ちなみにお魚は八丁味噌で作られています。
鱒の下にはマンゴーや桃のピュレなど。少し酸味のきいた味わいで。
海藻のスープを合わせたソースがアクセント。
海 〜つながり〜
まるで海の中の様々な生き物をプレートの中に閉じ込めた一皿。
手長海老やシャコなどが列をなして置かれています。
すっぽんのゼリーの上にはシャコ。
小さな野菜も所々に散りばめら、卵の黄身を使ったソースやトリュフのソースなど
生命の誕生を感じる、まさに海の中の循環を描いているようです。
調和 〜人そして自然〜
絶妙のバランスで置かれていますね。
このバランス感も調和の表現の一つでしょうか。
松の実やエストラゴンやディルなどのハーブや無花果のピュレと共に
フォアグラをジャガイモを薄くスライスしたチップスで挟んでいます。
パリッとした食感とねっとりした食感、そしてハーブとの調和も楽しい一品。
お口直し
PEPINELLE(ペピネル)はエルダーフラワーとハイビスカスなどりの入った
スパークリングノンアルコールドリンク。軽い酸味があって飲みやすいです。
希望《生命と大地の芽吹き》〜霧、草原〜
メインは、峠下牛。抹茶のソースを一筆書きにして草原を表現しています。
かぼちゃのピュレを合わせています。
峠下牛は広島県竹原市のブランド牛。赤身の旨味が美味しいお肉でした。
ソースはジュのソースでシンプルに。
大地の芽吹きを表現したお皿には、草原で生き生きと育成された牛の姿を
表しているのでしょうか。抹茶で一筆書きにされたソースにはパースニップのピュレ
が施され、蕪や鬼灯、クレソンやモロッコいんげんが並びんでいます。
角度を変えて見てみましょうか。綺麗ですよね。
バターの演出も可愛らしいい演出で。
夕立〜雨音〜
蓮の葉の上に水たまりのようにゼリーが入り、プチプチと音がしていて
水溜りに雨が落ちる音を表現しています。
ここに、グレープフルーツジュースを液体窒素で冷やしたパウダーをかけていきます。
パチパチ、サーーーっという音と共に楽しんでいただいた方が
よろしいかと思いますので是非動画でお楽しみください。
愛 〜地球に広がる〜
地球を思わせる球体に温かいいちごのソースをかけていくと、
周りのチョコレートが溶けて融合していきます。
いちごがたっぷり入った球体はいちごのソースと交わるとキスマークとも融合
しそう。愛で地球の全てを満たしたかのように。いちごの甘酸っぱい味わいと
フランボワーズの酸味のあるキュートな甘さがかわいいデザートでした。
ミニャルディーズは、6種の盛り合わせ。
木の香りのついた綿菓子がまず目を引きます。
フランボワーズの生地でサンしたバラとフランボワーズのチョコレート。
ポップコーンのブランマンジェ
ウォッカとキウイの果汁を合わせたものをカカオバターでコーティングしています。
なんとも可愛いというかどうやってつくったんだろうというこの球体は
りんごを薄い飴で覆ったています。お隣はマスカルポーネのタルト。
最後はコーヒーで。
あまりにも目の前の世界観が楽しく、素敵〜とかすご〜いとか
言っていたこともあり、味より記憶が先行してしまいましたが
目の前の料理が深く脳裏に刻まれるのはいうまでもありません。
目の前にお料理が運ばれてくるたび、まるで夢の世界に引き込まれて
しまいそうなお料理の数々。見ただけで、その世界観に引き込まれてしまう
存在感はさすがの三つ星。
オーナーシェフの米田 肇氏は、ご本人もストイックながら料理に向かう姿勢も
同様。そんな米田シェフの手から作り出されるお料理は、
どれも食べるアート作品のようです。
緻密な作業と他に類を見ないデザイン。
まさに、エンターテイメントであり
まるで食べる美術館といういった感じでした。
新たな刺激を受けたい時に、特別な時に訪問したいレストランです。
大阪府大阪市西区江戸堀1-9-11 アイプラス江戸堀1F
06-6447-6688
ハジメ (イノベーティブ・フュージョン / 肥後橋駅、淀屋橋駅、渡辺橋駅)
夜総合点-