東京から鎌倉って大体1時間くらいかかりますかね。

私の場合は、住職隣接なため電車に1時間乗るのはかなり苦痛なのですが

ここのところ鎌倉になんだかんだ用事があり、行ってます。

今回は、9月19日にオープンするレガレヴのレセプションにお招きいただいたので、

鎌倉に縁があるななんて思っていました。

せっかく時間をかけて行くんだから、食事でもしてこようかと、以前より訪問

したかった七里ヶ浜のシーヴァが鎌倉移転していたことを思い出し予約しました。

 

 

シーヴァ改め「Iza(イザ)」という店名に。

誰もが知っているフレーズ「いざ、鎌倉」。

以前は、クッチーナというイタリアンのお店でしたが、

店名から見ても芝先康一シェフの渾身の心意気が伝わります。

お店は、ビルの2階にあり、隠れ家的な感じ。ちょっと入り口がわかりにくいですが

この日はなんとシェフが外で待っていてくださいました。

 

 

店内は、テーブル席が1卓。

 

 

そして、ウッドベリーの一枚板の6席限りの贅沢なカウンターがあります。

「寿司屋のような店をやりたかった」という芝先シェフですが

このお店は、シェフのやりたかったことが全て詰まった夢の集結のようなもの。

少量多皿のこちらは、イノヴェーティブなレストランになりました。

 

ノンアルペアリングで。

ベネトのスパークリングジュースに青柚子のゼストを散らした

爽やかなドリンクからスタートしました。

 

 

流木のようなオブジェの上には、テクスチャーの近い

カリフラワーのムースと北海道産の雲丹。

口の中でどちらも溶けるような感じですが、ここに香ばしいアーモンドの食感と

生姜のチップ、フェンネルシードの香りのアクセント。

 

赤海老のマリネと合わせたのは奈良の柿。ここにはハースニップの

ピュレを合わせています。柿りシロップのシートが全体を覆い、美しい。

ペンタスなどをあしらってています。シロップがホワイトバルサミコ酢と

シロップを使い酸味が加わった華やかな魚介のマリネでした。

 

 

かぼすとバジルのジュースだったでしょうか。

 

 

北海道のホタテはカルパッチョのようにいただきました。

下には、パクチーとアサリのクリームソースが敷いてありました。

バジルのオイルのグリーンが鮮やかですね。味わいも爽やかです。

キャビア、オイルとライムの皮を添えアジアンテイストでいただきました。

 

 

寿司屋のようにを目指した芝先シェフですが手元の作業がすべて見られて

とっても楽しい。出てくるまでのワクワク感もたまりません。

 

 

真っ白なお皿の上で、白、黄、赤、緑、黒がそれぞれの色合いを

引き立て合った美しい料理の世界が広がります。

イカのマリネはイカ墨のソースと。

もともと生で食べられるリンキーですが、軽くマリネ。

ケールの軽いパリパリ感は、ちょっとした苦味にも。

仕上げはラディッシュ、クレソンのスプラウト、カラスミのパウダー。

 

 

自家製のパンが登場しました。

皮がパリパリで香ばしく焼かれています。

 

 

下からカエルが顔を出しそうな、大きなナスタチウムが登場しました。

タコは赤ワインのマリネは柔らかく、低温で火入れをしたものと、生のものの組み合わせ。

違った食感や味わいなどが楽しめます。アクセントは赤玉ねぎのビネガー漬け。

マッシュルームのしっかりした味わいのソース、

そしてアクセントのくるみが時折口の中を楽しくしてくれました。

ナスタチウムの軽い辛味が爽やかを加えたお料理でした。

 

たこに合わせたのは、米麹から作った自家製の甘酒。

アーモンドの香りを合わせ、ナツメグのスキットとした風味をつけた、

ナチュラルな甘さのドリンク。

 

 

熊本県産の馬肉のタルタルです。周りのソースなどが可愛いですね。

コースの中では、なんらかのタルタルを出すことも多いとか。

 

 

ケッパー、コルニッション、エシャロットが入り、

ロースを使っているので、お肉の美味しさが楽します。

ペコリーノチーズ、オレンジの皮の素揚げ、セルフィーユが重ねられ

オレンジのちょっと苦味と華やかな香りがアクセントに。

ピスタチオ、ピスタチオペースト、パプリカのソースが可愛らしく添えてありますね♪

 

 

牛タンとフォアグラはワンスプーンで登場しました。

もちろん一口でいただき、それぞれの食材のマリアージュを楽しませていただきました。

バルサミコ酢やマルサラ酒といった風味が広がり、口の中に広がります。余韻も長い。

らっきょの酸味とマジョラムの香りで、甘めの味付つけの

濃厚な食材が、軽やかにいただけました。

 

 

りんごと花椒のジュース。ほぉ、こんな味になるのか〜。家でもやってみようと

思ったジュース。自家製なのか、、それとも少しカクテルっぽく

味を調整していたかもしれませんが、花椒の香りのあとに

りんごのいい味わいが口の中に広がるジュースでした。

 

 

鹿児島県産の黒豚のバラ肉のコンフィとロースのローストは

ミミガーとりんごとクミンのサラダ、赤キャベツのマリネとビーツの酢漬け

 

お肉は濃厚な味わいもありましたが、りんごやヴィネガーでさっぱり。

特にりんごを噛むたびに、シャキシャキとした食感と爽やかな風味が広がり、すっと美味しくいただいた小さなお肉料理でした。

 

お肉に合わせて、ナイフが登場してきました。

一人ひとりこんな風に出してくださいます。

このパターンは初めて!

 

龍泉刃物のナイフでした。ダマスカス模様が美しいですね。

やはり美味しいお肉には、よくきれるナイフが必要。

最近はみなさんが当たり前のようにナイフに拘っていますが

美味しくカットできる心使いが嬉しいですね♪

 

 

 

 

グリーンペッパーを使ったサーモンの爽やかなマリネは

サワークリームとアボカドのクリームと発酵させた舞茸のジュースの泡を合わせて。

きのこを合わせていました。

ペコロスのピクルスは軽く焼いて、中にはニンニクの目のピュレを入れて。

 

 

一度昆布などで煮ているので風味豊かに仕上がった鮑を

王道とも言える組み合わせですがポルチーニと鮑は

ブルギニオンバターでテーしています。これだけでも美味いに決まっていますが、

醤油や味醂を合わせた鮑の肝を合わせ、日本料理のエッセンスを加えています。

最後にサマートリュフをかけてヘーゼルナッツのペーストを添え

きっちりイタリアン的な要素も加えていました。

 

 

鱗をパリパリに仕上げた、甘鯛の松笠焼です。パリパリっとした

繊細な食感と甘鯛の美味しさが楽しめる焼き方で出してくださいました。

ソースは2種。春菊の香りのソースが白ワインのソースにニュアンスを

加え、ソースの付け方で味わいが変わります。ディルで爽やかにいただきました。

 

 

ビーツのジュース。ここにラズベリーの蜂蜜を入れてくださったのですが

ベリーの味が引き立ち、(←こっちの味変の記憶ばかり残ってしまい)

そしてビーツの土臭さが消えるというマジックを起こしてくださいました。

 

 

シェフが厨房で炭火焼きをしている後ろ姿を見た後は

目の前からすでにいい香り〜。

 

 

小鳩の胸肉は炭火焼き、腿はコンフィにして出してくださいました。

鳩のガラと赤ワインのソースで鳩の美味しさを存分に楽しめます。

 

ラディッキオロッソの下には、とうもこしではなくポップコーンと牛乳で作った

ピュレが隠されていました。楽しい組み合わですね。

ポップコーンにすることで、コーンの強い味わいではなく

風味のような感じになりしっかり鳩の味を引き立てていました。

 

 

 

ゴルゴンゾーラと洋梨のリゾットは松の実を添えて。

シェフにどれが一番良かったですかと聞かれ、メインの鳩をお答えしたのですが

洋梨の味わいがほのかにバランスよく残り、こちらもかなり印象的なお皿でした。

 

 

ヌーボラというお菓子だそうです。手で摘んでいただきまましたが

本当に軽くてふわふ〜。ココナッツの風味のお口直しです。

ライムの香りとともに口の中で溶けていく〜♪

 

パイナップルのグラニテでした。パッションフルーツのソースで。

ココナッツミルクのあとだったので、一気に南国に飛んだ気分でした。

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最後のドルチェは、しっかりイタリアンで決めてくれました。

ピスタチオとウイスキーのジェラート。塩が味わいが絶妙。

無花果の葉っぱを牛乳で煮出して作ったジェラート。

ベークドチーズケーキの再構築。

サブレの上に、ベイクドチーズケーキのクリームとレモンの味わい。

そしてライムのメレンゲと一緒にいただく爽やかなチーズケーキでした。

無花果、いちご、ブラックベリーは赤ワインでコンポートにしてあり

味わいが深い〜。スパイスと赤ワイン、フルーツの酸味がジェラート共よく合います。

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コーヒー、紅茶、ハーブティーなどからえらべましたが

棚にあった珈琲のセットがずうっと気になつていたので珈琲にしました。

シェフ自らハンドドリップで淹れてくださいました。

珈琲はエチオピアだとのことでしたので、酸味の強いものを想像したのですが

そうではなく割と深く焙煎したものでした。焙煎は藤井雅彦さんのもの。

使う道具、抽出方法に至るまでしっかり指導のもと淹れているとか。

この後、芝先シェフとの珈琲談義が続く続く(笑)

 

 

小菓子は。鎌倉の銘菓くるみっこへのオマージュ、アーモンドチョコレート

ブルッティ・マ・ヴォーニ、ミルク、ミントのマシュマロ

カントゥッチ、ラムネの組み合わせ。

 

 

器は美濃焼の作山窯のものや有田焼、グラスはTINE&STYLEのものを。

椅子も岐阜のものを使い、デザイン・快適を追求するとともに

クラフトマンシップへのリスペクトが込められたもの。

 

私はシェフが丁寧に選んでいるお姿が目に浮かび

そんなお皿でお料理している姿に思わず頬が綻んでしまいました。

 

芝先シェフは、お話も楽しく、

カウンタースタイルのお店をされたかったのが良くわかります。

経験をしっかりご自身のものにしているのでお話も楽しいのですが

それがしっかり体に染みつきお料理が作られているのがよくわかります。

一見いかつい風貌ですが、とてもクレバーで魅力的なお人柄でした。

(私の年齢からしたら可愛かったです)

 

しかもここまでと思うくらい一つひとつ丁寧に作り込まれた

お料理であるにも関わらずお料理のバランス感覚がとてもの良い。

足し算のお料理、掛け算のお料理と料理が進むに従いその難易度も上がりましたが

口にすると食材とそこに使われたエッセンスが花咲くように口にひろがり

美味しさと楽しさを感じる「口福」料理でした。

 

今回はノンアルコールドリンクをオーダーしましたが

しっかり手を入れペアリングを考えられていらっしゃいました。

お料理も多かったので、頭がパンクしてしまい

途中からいまいち記憶が飛び最後まで書けなくてすみませんでした。

 

鎌倉で行くべきお店がまたできてしまいました。

確実にリピートしますので、また美味しいお料理を期待したいと思います。

またその頃には、コロナも収束して、引き出しの多いシェフなので

気兼ねなくおしゃべりしながらお食事できたらいいな〜。

 

 

Iza(イザ)

神奈川県鎌倉市御成町11-13 第一興産26号館 2F 

0467-81-3791

第3月曜日、日曜日定休日

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

IZAイノベーティブ・フュージョン / 鎌倉駅和田塚駅由比ケ浜駅
夜総合点-